2020 未練杯 感想戦 SF担当として

今年も日本最大級のNFLモックドラフトの祭典、未練・或爺杯モックドラフト2019(通称:未練杯)が行われました。
結果は下記サイトにて確認ください。
http://avestc.blog79.fc2.com/blog-entry-40.html
コロナウイルスの影響で、毎度の現地からのドラフトではなく、オンラインでの大会でした。(現実のNFLドラフトもバーチャルでやるんだから仕方ないね)

今回、私が担当したのはサンフランシスコ・49ersでした。1巡が2つある上、選択する面白さがあるチームだということです。
選んで早々、驚いたのが1巡13位、1巡31位の指名権の後が、5巡です。
5巡156位、5巡176位、6巡210位、7巡217位、7巡245位
これだけしかないんです。これはドラフトを進めるうえで大事な話です。


という前提でドラフトを考えていきましょう。
SFのドラフトのニーズは、
WR(ワイドレシーバー)、CB(コーナーバック)、DT(ディフェンスタックル)、OL(オフェンスライン)
と言われています。
13位の指名に誰を指名するべきか。13位の指名権はDTのDeForest Bucknerをインディアナポリス・コルツへトレードで出してもらった指名権です。
バックナーを放出してまでも欲しい選手は誰なのか?これを指名の際に考えます。
そんなスーパーな選手であり、ニーズと合っている選手は
Jeff Okudah(CB,Ohio State)、CeeDee Lamb(WR,Oklahoma)、Jerry Jeudy(WR,Alabama)の3名。
この内の誰か指名できたら100点満点。
続いて、選手の実力を考えると、Andrew Thomas(OL,Georgia)、Derrick Brown(DT,Auburn)の2名を加えた5名を13位で待つ。
これが、13位を臨む態勢でした。


で、撃沈します。6位のCLEがThomas、7位のNYJがOkudah、8位のARIがBrownで消える。
10位にPHIが飛び込んできてLambを指名。ああ、終わったな、という実感です。
12位のNYGがWR指名(当然Jeudy)することが目に見えてました。(トレードでSterling Shepardを使えばWRを取るはずです)
ということで取る手段は、2つあります。
A. Henry Ruggs(WR,Alabama)を指名する
B. トレードダウンする
の二択です。
まず、Ruggsについては、モックドラフトでもSFが指名することが予想されることがある選手です。
理由としては、HCのKyle Shanahanが「スピード重視」の選手を欲していることです。WRドラフト候補の中では抜群の選手(40ydsを4.27)ですから理解できます。
でも、本当に13位の選手なのか?という疑問が残るのと、シャナハンの攻撃を考えた場合、WR1が弱いのが問題じゃないのか
Andre Johnson(HOU)、Pierre Garcon(WAS)、Josh Gordon(CLE)、Julio Jones(ATL)と優秀なWRに恵まれた人の割にチョイスが合っていない。
それが気になってしまうと、Ruggsを指名する気にならないんです。
以上より、トレードダウンをします。1巡15位のDenver Broncosとトレードします。ドラフト前から話があった上で、10位のあたりからDEN担当の人と交渉開始。NYGの指名を見送ってトレードを送り、トレード成立。1巡13位 → 1巡15位+3巡77位。やったぜ。ヴァリューチャートでは儲けている上、ドラフト指名権を稼ぎました。
続いて14位の指名を見守りますが、DENと交渉する前にTBに指名権トレードの話を持ち掛けており、指名権がTBにないことを安心していました。
案の定、14位はMINがCJ Henderson(CB,Florida)を指名。CBとしては、2番手か3番手という評価の選手です。
結果、15位、SFの指名はJedrick Wills(OL,Alabama)となりました。
残っている選手の中では価値が高く、ニーズにも見合っている。アラバマ大学時代は左利きのQBを守るRTとしてパスプロテクションも良かった上、ランブロックも優秀。足の動かし方が上手なのでしっかりと通用する選手だと言えます。49ersのLT(オフェンスラインで一番大事なポジション)のJoe Stalyがいつまでもつかわからない状態でOL補強するのは指名として悪くないです。Shanahanが「Mike McGlincheyをRTから動かす予定はない」と談話を出していましたが、LTにWillisを入れても問題とは思いません。
モックドラフトでは31位でOL、しかもインサイドを指名する予想もありますが、Weston Richburgが復帰し、Ben GarlandがOGに回れば1巡を使うほどではないと思います。そもそもIOL、OGに目立つ存在のドラフト候補がない。困っちゃいますね。


