新・サッカー戦術論 戸塚啓

毎度お馴染み、戸塚啓氏による、

新・サッカー戦術論

新・サッカー戦術論

読んでいて思ったことなのですが、
大変読んでいて、「ああなるほど、全くその通りだ」とか思うわけですが
ふと思った違和感が一点。それは

これは監督による戦術なのか?それとも経営的な戦略にもたらされて結果なのか?

ということなのです。
この本に挙げられたチームは相当な資金を有して、有名な技術有る選手を引っ張り込んできた所産によるモノで、監督によるオペレーションが結果に相当な影響があるのかどうか分からないのです。
今現在、コパ・アメリカを戦っているアルゼンチンなんか、この真逆ですよね。
選手がいないんです、センターバックガブリエル・ミリートとニコラ・ブルディッソですけれど、往年のオルカル・ルジェリ似など到底及びません、ちょっと前のロベルト・アジャラワルテル・サムエルと比べても格が落ちます。
中盤で読んだ選手は、パストーレを除いて全員同じタイプの5番タイプです、そんな状態だからこそ、何かしらのピッチ上のアイディアをもたらす戦「術」が必要となって、良い結果をもたらす人間が優秀な戦術家と言えるのではないのか?
という感覚なのです。こんな有名クラブについて書けばそれなりに読んで買ってと甘い打算にしかみえない。
資金面では弱小なクラブ、近時で言えばリール・メトロポール、レアル・ソシエダとか、こういった辺りが戦術論を書くに値するオペレーションを実行したとか書くべきなのではと思ったり。別に作者の文が悪いわけじゃないから尚更取り上げたモノが悪いと。