全体総括

id:toronei氏のところに行くと、決勝戦についてはたくさんあるので書くの省略。
まず褒めるところを。

  1. 優勝したところ

モチベーション、コンディションの調整を選手個々にしっかりしていたと言うところだろう。そして大きな利益はコンフェデレーションズカップ(来年、開催地はドイツ)に出られるというところだけか。
試合を続ける度に日本代表の欠点が浮き彫りになっていくので、これを改善しない限り世界レベルとは言えないと思うが。

さて評価するか。
まずMVPを考える。中村俊輔しかいなかったかね?
EUROと比較してみる。ギリシャの場合はデラスだと思ったが気づいたらザゴラキスだったが説得力ある決定だったから。

川口能活宮本恒靖中澤佑二、トーナメントで5失点じゃいただけない。
三都主アレサンドロ、攻撃参加はするものの、裏を突かれ攻撃される。
遠藤保仁、決勝欠場はやはり戴けない。
福西崇史、効果的に攻撃に参加するものの、カウンターによって失点されたので難しい。
玉田圭司、準決勝、決勝だけは得点したものの、他の試合での決定力不足。
鈴木隆行、献身的な動きをするものの、フィニッシュに至らず。

結局中村であるが、彼だってセットプレーのプレースキッカーであった以外、試合の中で大きく活躍した場面は無い。

日本の試合内容であるが、
まずは攻撃面から。

  1. 流れからの攻撃ができない

結局この言葉に尽きるので、これを詳しく検討。
日本の場合、何が悪いのかというとボールポゼッションはするのだが、リスクチャレンジが無い。リスクチャレンジがないので攻撃の枚数がFWとトップ下の選手3人のみの状態になってしまう。ウイングバック、アレックスと加地亮からのアーリークロスから得点があったか?答えはゼロである。ウイングがいるのに3人では明らかに枚数が足らない証拠である。
そしてショートパスで崩そうとすると目立つシーンは、ボールのトラップミスの多さである。もう少し、このあたりしっかりとしてくれないとポゼッションはあるものの、攻撃には至らないことを見せ付けているかのようだ。
それからロングボールのこぼれ球を拾えないことである。鈴木が高い位置でポストを何度もするものの、結局拾ってからの展開が遅いのでFWを生かすことができない、遠藤、福西、中田浩二などのボランチがこういう場合、上がって展開を造ることはできないのだろうか?

そして守備面

  1. マンマーク
  2. リスクチャレンジがない
  3. ディフェンスラインの問題
  4. 左サイド

日本は大会を通じてマンマークディフェンスだった。マンマークディフェンスの欠点はショートパスでつながれるとスペースが空いてしまうことである。これを補うためにどこか、または潰す相手を決めてチャレンジしなければならない。ところが日本はこれができないためにズルズルとディフェンスラインを下げてばかりの守備だった。そして何でもないような場面での失点をしている。
そして失点や、危険な場面で目立ったのがアレックスの裏のスペースである。ここにロングボールをいれたり、3人でアタッキングしてみたりなど狙われていた、ここに何も改善が無いのだから恐ろしい。ついでに決勝戦の後半30分あたりからアレックスが走れなくなって守備をしていなかったことも附記しておく。

それから采配面

  1. 選手起用の問題
  2. 戦術の問題

登録選手数の少なさからまず問題があったのだが、イラン戦にベストメンバーを投入するというありえないことをやってくれたジーコであるが、あれは何をしたかったのか今でも疑問。EUROにおいて2連勝したチェコは主力をほとんど温存したが、アジアでは主力全員投入した。それから、相手に多く突かれたアレックスであるが、ずっと起用し続けた。三浦淳宏は何のためにいたのだろうか?彼に交代するという選択肢はなかったのだろうか?それから同じポジションながら代表に招集されなかった新井場徹はどうするのだろうか?(彼は代表に呼ばれるために鹿島アントラーズに来たといわれるが)
それから中村俊輔のポジションであるが、彼のポジションには小笠原満男がいたのであるが、そこには起用されなかった。オマーン戦など、後半の途中から全く足が動いていなかったのに、交代が無かったことは気になる。あの試合FWの交代が全く効果がなかったわけだし、活性剤とするならこのポジションしかなかったはずだが。
そして典型がイラン戦である。停滞した流れの試合でジーコの交代は非常に遅い。決勝の中国戦もそうだった。どうすれば試合の流れを変化することができるのかジーコは監督としてそれを実行できていない。
戦術についてもっと言及すると、まず

  1. 守備ユニットの組ませ方、守備システムの問題
  2. 攻撃への移行プロセス

1番は前述に加えて、中盤でのプレスの問題である。高い位置から奪ってしまえば速い速攻の可能にするはずなのであるが、これが全く無かったのは気になるところである。それは2番にもつながるところであるが、プレスから奪ってフィニッシュになることが皆無だった。パスミスやトラップミスで攻撃にならないことも多かったが、フィニッシュにしようとするのに攻撃の枚数が2枚だったりと、問題である。フォローする選手のフリーランニングの少なさが目立った。プレスするにしてもマンマークだったことに起因するのであるが、プレスの方向も個人個人別々で、チームとして一貫してなかったのではないか。

結論
最後に思った。自分が日本に対して理想を掲げていることが問題なんだとね。例えばセリエAでもユヴェントスACミランインテル・ミラノなどは優勝を掲げるが、レッジーナとか下位、中堅のクラブは残留を目標にする。日本は前者じゃなくて、後者なんだよ。ジーコレーハーゲルとか、ブルックナーのような人間と比較することが間違いだったんだ。セリエBレベルなら、あれくらいのサッカーばかりだから、そのような段階として評価するならまあまあ上手いのかもな。
つまりジーコの解任問題なのだが、上を目指すなら「解任すべき」このまま、停滞サッカーでアジアチャンピオンレベルで良いのなら留任。私は上を目指して欲しいから解任をこれからも主張と。
自分が欧州選手権を見ていた目で同じようにアジアを見ていたのが失策だったのかと終わってから気づく。このままでは欧州に届かない。守備、組織、攻撃と。個人についても、南米、アフリカに及ばない部分があるのだし。
でも、でもだ。
日本人として、日本を応援する人間に高い希望を持たせてくれるサッカーを代表はしてくれないのか?

オチ
http://jp.uefa.com/footballcentral/news/Kind=16/newsId=213789.html