1−1 軽く総括

冷静に見て、ギリシャペースだった。相手の攻撃を見事に封じたという印象。それはフィーゴクリスチアーノ・ロナウドが突破してクロスを何本上げたかを数えたら分かると思う。ルイ・コスタコスチーニャに代わって入ってからマークにつく人数を増やさないといけなくなって、DFのヴェネティディス投入。その後のパパドプーロスの投入もサイド攻撃ができることと、高さがあることからによるものだと思う。後者はあまり効果がなかったが。攻撃はカウンターが中心ながら、攻撃するときはしっかりと枚数が揃うギリシャ。さすがに、ポルトガルの後半の猛攻に2枚になってしまっていたが、フォーマットで3枚にプラス走り込んでくる選手といるわけだ。前半のチャンスもセイタリディスが上がってのこと。攻撃の主要パターンはサイドバックに高さを挑んでフォロープレイヤーで攻撃を仕掛けるというのも面白い。見ていて、なかなか感心するチームである。ただ、2年後のドイツにいないという3大会前のデンマークの二の舞はやめてもらいたいね。
レーハーゲルはチームにあまりに多くの練習を課するからドイツを追われた人間であるが、多くの練習によって作り込まれた印象を非常に感じる。それから、uefaに載っていたプラティニのコメント「外国に行ってプレーする選手の数が国の強さに表れている」確かに、チェコギリシャはそうである。今後、この逆風のようにブンデスリーガセリエAでは外国人選手の制限が行われるらしい。どうなるだろうね。

ところで、ギリシャのようなチームが勝つと毎度のように言われることがある「守備的なチームはつまらない」というテーゼである。
昔から槍玉に挙がっていたのがクーペルインテルである。あのチームは8人下がっているときもあるのだが、ボールを奪ったらロングボールで2人のFWを走らせ、中盤の選手が頑張って走っているのである。露骨に守備だけ固めたスペイン戦の日本のような状態ではない。それに守備的なチームに勝たせてしまう=得点を奪われるという事実の反証に何も反論できないと思う。
しかし、攻撃だけのチームが本当に強いのだろうか?5−6で負けるのと、1−0で勝つのではサッカーではどちらが良いのか?考えたほうが良いと思う。私は組織で勝つこともすばらしいことだと思う。サッカーは曲がりなりにも組織で戦う競技なのであり、個人のスペクタクルが見たい人は、格闘技かテニス、もしくは体操、陸上などの個人種目を見ていれば良いと思う。あくまで個人技は全体の中でのアクセントでしかない。