2022年 ドラフト1日目 展望

なんやかんやで始まる前に書いておきたい

2022年のNFLドラフトが行われます。今年もG+で1日目は生中継。

この本も2年連続で出ました。素晴らしいことです。

今年のドラフトは近年稀に見る難しいドラフトで、大変興味深いです。
いろいろ書いていきましょう。

1. 全体1位がわからない。
ドラフトでいの一番に指名される全体1位指名選手NFLは完全ウェーバー制のため、最初に指名される選手はだいたいチームのニーズとドラフティーの実力からわかってしまっているものです。場合によっては既に契約内容が知られていたりもしていましたが、今回は全体1位のジャクソンヴィルジャガーズが前年にトレバー・ローレンスを指名しているためQBの可能性が皆無ということから、わかりやすいQBの可能性もなくなり、その上で直前になっても、「現場側とオーナー側の意見が割れている」というニュースが出ているなど、本当にわかりません。
エイダン・ハッチンソン(Aidan Hutchinson, Michigan DE)なのか、トレボン・ウォーカー(Travon Walker, Georgia DE)なのか、わかりません。これは2013年以来のことになります。これがわからないから本当に後続のチームたちは大変、2位のデトロイト・ライオンズも同じハッチンソンが残ってほしいと願っているでしょうが本当にわかりません。

2. トレードのタイミングがわからない
未練杯の時に書きましたが、特定のポジションに塊が存在しないため、あっという間にニーズポジションの選手が消える可能性がある恐ろしさがあります。その為、是が非でもほしい選手がいるチームはトレードに駆け込むでしょうし、欲しい選手と指名順位がマッチしていないチームはトレードダウンの選択をうまくしなければならない、そんなドラフトに思えます。
1巡のどこでトレードが出てくるのか、3位のヒューストン、6位のカロライナ、8位のアトランンタ、もありうると思いますし、下位になると元々1巡指名権を持たないチームのジャンプアップを含めて、何が起きるかわからないトレードを注目したいところ。
未練杯で私はニューイングランド・ペイトリオッツでトレードダウンしましたが、手持ちの指名権を増やしたいような印象は受けました。このチームもトレードに注目。昨年は動かずに15位でマック・ジョーンズが来ましたけどね。

3. 特殊な選手の指名順位がわからない
今回のドラフティーの中で、素材として最高な選手の一人、カイル・ハミルトン(Kyle Hamilton, Notre Dame SAF)と信じられんない体躯とスピードを併せ持つジョーダン・ディヴィス(Jordan Davis, Georgia DT)、この両名。1巡のどの順位でどのチームに指名されるのか、全く予想がつきません。
前者はDBとしては大型のサイズ、いろいろなポジションにつくことのできる器用さ、身体能力の高さと、セーフティの中では稀有な存在であることは確かながら、ドラフトするチームとしてはセーフティを1巡の高順位で指名しにくい難しさが、1巡のどの位置までスリップダウンさせるのか、彼の指名順位はモックドラフトによってそれぞれ区々と、結果はどうなるのか気になります。個人的にはニューヨーク・ジャイアンンツに欲しい選手ですが、ジャイアンツは守備も攻撃も穴だらけでセーフティから指名を入れるのか微妙。
後者は、スタミナに難点があるのはわかっていても、DTとしての能力は抜群。彼がいることでほかの選手の負担も軽減される。3-4のNTとして起用と考えたら最初の2ダウンだけでも十分とか、チームがアジャストすることで起用に明るくなるような
感じもしていて、DTが欲しい且つチームに合っていると思うチームなら喉から手が出る素材だと思います。だからこそトレードアップしてどこかが手に入れるのか、それともスリップダウンしてしまうのか、どこのチームが指名するのか、本当に気になります。ペイトリオッツとかレイブンズとか面白そうですけどね。

4. QBが指名されるのかわからない
アメリカンフットボールの花形ポジションといえば、クォーターバックですが、今年のドラフトはQBが結構不作。昨年が豊作だった分、余計に不作を感じさせます。1巡で果たしてQBは指名されるのか?という疑問すら出てきてしまいます。
さすがにQBを指名するとしたら、1巡の下位だと思います。QBに問題を抱えているチームは比較的1巡上位にいて(例外はロサンゼルス・ラムズとトレードの32位があるデトロイト)、1巡からのダウンか2巡からのアップでドラフト指名という可能性を考えます。誰か1巡でQB指名が発生するのか、も含めQBは目が離せません。
1996年が1巡でQBが出なかったドラフト最後の年です。近10年でQB不作だった2013年ですら16位でEJマヌエルが指名されています。ジーノ・スミスが2巡だったことは覚えていてもマヌエルは既にNFLにいません。足が遅すぎて全体1位どころか4巡まで落ちたマット・バークリーもこの年。

5. 予想なんて当たらない
結局、不確定要素が多すぎてモックドラフトは当たりません。当てるほうが難しい。
個人的に印象に残っているのが2011年1巡6位、フリオ・ジョーンズ。元々6位で指名されるだろうと思われていた彼ですが、指名されたチームが全くの予想外。アトランタ・ファルコンズが1巡2巡4巡+翌年の1巡4巡という高額の対価と共にクリーブランド・ブラウンズとトレード。そして彼はマット・ライアンとのコンビでスーパーボウルまで進むことにもなります。とてもドラマティックであり、翌年のブラウンズが1巡でブランドン・ウィーデンを指名してしまうところまでが大きなネタです。(その2年後のジョニー・マンジールがオチ)
未練杯は特定のチームだけを研究するので欲しい選手を分析することは可能で、2013年のチャンドラー・ジョーンズは、トレードアップの順位は現実のほうが上ですが、当たりました。トレードするのは本当に勇気が必要です。
そしてトレードが起きるたびだいたいのモックドラフトのシナリオは崩れます。崩れて当然だと、そしてそのトレードから思惑とドラマを楽しむのがドラフトというものだと思います。
加えて自分の贔屓のチームが指名した選手を応援したくなること。目をつけていた選手が本当に活躍するのかを楽しむこと。これもドラフトの楽しみと。2013年のドラフトは1988年以来のTop10にOGが2名も指名された年、チャンス・ウォーマックは期待したんですが全然でしたね。あれは悲しい。各社有名アナリストも高評価だったんですが、活躍を裏切るか否かも予想が難しいんですよ。ドラフトって、