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NFL Draft 2020 1日目
まさか、G+の放送が途中で切れるとは思いませんでしたね。残念極まりない。
再放送では最後までやるらしいけれど、なんてもったいないことをしてくれた。
史上初のヴァーチャルドラフトは、色々面白さがありました
各チームやコーチのウォールーム、ジェリー・ジョーンズのヨットの豪華な部屋
NFL NetworkとESPNの、解説者が豪華な出演をしていました。
序盤はトレードが少なく順当な指名が続きました。
ご多分に漏れず、1巡4位、NYGの指名は
Andrew Thomas(OT,Georgia)
になりました。驚きもなく、傾向通りという感じです。
元々伝統的に指名順位を動かさないBPAを指名する、LBを1巡指名したのが1984年のCarl Banks以来ない、
とか考えたら仕方ないですよね。BPAならIsiah Simmons(LB,Clemson)という気もしましたが、
(Simmonsは、1巡8位でARIから指名)
Daniel Jonesを守り、Saquon Barkleyのランが進むためのチョイスとしては
最善の選択をしたと思います。LTとしては、今ドラフトで一番の素材です。
https://www.youtube.com/watch?v=Yu1Lb8PVIew
驚きをもたらしたのは、1巡12位、LVRからでした。
WRの有力候補の中から一番最初に指名されたのは、Henry Ruggs(Alabama)でした。
レイダースがオークランドからラスベガスにフランチャイズを移し
ラスベガス・レイダースとしての最初の指名が、スピード溢れるWR。
13位のSFは、1つ下のTBとトレードをした末、WR指名を回避し、Javon Kinlaw(DT,South Carolina)を指名しました。
良い選手ではあるんですけれど・・・って思っちゃいます。BPAならWRでしたでしょう。
彼を指名するくらいなら、Deforest Bucknerを放出する理由はなかったよなぁ。
サラリーキャップが厳しいから、Bucknerを出したんでしょうけれども、なんとも勿体ない。
続いて1巡15位、Jerry Jeudy(Alabama)が来ました。Courtland Suttonの対岸にルートランナーとして一級品のレシーバーが、Drew Rockには嬉しいお話です。
そして1巡17位、CeeDee Lamb(Oklahoma)をDALが指名。ニーズとしてはWRは多くなくてもこんな素材を逃す理由がない。
これには解説の元DALの殿堂入りマイケル・アーヴィンもニッコニコでした。(その前のRuggsのときは怒ってたのに大変だな)
続いて指名を受けたのが、20位のPHIにJaylen Reagor(TCU)、21位のMINにJustin JeffersonとWRニーズのチームから指名を受けました。
本日WR指名の最後は、25位、Brandon Aiyuk(Arizona State)が来ました。ウィングスパンが大きい、ボール捕球後にヤードを稼ぐことが上手い、リターナーとしても期待が可能、という選手です。
それにしても、31位から指名権を上げるとは予想外でした。指名権がなくなる。次は5巡の156位で、明日(2巡と3巡)ではなく明後日になります。遠い。
一番心配なCBの補強を本当にどうするんでしょうか、GMのJohn Lynchの実力が試されます。
QBは、1位CIN、Joe Burrow(LSU)、5位MIA、Tua Tagovailoa(Alabama)、6位LAC、Justin Herbert(Oregon)の3名はほぼ既定路線だったので
次に誰が来るのかと言う注目点、26位にGBがトレードアップからのJordan Love(Utah State)を指名。
思えばAaron Rodgersも36歳という年齢ですから、QBの指名という時期なんですね。Brett Favreの下で3年修行を積んだRodgers同様に上手な禅譲ができますか、楽しみです。
しかし、この1つ前のNOは、何故QBの指名でもなく、守備の補強でもなく、IOLのCesar Ruiz(C,Michigan)だったのか、謎だ。
去年同じセンターのErik McCoyを2巡で指名し、どちらかはガードに回る、というSean Peytonの発言ですが
ガードもAndrus Peatと5年オプションをしたばかり、Larry Warfordも3年連続プロボウルの優秀な選手と、どういうことやねん。
27位、SEAのJordyn Brooks(LB,Texas Tech)と並ぶ謎指名と思います。(James Carpenter、Bruce Irvinといい、去年のL.J Collierといい、伝統芸なのかもしれない)
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NFL Draft 2020 に向けて(その4)
