何よりもまず、WOWOWの調査力の拙さと実況の下手糞さがイライラするヨーロッパリーグの決勝でした。
試合の分析よりも先にPK戦の記録を書いていきましょう。
・長いPKの記録
個人的な記憶と印象で、PK戦で蹴った人数が多かった印象があるのは、2005年のワールドユース
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フジテレビで放送されていて、日本代表がオランダのクウィンシー・オウス・アベイェに見事にやられたことで有名になった大会。(そしてクウィンシーはアーセナルに来たけど、プレミアリーグで活躍しなかったな)
そんな中で起きたのが、準々決勝のナイジェリア対オランダ。
24人の選手がPKを蹴った。(つまり両チーム12人目まで行った)という伝説的な試合。キッカーのリストを見ると、ナイジェリアにはタイイェ・タイウォ、チネドゥ・オバシ、ジョン・オビ・ミケルとか、いるわけです。オランダにはロン・フラール、ケネス・フェルメール、ライアン・バベル、ヘデウィゲス・マドゥロ、ウルビー・エマヌエルソン、イブラヒム・アフェライ、とか、揃っている。タイウォが2回目は失敗し、オランダのコリンズ・ジョンが決めて準決勝進出。なお、決勝でナイジェリアはリオネル・メッシやセルヒオ・アグエロのいるアルゼンチンに負けます。いやぁ伝説ですね。(メッシやアグエロ、パブロ・サバレタやエセキエル・ガライもいるチームの大会をWOWOWは知らんのか。あとWOWOWはフジテレビの出資企業)
PK戦の長い記録として、これまた因縁も残っていて有名なのが、2006年のアフリカネイションズカップ。準々決勝カメルーン対コートジボワール。
これも両チームとも12人の選手が蹴っています。失敗したのはカメルーンの12人目のサムエル・エトー(マジョルカやバルセロナにいたよな)のみ。
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これは、大会前の2005年のワールドカップアフリカ予選、カメルーンとコートジボワールが同組で、カメルーンは最終節エジプト相手に、1-1の引き分けのなかアディショナルタイムでPKをピエール・ウォメが失敗。(エトーやリコベル・ソングが失敗を恐れ、蹴りたがらない中、キッカーになったウォメが失敗)。コートジボワールが勝ち点1差で大逆転本選出場となった3か月後に起きた直接対決がこれ。
当時、アフリカの国の中でタレントが揃っていたのがこの両国で、ウォメは2006年からヴェルダー・ブレーメンの主力になって活躍したし、ワールドカップで出色の働きだったのはアーサー・ボカで早速Vfbシュツットガルトに移籍になったし、ロマリッチはこの後ル・マンで見た後にセビージャに転身していったという若手もさることながら、カメルーンはエトー、ジェレミ、アトゥバ、ソング、ジャン・マクン、などなど。コートジボワールはディディエ・ドログバ筆頭に、ゾコラ、コロ・トゥーレ、バカリ・コネ、アルーナ・コネ、エブエとか、更にはヤヤ・トゥーレもいたし、ボナヴェントゥル・カルーもいる。(サロモン・カルーはまだ代表に入れなかったわけだ)
この豪華面子と因縁で、長い長いPK戦だったことと、この大会、WOWOWのセリエA中継にも大いに貢献した富樫洋一氏(ジャンルカ・トト・富樫)が客死した大会だったことでも有名なのに、WOWOWは忘れてしまっているなんて、なんてことだ。
・世界記録
PKのキッカー数の世界記録は2013年のハンプシャー・シニア・カップで29人連続成功の後、30人目が失敗したという記録があるらしい。大会そのものを知らん。
決勝戦での記録としては、1992年のアフリカネイションズカップで、コートジボワール対ガーナが、12人目までいって11-10でコートジボワールが優勝。(アフリカはPKネタ多いな)
rsssf(サッカーの統計記録に対してとても重要な機関)によると、多く蹴った記録は48だ。(ナミビアの大会らしい)
Penalty Shootout Trivia
さすがに、マイナーな大会についての知識は、
今回のビジャレアル対マンチェスター・ユナイテッドは、欧州のコンペティションやワールドカップと比しても、結構な数のキッカーを要した試合になったのは確か。
それでも最初に書いたオランダ対ナイジェリア、カメルーン対コートジボワール、調べてすぐに出てくるようにして欲しいな。
WOWOWの調査力は、ググる力もなければ、wikipediaで数秒で見つかる努力も怠った、そんな印象を受ける。ダメだったし、実況も「こんな試合、みたことありません」って言うのはあまりにもチープだ。