今回の著作権法の改定案についてCD販売店の対応が面白いところである。
簡単に言うと、今回の改定のポイントは「韓国、タイなどから輸入されるJ−POPについて規制をかけて欲しい」という、JASRACオリコンからの頼みで懸案されていたところ、途中から全米レコード協会が圧力をかけて輸入盤の規制に変わってしまっているところ。

  • タワレコ「音楽を探すための最良の場を提供すること」がタワーレコードの企業理念です。タワーレコードは25年間、音楽ファンの皆様に輸入盤をはじめとして世界中の多種多様な音楽を紹介し、提供し続けて参りました。幅広い品揃えを提供するためには、世界各国から自由に商品を輸入できることが望まれます。」「しかしアジア諸国からのJ-POP CDの日本への還流について、現在何らかの防止措置が必要であるということは理解しており、日本国内市場への影響の大きさを考慮すると、その主旨には賛同致します。」
  • HMV「現在の法案ではまだその規制による洋楽輸入盤に対する影響がどの程度のものか明確でない」ので「お客さまに適正な価格の輸入CDを提供している会社として、弊社は昨年9月よりこの法案を提案している様々な関係団体・省庁に、消費者の正当な権利が失われないよう積極的に働きかけております。特に弊社のお客様には優遇的な価格にて幅広い品揃えの洋楽輸入盤を引続きご提供できるよう最善の努力をしてまいります。弊社の取引会社(レコード会社)からも洋楽の輸入盤にはこの権利を行使しないとの確約を得ておりますので、弊社は引続きお客様の利益が不当に害される事のないよう念を押してまいります。」
  • amazon「洋楽の輸入音楽CDをお手頃な世界標準価格で提供してきました。今後もこのサービスを継続的にご提供していく方針に変更はございません。また、洋楽の輸入音楽CDの規制や値上げにつながるような法律改正には反対していきます」

簡単に言うと全社が懸念しているのは、全輸入盤が日本に入らなくなることである。私は国内盤がないCDをよく買う人間であるが、クラシックにおいては国内盤と輸入盤(EU盤or米国盤)の双方があるCDも買うことがよくある。ただ、今回の著作権の改定は不正取締目的としては評価できるもののそれ以上の条項をつけることには賛成できない。米国盤のCDと国内盤のCDがある場合にどちらも正規CDであるのに、米国盤が入らなくなること。国内盤のほうが大抵高いし、ムダなボーナストラックを入れてたりしているものである。
正規のルートであれば、韓国やタイから輸入されることもあり得るわけであるが、不正コピーだから考え物。やはり不正コピーは禁止。
解決策の一番簡単な方法を教えておこう。全輸入盤を禁止にして、全て日本で製作する。これが無理だと思うなら著作権法を改定に伴って(ここが大事)輸入盤の禁止を謳わないこと。
ちなみにこの法案に修正を求め押し戻した民主党には感謝をしているところである。あまり好きではないが。この法案推し進めている人間は、自民党参議院選挙対策の人間だと聞いているので、この問題だけ見たら参議院選挙で自民党に入れられないな。
そういえば韓国の第4次文化開放の要因も、日本のCDの不正コピーが出回っているから正規盤を販売させるという名目だった。やはりこの国は問題だな。