アーセン・ヴェンゲル自伝 赤と白、わが人生 (ヨシモトブックス)
- 作者:アーセン・ヴェンゲル
- 発売日: 2021/03/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
・ドイツ代表
サッカードイツ代表
ワールドカップ欧州予選、イングランド、フランス、ドイツは気になっているチームなので試合をちゃんと見ました。
(ベルギー対ウェールズ、トルコ対オランダは見たよ)
その中で気になる(悪い意味で)試合をしたのは、2014年のW杯王者ドイツでした。
バイエルン・ミュンヘンのセルジュ・グナブリー、リロイ・サネー、チェルシーのカイ・ハフェルツ、という3トップで臨み
真ん中をグナブリーが務めるという、所属チームのバイエルンと役割が違う珍しさに目を奪われる内容でしたが
相手に対してボール、場所、時間を支配する、意味では面子が揃っている印象はあります。
Two very early goals & Musiala debut | Germany vs. Iceland 3-0 | Highlights | World Cup Qualifiers - YouTube
アイスランド、ルーマニアと、スコア以上の強さを見せてはいます。
ただ、特定のポジションでの不安が残っていました。
それが スリーバックの真ん中、さらに重要なのがレフトバックとセンターフォワード、と言えると思います。
そして負けます。相手は北マケドニア。有名なチームでもない。
https://www.youtube.com/watch?v=yOVSgzp4O9swww.youtube.com
2001年のイングランド戦以来の予選の敗戦。
(あれはミュンヘンのオリンピアシュタディオンでマイケル・オーウェンにハットトリックされた)
失点に共通していたのが、スリーバックの中央にいた、アントニオ・リュディガーが外に出て行った際の他の選手の連携不足。
そもそもチェルシーでは真ん中をやっていないリュディガーが中でやって、統率がとれていない。
(北マケドニア戦はGKがマルク・アンドレ・テア・シュテーゲンだったということを引いてもやっぱりバックラインが悪い)
更に1点目の失点は、左のウィングバックに入ったロビン・ゴーセンスのポジションがレオン・ゴレツカと被っているのが気になるマズさ。
代表チームという練習時間の少なさはあれど、そもそもドイツで多くサッカーをやっていない選手を呼んでいるのが気になってしまいます。
左利きで試合を構成するレフトバックが、ドイツ代表に呼ばれていない、という問題です。
よく考えたら、バイエルン・ミュンヘンはディヴィス、エルナンデス、アラバ。ライプツィヒはアンヘリーニョ、ヴォルフスブルクはオッタービオ、ドルトムントはゲレイロ、といったあたりドイツ人がパっと出てこない状態で、せめてチャンピオンズリーグで試合に出ていたレフトバックがたしかにゴーセンスだけだったのは確かで、kickerのアンケートでもドイツ人の希求する選手だったようですが、あれはアタランタのサッカーでなければ通用しないし、元々4バックのレフトバックで通用する選手から始まらないと上手くいかない。そしてドイツ代表の左からの攻撃がうまくいきませんでした。(アンヘリーニョ欠場によりクロスターマンは出たけれど左足からクロスが出せないのが問題)
レフトバックの人材難はベルギーでも見られる状況ですが、このポジションだけだったなら、まだ考える余地はありますが
もう1つ問題が出ているのが、センターフォワード。
ブンデスリーガの得点ランキング。この試合までの20/21シーズンの順位(26節終了)を見ても
ロベルト・レヴァンドフスキ | 35 | ポーランド |
アーリン・ハーランド | 21 | ノルウェー |
アンドレ・シルバ | 21 | ポルトガル |
ヴァウト・ヴェホースト | 17 | オランダ |
アンドレイ・クラマリッチ | 14 | クロアチア |
ドイツ人が出てくるのは11点で、ラース・シュティンドルになってしまいます。彼はトップ下のような選手であって生粋のセンターフォワードではない。
ミロスラフ・クローゼ、ケヴィン・クラニィ、シュテファン・キースリング、マリオ・ゴメス、以降でドイツから世界に比肩するセンターフォワードって言える選手がいない状態になってしまっています。北マケドニア戦の英語実況で一番印象に残っていた言葉は「ボールを前に出せない」(ゴール前に選手がいないから前に出す理由がない)で、これは一言で表すと「センターフォワードがいない」という結論に至ります。
グナブリー優秀な選手です。ヴェンゲルの本にも「すべてを備えた、将来を有望視」されたフォワードなんですけど、真ん中で勝負するタイプではない。敗れた試合、一番大事な場面でミスしたティモ・ヴェルナー、得点数は多かった選手ですが、9番をやったのはパトリック・シックもしくはユスフ・ポウルセンであり彼ではない。(この試合はヴェルナーが決めていたら、その時点で2-1で勝利できた状況)
代表監督の一番大事な役割は、「選手を選出すること」です。ヨアヒム・レーヴ監督は2018年の大失敗と言い、この作業での大きな問題を抱えている。そんな3試合の印象でした。特にレフトバック不足は心配ですね。