さ、いよいよ明日(4/24)に迫っているNFLドラフトですので
今回は1日目の注目点にいきましょう。
1. QBを、どのチームが、どの順位で指名するのか
Joe Burrow(LSU)はCINが全体1位指名することがほぼ確実です。まず間違いなく彼が今ドラフトで最初に指名される選手であることでしょう。
問題は、そのあとのお話になります。
次のグループに入る、Tua Tagovailoa(Alabama)とJustin Herbert(Oregon)を、どのチームがどの順位で指名するのか、ということが焦点になります。
ドラフトの上位指名でQBに問題を抱えているチームとしては、MIA(全体5位)、LAC(全体6位)、JAX(全体9位)が考えられます。
意中の選手を指名するためには、更に上の順位のチームとの指名権トレードをする必要があり、非常に緊迫するお話です。
全体2位のWASはトレード交渉に応じる姿勢を見せておらず、
全体3位のDETは逆に交渉相手を探していて美味しい条件を待っているところ
全体4位のNYGは伝統的には1巡トレードをしないチームでどうなるか
という、QB上位指名はどんなドラマになるのか、ドキドキしますね。
2011年のJake Locker、Blaine Gabbert 、Christian Ponderと、指名されていった話を思い出してしまいます。
また、1巡下位ながら、Tom Bradyが抜けたNE、Teddy Bridgewaterが抜けたNO、などの隠れたQB必要チームがどのような動きをするのか。
これは1日目のみならず、ドラフト全体を通しての注目点になります。
Jordan Love(Utah State)、Jacob Eason(Washington)、Jake Fromm(Georgia)、Jaylen Hurts(Oklahoma)までは確実に指名が来ますからね。
2. WRの指名順位
今ドラフトで珍しいのは、CeeDee Lamb(Oklahoma)、Jerry Jeudy(Alabama)、の甲乙つけ難いWRの指名予想が、識者によってバラバラなことです。
だいたい毎年、WRの1番手は不作の年であっても決まっているものですが、1番がどちらか決まらないのは珍しいので、誰がどの順位になるのか、気になります。
Lamb、Jeudy、そしてHenry Ruggs(Alabama)は確実に指名はされるでしょう。果たしてそれはどのチームなのか。攻撃スキームとマッチするチームなのかも重要なところ。
1日目の指名でその他、誰が指名されるのかも大事なポイントです。Justin Jefferson(LSU)、Brandon Aiyuk(Arizona State)、あたりまでは入るでしょうし
Tee Higgins(Clemson)、Jaylen Reagor(TCU)、Laviska Shenault(Colorado)、Danzel Mims(Baylor)、といった層から誰か驚きの指名はあるのか
2日目になると、Michael Pittman(USC)とか気になる選手がいますし、3日目になるとDonovan Peoples-Jones(Michigan)、Lynn Bowden(Kentucky)、Collin Johnson(Texas)といった個性ある選手たちが適材適所を考えられた指名でどこに食い込むか、楽しみに待っているところです。
3. OLの指名順位
今ドラフトのOLの上位予想がされている選手は、Andrew Thomas(Georgia)、Jedrick Wills(Alabama)、Tristan Wirfs(Iowa)、Mekhi Becton(Louisville)であるのですが、これも決定的に一番だと思われる選手がいません。ラインが強いチームは勝ちに近づくチームになります。その上で是が非でも欲しい優秀なラインマン。ですが、誰が評価が一番高くどのような起用をされるのか、どういう順番でドラフトされていくのか、注目しています。
また、彼らの次のグループである選手達、
OTでいえば、Josh Jones(Houston)、Ezra Cleveland(Boise State)、Austin Jackson(USC)
IOLだと、Cesar Ruiz(Michigan)、Lloyd Cushenberry(LSU)
あたりから1巡指名が出てくるのか、気になりますね。
個人的にはJonesは好きなタイプの選手です。Clevelandは名前のインパクトがあるのでCLEに指名されないかな。
他にも、CB(Corner Back)がどうなるのかも本当にわかりません。
不作と言われるからこそドラフト指名権を上げてでも取りたくなる心情を抑えられなくなるものですし
下位指名権が少ないチームは、トレードを上手く駆使して、指名権を集めたいものです。
