丸山真男の「日本の思想」ではないですが
- 作者: 丸山真男
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1961/11/20
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そんな一端のご紹介
丸山真男の「日本の思想」ではないですが
「ペペがアンカー」という表現は、何が恥ずかしいの?twitterにて書いた中身のEの人、個人的な見解
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まずこのアンカー(AnchormanもしくはAnchor Roll)という言葉が実際問題、市民権を得ている言葉ではないということが挙げられます。加えて言葉の理解においての、様々な人によっての解釈の違いが存在し、どのような選手がアンカーなのか?ということも誰も判定できていないというのが現実です。
私が初めてこの言葉を知ったのが2005年のUEFA Champions League Magazine で、この中でアンカーという選手にあげられていたのは、クロード・マケレレから始まってマッシモ・アンブロジーニやら色々と選手が列記されていって、役割としては
以上のようなことから、アンドレア・ピルロのような選手が新世紀のアンカーであるかもしれないと占められていた文章でした。彼は長いパスの供給も上手なことから、攻撃の基点としての役割が今後大きな意味をなすと。
またこの記事で、アンカーの先駆けと呼べる選手が、1966年のワールドカップ優勝メンバーで背番号4をつけていたノビー・スタイルズだという紹介があります。実際スタイルズの文献および映像を見ると、彼が「パーフェクトな仕事をして」勝利したポルトガル戦のエウゼビオに対する役割とボールを出せば前にはチャールトンがいるというのがアンカーなのかと言われるとなるほどとも思います。
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ところで、マケレレという選手を英国メディアが表したときに使う言葉は、アンカーではありません。Holding RollもしくはHolding Midfielder という言葉で、文字通り中盤の底で相手の攻撃を塞いでしまうという言葉です。中盤の守備を担う選手という意味合いで使われている言葉で、試合中に現地実況にて使われたのが分かっているのはこのHoldingか、本当にDefensive Midfielder しかありません。マケレレとアンカーが組み合わさって使われた記事というのは、Fifa.comにあった2008年の欧州選手権における「Makelele ready to anchor midfield」という記事くらい、この記事はヴィエラが欠場する代役にマケレレが「引き継ぐ」という意味です。(ダブルミーニングの主の意味が「アンカーの役割」ではないのです)
このようにAnchorとHoldingという言葉が両立してしまっている状況に、何が何やらと思われるかもしれませんが、この状況で見た面白い内容の問答が、uk.yahooにあった「アンカーとホールディングミッドフィールダーとはどう違うのですか?」という質問にあった回答は明快で分かりやすい。
http://uk.answers.yahoo.com/question/index?qid=20090713212424AAKiRsW
A.ザビ・アロンソがアンカー、マスチェラーノがホールディングミッドフィールダー
(ちなみにそんな風に見ることを否定するような意見がその後続いています。やはりそういう風に見るのは英国気質に合わないようですね)
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さて、その後に見たAnchormanという言葉が出てきた主要な文章というのは、2007年のタイムズの記事で、「Schuster sees Fabregas as perfect anchorman」というモノ。(マドリーの新監督になったベルント・シュスターがアーセナルのフランセスク・ファブレガスを欲しがっていた内容)
ところがこの記事の中では、そんなAnchorってどういう役割かがまったく書かれていません。これはAnchormanという職業とのダブルミーニングで、ボックストゥボックスでボールを運ぶ選手でありもさることながら、チームの顔となる選手という意味合いを強く出した言い方なのです。
実際、英語でアンカーマンおよびアンカーウーマンというのはテレビニュースの顔となる人、例えば現在で言えばダイアン・ソイヤー、ケーティー・クーリッチを指します
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追記、管見の限り、日本語の書籍でアンカーという言葉が出てくるのは、これが最初。
言葉の誤解はともかく
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