2023年 未練杯予習 選手編

今年も日本最大のモックドラフトイベント「未練・或爺杯」(通称、「未練杯」)が行われます。
2023年も、私はニューイングランド・ペイトリオッツ(以下NE)のGMとして参加させていただきます。2年連続。
何故、ペイトリオッツなのかというと、ビル・ベリチックというHCに非常に興味がある。戦術スキームが面白かったり、特有のドラフト戦略があって、モックドラフトをやる立場としては読みやすい。他所のチームもやりましたがNEはやりやすい。自分の最も好きなニューヨーク・ジャイアンツよりもやりやすい。
2012年にNE担当で参加した未練杯では見事にChandler Jonesを当てたので、結構思い入れがあります。まだまだ現役で活躍しているのは、指名した立場として本当に喜ばしい。


今回のNFLドラフト、1巡1位はおそらくBryce Youngで決まりです。QBが必要なカロライナ・パンサーズが全体1位までトレードアップしてますからね、余計なことを考える必要はありません。
で、NEの順位はというと14位。実に様々な選択肢が考えられるので、いろいろとみていきましょう。
まずはポジションニーズ、チームが必要としているポジションですが
1. オフェンスライン(特にオフェンスタックル)
2. コーナーバック
3. ワイドレシーバー
4. セイフティー
5. ディフェンスタックル
6. エッジラッシャー
7. ラインバッカー
声高に言われているのは上3つ。まずマック・ジョーンズを守り切れない理由を考えるとラインの弱さとレシーバーの重要性。ジョーンズ(2年前のドラ1)を守るためには何か手を打つ必要はあります。
守備はだいたい全てのポジションが超一級品と呼べる選手が足らず(敢えて上げるならマット・ジュドン)、特にベリチック優勝時にはエースとなるCBがいましたから、その不足は否めません。Sについてはデビン・マッコーティ引退により穴が空いたので欲しいというのは本音。
5,6,7,に関しては守備で仕留める選手が欲しい。ランをもっと早急に止める、相手のQBをハリーするだけじゃなく仕留めたいんですね。
ということで、あらゆるポジションに底上げがしたい。そんなNEという状況とマッチするドラフト候補を見ていく必要があります。

1. OL
今ドラフトの1番評価が高いラインとしては、
Peter Skoronski(Northwestern 6-4 313)があげられます。運動能力高くてプロテクションも上手なんですが、如何せん腕が短い(32 1/4)のが玉に瑕。G向きというのが実情です。コルツのQuenton Nelsonのように活躍できるならなんともという話。ただ、NEは昨年の1巡でCole Strangeを指名した始末、Gで取るのは悪手。ただしRiley Reiffなどと契約はしたけれど、Trent Brownも不安がある上に、Ishiah Wynnはたぶん戻ってこないOTの層は薄いので試すといえば価値はあります。
1巡級のLTとしては、Broderick Jones(Georgia 6-5 311)がいます。理想的なサイズ、運動能力を持っていて、問題は14位までに残っているのか微妙なところ。取りたい素材ではありますが、他所や他のポジションの選手との兼ね合いになるでしょう。
その他、1巡下位なら取りたい素材が、Paris Johnson、Darnell Wrightという2名です。シニアボウルの評価を鑑みると、1巡はOTをスルーして、Tyler Steenとなってもおかしくない。


2. CB
Strphone Gilmore、JC Jacksonと、スター級が続けて居なくなったポジションですから、スター候補が欲しい。
Christian Gonzalez(Oregon 6-1 197)

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Devon Witherspoon(Illinois 6-0 181)

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がTop10級という意味で双璧です。14位までに残っていたら取るかもという感じ。前者とはコンバインで面談していますが、NEって1巡でCB指名しないんですよね。とっても気になる事象。そもそもCBは下位指名で優秀なのを発掘する印象。(前述のJacksonはUDFA)


3. WR
Jacobi Meyers等が移籍、JuJu Smith-Schusterをオフに補強と、OCがBill O'Brien復帰とあって、いろいろと変わりそうな気分もあるこのポジション。N'Keal Harryなんてのを2019年に1巡で指名するミスといい、上位でWRを指名しては失敗している印象がある過去のNE。それでもQBのジョーンズのことを考えたら補強は必須と考えられています。Meyersのお給金出せないんだもん。
Jordan Addison(USC 5-11 173)、Zay Flowers(5-9 182)が指名の噂が上がっています。背は小さめながら最高速と加速で勝負できるタイプ。まぁWelkerとかいた時代のOCだっただけはある傾向とも思えます。対岸にDeVante Parkerという大型のWRがいるのも大きいと思われます。ただこの両名、14位で取るのは少々リスキーに感じますし、トレードダウンしてから勝負をかけたいところというのが個人的な感想。


4-7のポジションおよびRBなどは、おそらく余程のことがないと1巡で指名しないと思っています。TexasのBijan Robinsonなんかは本当に優秀な選手で、RBとしては確実に超一級品、なめらかで捕まえにくそうな上に、パスキャッチも上手。チームの核になる素材ですが、Rhamondre Stevensonがルーキー契約、James Robinsonと2年契約、Pierre Strong Jr.とKevin Harrisが昨年のドラフトというところで、RBの1巡指名はダブつく印象があります。それがチーム運営上の不安点ですね。Robinsonは非常におもしろい選手なのでどこが何位で指名するのか注目です。