NFL.comの公式から出ていた映像で、32チームのGMの過去の傾向が出ていましたが
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こんなに違うんですよ。同じイベントなのに、人の動きが違う。トレードで上げるか下げるか、どのポジションを指名したがるのか、違うんです。
だからこそ、ドラマティックでスリリングで面白い。
それがNFL Draftです。幸い、日本でも1巡目の1日目は生中継されます。楽しみですね。
緊急生中継! NFLドラフト2020スペシャル! | NFL | CS放送 日テレジータス(日テレG+) 日テレがお届けするCSスポーツチャンネル
実況:近藤祐司氏、解説:森清之氏、村田斉潔氏と、充実した面子で行われます。
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NFL Draft 2020 に向けて(その3)
今日もNFL Draftを展望していきましょう。
良い感じの映像が見つかる人だけ選んでます。(そのためBig10やACCが多くなるはずです)
まずは、Mekhi Becton(OT、Louisville)
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デカい、パワーのあるオフェンシブタックルです。Trent Brownのような印象を受けるパワー型の選手。
相手をランで制圧したいと思うチームは欲しいと思う選手です。
Brownを2巡相当でPatriotsはトレードしたことからも1巡はあると思いますが
薬物テストで陽性になりました。そこらへん、ドラフトで悪い意味で注目の選手。
Tristan Wirfs(OL、Iowa)
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元々レスリングが有名でラインの選手が良く出てくるアイオワ大学の選手。
パワーあふれるラン攻撃での寄与が目立ちます。
運動能力が高いことが魅力なのですが、心配されているのが手の短さであり、パスプロテクションに課題を残していることです。
大学時代はタックルですが、オフェンシブガードに転向したらプロボウルは確実と言う見方もあり
どのチームがどういう起用で指名するのか、気になる選手。
NYGが指名すると予想するサイトもちらほら見ます。確かにOGがロスター上、Kevin ZeitlerとWill Hernandezくらいしかいないですが、
個人的には4位だったら別の選手を指名してほしいなと思う選手です。Quinton Nelsonだって1巡6位ですからね。
Yetur Gross-Matos(EDGE、Penn State)
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エッジラッシャー。体格が大きい、スピードは若干気になるものの、素材型としては優秀なタイプ。
こういうタイプの選手がいると4-3のチームは助かるよね、って感じの選手です。
仕留める仕方を覚えて行けばサックを量産するような気もする存在。
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NFL Draft 2020 に向けて(その2)
さ、今日もNFL Draftを展望していきましょう。
今回は攻撃選手。残念ながらOL(オフェンスライン)は良い映像を見つけられないので割愛。
QBは私が応援するNYGも、未練杯で担当したSFも、ニーズではないので取り上げません、アシカラズ。
まずは、不作と言われるのがTE(タイトエンド)になります。
Evan EnglamのいるNYG、George KittleのいるSFと、どちらもニーズじゃありませんね。
TEのTopにいると言われるのが、Cole Kmet(Notre Dame)になります。
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野球もやってたという選手。TEはバスケットボールから転向する人が活躍することはたまーにありますが野球は珍しい。
近年TEの名産地で有名なノートルダム大学の選手ですが、TEが欲しいところがどう動くかを注目。
個人的には膝下の故障が起きそうで心配になりますね。プロでやってくとしては。
さぁ今日の本題は、WR(ワイドレシーバー)になります。
今年のドラフトは昨年とは違ってWRが豊作です。(昨年は2名のみ指名)
NYGはGolden Tateの出場停止とSterling Shepardの怪我で苦しみました。Daniel Jonesを支える選手を増やしていきたいのは本音でデプスが薄く隠れたニーズになっています。
SFは、Emanuel SandersがFAで移籍したのでニーズと言われています。その割には選手がいっぱいいるんですが、HCのKyle Shanahanが欲しているといお話です。
