昨日、書いたとおりCDを買い損なったのだが、最近、よく私の日記に巡回してこられている方に触発されてモーツァルトを聴いてみた。モーツァルトは好きじゃない作曲家なのであまりCDを所有していないのだが、ある中で色々聴いた。私はその中で唯一好きなのが、フルトヴェングラーの交響曲40番の第1楽章である。1楽章だけだ。他は聴かない。
フルトヴェングラーの演奏は、モルト・アレグロである。色々レビューしている人間のコメントを見るとテンポが速いという意見が多い。しかし、あの音楽には若くして天才と言われながら苦悩する作曲家の本性が出ている気がするのだ。悲劇を描くことに長け、それをまるで恐ろしいまでに昇華させようとするこのドイツ人指揮者は天才だと思う。まるでベートーヴェンのような演奏だが、良い演奏ならばそれに文句はないはずだ。ちなみにこの後、しっかりとカラヤン、クーベリックやカール・ベーム、ブルーノ・ワルター、クラウディオ・アバド、オットー・クレンペラー、アーノンクール、ブリュッヘンも聴いてみた。1楽章だけ。やっぱり好きになれない。
ところで、私は最近、「オペラの運命」(中公新書)という本を読み、モーツァルトの時代の当時近辺の文学(ラクロやサドなど)について書かれている部分を読み、色々と為になることを知ったが、それを考えるとモーツァルトのオペラは凄いんだなと知った。しかし「魔笛」も「フィガロの結婚」も好きになれない。何か良かったっけ?そんなワグネリアンな私。今年はベルリン・フィルが日本で「フィデリオ」をやるようだがフィデリオもあまり面白いとは思わない。序曲は好きだが。レオノーレ3番。もっと好きなのはコリオラン序曲だけど。