31位を待つ作業に入ります。
2時間ほど待ちます。長い。ストレスのかかる作業です。
31位の指名権のトレードはINDから前日に話がありましたが、2巡44位+4巡122位+2021年3巡、だったので断りました。前日ならストレスを和らげたい故「Braden Smithをくれ」と言ったら断られました。
さて、31位で狙っていた選手は、Jaylen Reagor(WR,TCU)、Tee Higgins(WR,Clemson)とWRの2名でした。
CBではない理由ですが、49ersの1巡指名はCBが少ない上、結構高い確率で失敗した選手を指名しています。最後の当たりが1981年の1巡8位、Ronnie Lott殿堂入りした選手ですが、CBというよりFSの方が有名。と1巡2つのどちらもCBはないんじゃないかと思っていました。
取られないように祈っていましたが、28位にINDが入ってきてReagorが指名されて雲行きが怪しくなります。Higginsは直前の30位でGBに指名されてしまい、誰を取ろうか悩みだします。
候補としては、Ross Blackrock(DT,TCU)、Denzel Mims(WR,Baylor)のどちらか、あとはAJ Terrell(CB,Clemson)かなぁってところ。
悩みました、Blackrockの評価は良いのですが1巡かと言われると悩む。Mimsも1巡は出せない、TerrellはLSU戦の印象が悪い。Trevon Diggs(CB,Alabama)も指名されちゃっていて詰んでました。
そんな中でトレードの誘いが来ます。最初はHOUからでしたが、「結構安く見られた」ので断り、次に来たのがPITでしたが「2巡49位+2021年1巡」という、ヴァリューチャート的にはとても美味しい条件でした。実際のドラフトならやっても良いと思います。誰を取るのかを尋ねたら、D'Andre Swift(RB,Gerogia)だったので尚更良い。そしてもう1つ来たのがSEAでした。当初は2巡41位(直前にCLEとトレードした)+4巡133位という条件でしたが「もう一声」と言ったら、2巡64位(元々SEAが持ってる指名権)まで来ました。すごくやったぜ!
裏話としてこんなPITとSEAを天秤にかける作業をドラフト持ち時間5分の間でしていました。そしてトレード成立。
SF1巡31位 → SEA2巡41位+2巡64位+4巡133位 31位 Justin Madubuike DL Texas A&M
自分の候補にあった選手は残したまま指名権を集める意味は大きいと思います。


総括としては、2日目に2巡41位、2巡64位、3巡77位、4巡133位を稼いでのドラフト。狙っていた選手を指名できなかったことを考えたら70点くらいでしょうか。
今年のドラフトは1巡相当が少なく、2日目向きの選手が多い、という事実。
DTはBlackrockに加えて、Neville Gallimore(Oklahoma)、は狙いたいところ。
WRはそもそもSFのWRは、面子がいっぱいいると思うんですよ、Deebo Samuel、Jalen Hurd、Kendrick Bourneがいる。Travis Benjaminを獲得。Marquiese Goodwinがいるし、Dante Pettisも残っている状態。ここにWR指名するならだれかを出さなければ話が進みません。WRを穴と言うのも実に興味深い。
CBは、ディフェンスのコーチの趣味が出るのでDCのRobert Salahが誰を欲しいのか、という感じ。実際のドラフト候補の印象はOkudah以外は何か欠点を感じます。難しい。
一番無難で常識的な選択は、13位にCeedee Lambを指名することです。13位に見合うWR1向きの頼れる選手。
さて、現実のNFLはどうなることでしょう。楽しみです。
今年はG+で放送されますから、余計に注目ですね。