1番手と2番手が飛びぬけて素晴らしいので紹介していきましょう。
1人目は、CeeDee Lamb(Oklahoma)です。
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名門オクラホマ大学で、Baker Mayfield、Kyler Murray、の頃からすでにいた優秀なWR。NFL規定によりやっとドラフトに来るというのが本音。
キャッチ能力が抜群によく、ランアフターキャッチも素晴らしい。ビッグプレーメーカーと言える存在です。
唯一の欠点は、40ydsが4.50だったこと。ただそれを差し引いても取りたい、WRとして攻撃に様々な力を与えてくれるような存在です。
2人目は、Jerry Jeudy(Alabama)です。
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Julio Jones、Amari Cooperなど、近年の素晴らしいWRを出しているアラバマ大学の次なるエース選手。
特にルートランナーとしての才能が素晴らしい。
欠点としてはイージーな落球がたまにあるということらしいですが、そんなの差し引いても見事なプレーが多い。
QBにとって貴重な武器になることは間違いない選手です。
名だたる名レシーバーが名を連ねる大学最優秀WR賞である、ビレトニコフ賞は一昨年受賞しています。
この2名に続く評価を受けているのが、Henry Ruggs 3世(Alabama)です。
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こちらはスピードのお化けという存在の選手。40ydsを4.27という速さ。
スピードを強調したプレーを使うことを主眼に置いているチームなら、本当に欲しいと思う選手です。
近年のNFLでのガジェットプレーやら、RPOなどもあることを考えると、スピード溢れるWRの存在は本当に重要です。
彼よりNFL Combineで速いのは、John Rossだけです。彼は当然のごとく1巡指名でしたよね。
Tyreek Hillは、大学がWest Alabamaと小さな学校だったから指名順位が低かったですが、4.29でした。
そんな彼が今やKCで大活躍していることを考えると、スピードある選手を上手く活用すれば攻撃が幅広く面白く強烈なものになるんですね。
この辺、最近のNFLを考える意味で大事なところ。
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NFL Draft 2020 に向けて(その1)
今年はNFL Draft 2020の1日目がG+で生中継なので楽しみですね。
実況:近藤祐司、解説:森清之、村田斉潔、という豪華な顔ぶれです。
さて、未練杯は終わりましたが、NFL Draftを展望していきましょう。
未練杯ではSFを担当しましたが、私はNYGを応援しているんでNYG目線も含めて。
なお、両チームともQBがニーズになかったので、QBはちゃんとチェックしてないのでアシカラズ。
まず、守備の選手から見ていきましょう。
注目選手はChase Young(Edge,Ohio State)になります。今ドラフトで一番実力ある選手。
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よほどのことがない限り、活躍してプロボウルには当然行く素材です。1巡の4位のNYGは欲しいと思う状態ですが、常識的に考えると1巡2位のWASが指名してしまう状況にあります。そのため、1巡最初の5つまでの指名権の注目は
どこかのチームがWAS、DETとトレードをしてQBを指名するのか否か、4位までYoungは下がってくるのか、と言うことになります。4位でYoungをNYG指名は夢です。
続いてJeff Okudah(CB,Ohio State)
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CBとして完成度の高い選手です。CBに困っているチームなら喉から手が出るほど欲しい素材になります。
NYGとしては、昨年の1巡30位でDeandre Bakerを指名しており活躍していてCB補強が急務ではありません。ちょっとニーズにはあいません。
SFはCB補強が必須と言われています。Richard Shermanは全盛期ほどの力はありませんし、2番手以下も信用がままなりませんからね。しかしながら、持っている1巡13位までこのOkudahが残っているとは思えないのが、現実です。現実的な予想では1巡3位でDETというのが多いです。
お次はDerrick Brown(DT,Auburn)
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DTとしての1番手評価。パワー、体格に優れている選手で常に二人で対処しないといけないほどの選手。
大学では4年間活躍(そもそも高校時代からの注目株)し、子持ち。大学卒業をしたと。(学士が出てないのがアメリカの制度のよくわからんとこですが)
オールプロも考えられるほどの素材で、DL強化したいチームならまず最初に考える素材です。
ちょっとcombineでの40ydsの遅さは気になりますがプレーを見る限り、問題はなさそうな感じ。10位以内には指名されると思っています。
NYGは昨年1巡でDexter Lawrenceを指名して活躍、Dalvin Tomlinsonがいる上で、DT指名は考えにくい。
SFは、Deforest Bucknerをトレードで放出しましたが、Nick Bosaを中心にやっていこうとしているチームがここでまた13位でDTを指名するのか?という疑問と、Bucknerと比較した場合に釣り合わないと考えると、指名は難しい。良い選手ですが、よほど他の選択肢がない限り指名しないと思います。
本日の最後はIsaiah Simmons(LB,Clemson)
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万能型LB。Sのポジションにセットしたりもしているという、運動能力の塊。お化けです。
238lbs即ち108kgの体重で、
Broad Jump(立ち幅跳び)を132inchです。3.35m飛んでます。Odell Beckham Jr.(198lbs=90kg)が122inch、3m10ですからね。おかしい。
Vertical Jump(垂直飛び)を39inchです。0.99m。OBJが38.5inchですから。軽いヤツより飛んでいる。おお、これは、おかしい。
40yds走は、4.39s。これも速い。OBJが4.43sですから、どれだけ速いかわかるでしょ。
起用法と実力がうまくかみ合えば、恐ろしいこと活躍する逸材かなと思っています。
NYGの4位指名の候補になっている選手の一人ですが、Markus Goldenが目下FA中、昨シーズンは相手QBを仕留めきれなかった弱さがありましたので、LBの弱さを補強するのは重要なことになります。ニーズと合ってるといえばあっている。新HC、新DCということで、4-3と3-4を組み合わせる守備を想定するとこういう選手は大変貴重ですしね。
SFの13位までは残らないと思います。だから未練杯では候補にすらしませんでした。こういう素材を狙うチームはトレードアップしてでも欲しいところでしょう。
どこが指名して、どういう起用をするのか、ドラフト本番が楽しみで仕方ない選手です。
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2020 未練杯 感想戦 SF担当として
今年も日本最大級のNFLモックドラフトの祭典、未練・或爺杯モックドラフト2019(通称:未練杯)が行われました。
結果は下記サイトにて確認ください。
http://avestc.blog79.fc2.com/blog-entry-40.html
コロナウイルスの影響で、毎度の現地からのドラフトではなく、オンラインでの大会でした。(現実のNFLドラフトもバーチャルでやるんだから仕方ないね)
今回、私が担当したのはサンフランシスコ・49ersでした。1巡が2つある上、選択する面白さがあるチームだということです。
選んで早々、驚いたのが1巡13位、1巡31位の指名権の後が、5巡です。
5巡156位、5巡176位、6巡210位、7巡217位、7巡245位。
これだけしかないんです。これはドラフトを進めるうえで大事な話です。
という前提でドラフトを考えていきましょう。
SFのドラフトのニーズは、
WR(ワイドレシーバー)、CB(コーナーバック)、DT(ディフェンスタックル)、OL(オフェンスライン)
と言われています。
13位の指名に誰を指名するべきか。13位の指名権はDTのDeForest Bucknerをインディアナポリス・コルツへトレードで出してもらった指名権です。
バックナーを放出してまでも欲しい選手は誰なのか?これを指名の際に考えます。
そんなスーパーな選手であり、ニーズと合っている選手は
Jeff Okudah(CB,Ohio State)、CeeDee Lamb(WR,Oklahoma)、Jerry Jeudy(WR,Alabama)の3名。
この内の誰か指名できたら100点満点。
続いて、選手の実力を考えると、Andrew Thomas(OL,Georgia)、Derrick Brown(DT,Auburn)の2名を加えた5名を13位で待つ。
これが、13位を臨む態勢でした。
で、撃沈します。6位のCLEがThomas、7位のNYJがOkudah、8位のARIがBrownで消える。
10位にPHIが飛び込んできてLambを指名。ああ、終わったな、という実感です。
12位のNYGがWR指名(当然Jeudy)することが目に見えてました。(トレードでSterling Shepardを使えばWRを取るはずです)
ということで取る手段は、2つあります。
A. Henry Ruggs(WR,Alabama)を指名する
B. トレードダウンする
の二択です。
まず、Ruggsについては、モックドラフトでもSFが指名することが予想されることがある選手です。
理由としては、HCのKyle Shanahanが「スピード重視」の選手を欲していることです。WRドラフト候補の中では抜群の選手(40ydsを4.27)ですから理解できます。
でも、本当に13位の選手なのか?という疑問が残るのと、シャナハンの攻撃を考えた場合、WR1が弱いのが問題じゃないのか。
Andre Johnson(HOU)、Pierre Garcon(WAS)、Josh Gordon(CLE)、Julio Jones(ATL)と優秀なWRに恵まれた人の割にチョイスが合っていない。
それが気になってしまうと、Ruggsを指名する気にならないんです。
以上より、トレードダウンをします。1巡15位のDenver Broncosとトレードします。ドラフト前から話があった上で、10位のあたりからDEN担当の人と交渉開始。NYGの指名を見送ってトレードを送り、トレード成立。1巡13位 → 1巡15位+3巡77位。やったぜ。ヴァリューチャートでは儲けている上、ドラフト指名権を稼ぎました。
続いて14位の指名を見守りますが、DENと交渉する前にTBに指名権トレードの話を持ち掛けており、指名権がTBにないことを安心していました。
案の定、14位はMINがCJ Henderson(CB,Florida)を指名。CBとしては、2番手か3番手という評価の選手です。
結果、15位、SFの指名はJedrick Wills(OL,Alabama)となりました。
残っている選手の中では価値が高く、ニーズにも見合っている。アラバマ大学時代は左利きのQBを守るRTとしてパスプロテクションも良かった上、ランブロックも優秀。足の動かし方が上手なのでしっかりと通用する選手だと言えます。49ersのLT(オフェンスラインで一番大事なポジション)のJoe Stalyがいつまでもつかわからない状態でOL補強するのは指名として悪くないです。Shanahanが「Mike McGlincheyをRTから動かす予定はない」と談話を出していましたが、LTにWillisを入れても問題とは思いません。
モックドラフトでは31位でOL、しかもインサイドを指名する予想もありますが、Weston Richburgが復帰し、Ben GarlandがOGに回れば1巡を使うほどではないと思います。そもそもIOL、OGに目立つ存在のドラフト候補がない。困っちゃいますね。
31位を待つ作業に入ります。
2時間ほど待ちます。長い。ストレスのかかる作業です。
31位の指名権のトレードはINDから前日に話がありましたが、2巡44位+4巡122位+2021年3巡、だったので断りました。前日ならストレスを和らげたい故「Braden Smithをくれ」と言ったら断られました。
さて、31位で狙っていた選手は、Jaylen Reagor(WR,TCU)、Tee Higgins(WR,Clemson)とWRの2名でした。
CBではない理由ですが、49ersの1巡指名はCBが少ない上、結構高い確率で失敗した選手を指名しています。最後の当たりが1981年の1巡8位、Ronnie Lott。殿堂入りした選手ですが、CBというよりFSの方が有名。と1巡2つのどちらもCBはないんじゃないかと思っていました。
取られないように祈っていましたが、28位にINDが入ってきてReagorが指名されて雲行きが怪しくなります。Higginsは直前の30位でGBに指名されてしまい、誰を取ろうか悩みだします。
候補としては、Ross Blackrock(DT,TCU)、Denzel Mims(WR,Baylor)のどちらか、あとはAJ Terrell(CB,Clemson)かなぁってところ。
悩みました、Blackrockの評価は良いのですが1巡かと言われると悩む。Mimsも1巡は出せない、TerrellはLSU戦の印象が悪い。Trevon Diggs(CB,Alabama)も指名されちゃっていて詰んでました。
そんな中でトレードの誘いが来ます。最初はHOUからでしたが、「結構安く見られた」ので断り、次に来たのがPITでしたが「2巡49位+2021年1巡」という、ヴァリューチャート的にはとても美味しい条件でした。実際のドラフトならやっても良いと思います。誰を取るのかを尋ねたら、D'Andre Swift(RB,Gerogia)だったので尚更良い。そしてもう1つ来たのがSEAでした。当初は2巡41位(直前にCLEとトレードした)+4巡133位という条件でしたが「もう一声」と言ったら、2巡64位(元々SEAが持ってる指名権)まで来ました。すごくやったぜ!
裏話としてこんなPITとSEAを天秤にかける作業をドラフト持ち時間5分の間でしていました。そしてトレード成立。
SF1巡31位 → SEA2巡41位+2巡64位+4巡133位 31位 Justin Madubuike DL Texas A&M
自分の候補にあった選手は残したまま指名権を集める意味は大きいと思います。
総括としては、2日目に2巡41位、2巡64位、3巡77位、4巡133位を稼いでのドラフト。狙っていた選手を指名できなかったことを考えたら70点くらいでしょうか。
今年のドラフトは1巡相当が少なく、2日目向きの選手が多い、という事実。
DTはBlackrockに加えて、Neville Gallimore(Oklahoma)、は狙いたいところ。
WRはそもそもSFのWRは、面子がいっぱいいると思うんですよ、Deebo Samuel、Jalen Hurd、Kendrick Bourneがいる。Travis Benjaminを獲得。Marquiese Goodwinがいるし、Dante Pettisも残っている状態。ここにWR指名するならだれかを出さなければ話が進みません。WRを穴と言うのも実に興味深い。
CBは、ディフェンスのコーチの趣味が出るのでDCのRobert Salahが誰を欲しいのか、という感じ。実際のドラフト候補の印象はOkudah以外は何か欠点を感じます。難しい。
一番無難で常識的な選択は、13位にCeedee Lambを指名することです。13位に見合うWR1向きの頼れる選手。
さて、現実のNFLはどうなることでしょう。楽しみです。
今年はG+で放送されますから、余計に注目ですね。
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1stレグを落とした、PSGですが、無観客のパルク・デ・プランスの試合に勝利して、合計スコアで逆転、勝ち抜けを決めました。
このチャンピオンズリーグの方式らしい、180分を考える戦い、という2試合目。
前回とは異なる布陣をしき、エディンソン・カバーニのシュートが決まっていたらもっと簡単に試合が決まっていただろう展開でした。
前半、押していたパリがネイマールのゴールに加え、前半終了間際のフアン・ベルナトのゴールで、試合が決まってしまった印象です。
(カバーニは試合全体で最も走行距離が多い選手でした、だからこそ彼がゴールを決めていたらマンオブザマッチだったでしょうね)
パリは相手ポゼッションでもゴールが脅威になることが少なかったです。(後半はスタッツ的には不利になっていますが、それは得点差が為せるわざ)
パリの守備が、ドルトムントのアタッカー、エーリング・ハーランドを完封した点が大きな勝因です。
裏を返せば、ルシアン・ファブレには、ハーランドを抑えられた場合のプランBを用意できなかった。スコッドでのパリの充実ぶりが、戦力として相手を上回ったと言えます。
1stレグの試合の印象は紙一重の差と思っていましたが、180分で戦う戦力、という意味を考えさせられる、なかなか面白い試合でした。
しかし、無観客試合は、色々な声が聞こえて、音の迫力を聞くことができる意味では興味深いですね。
外にPSGのウルトラがいっぱいいたので、外出禁止の意味はあったのか?という疑問はさておき。
そして外国籍選手の多いパリらしく、フランス語以外に、スペイン語、ポルトガル語、英語、(相手チームだから)ドイツ語など、様々な言語が飛び交う現場
場面場面でどういうプレーを要求されているか、というあたりが具現化されているんだなぁと
トップレベルの実力を改めて実感した試合でした。
でも、やはり、観客は欲しいね。