UEFAチャンピオンズリーグ 決勝戦

(主審:テリエ・ハウゲ ノルウェー
http://jp.uefa.com/competitions/UCL/news/Kind=1/newsId=421236.html
チャンピオンズリーグの記念の年の開催地は第1回決勝戦の地、パリですね。今回は50周年ですね。この会場は2回目。(前回は2000年のバレンシアレアル・マドリード)1998年のW杯3位決定戦を以て、同じくパリのパルク・デ・プランスは国際大会本会場の役目を移譲したわけで。しかし、どうせならパルクでやっても良いが集客人数がね。そんなわけですよ。
ということで決勝です。
いきなりuefaが副審を変更するハプニングが起きてますが。
http://jp.uefa.com/competitions/UCL/FixturesResults/Round=2205/match=1108503/Report=PR.html

バルサ

勝つべくして勝ったスペインのバルサ。組織的であり且つ、個人の力も素晴らしく高次元の攻撃サッカーを見せるチームなんですけど、トーナメントにおいては、1点をどうにかして守る為の戦術すらやってみせるくらい、今季は成長なのか変化しましたね。攻撃も今季はロナウジーニョがより中のポジションを取れるように他の選手がポジションを変化させたり。それでも強いチームですよ。で、そんな集大成が出るかどうかと。メンバーはセビージャ戦に遠征しなかった選手となるとバルデスプジョルマルケス、ジオ、エジミウソン、デコ、ジュリー、エトーロナウジーニョの9名にあとは途中出場のオレゲール、イニエスタってところですかね。シャビ、メッシー、ファン・ボメル、モッタ、ベレッチラーション等控えも充実と。

ガナーズ

逆にアーセナルは本来スタメンであるべき選手が故障で若手に活躍の場が回り、そして結果が出たというチーム。前々から欧州では実力が発揮されていないというチームが、ついに念願のビッグイヤーまであと一歩というところ。毎度のシャンパンサッカーを中心とし、一端スピードを上げると選手達がコレクティヴに相手に襲いかかるスタイル。今季は前線にティエリ・アンリのワントップで、中盤を分厚くして欧州を戦ってきましたが、これが運良くハマった。中盤の選手がポジションを入れ替えることも巧くいったし、相手を抑えるアンカーもハマった。その上、連続無失点記録を更新し続けるイェンス・レーマンがいるとなる。そして、決勝に間に合わせたようにバックスのキャンベル、アシュリー・コールも復帰することができたと。

試合展開

そんなわけで、考えるだけでも面白そうなのは久々ですね。2002年以来ですかね。くれぐれもPK戦はヤメてね。2003年の決勝はゲンナリしたよ。
やっぱり試合展開としては互いにボールを持って勝つタイプだけれど、やはりバルサのほうがボールを多く持つ時間が増えるだろうという感じ。フランク・ライカールトが「アーセン・ヴェンゲルは楽だ。カウンターの練習をすれば良いだけだから」と舌戦を挑むほどの自信ですから。言葉のその逆はアーセナルティエリ・アンリ筆頭に一端持ったら速いから、守備がカギになると。あのシェフチェンコの抜け出すスピードに負けたカルレス・プジョルは見事な欺きプレーをしたが、今回は出し抜かれて終わるのか。いやはや。あとはラテラルだって、アンリがジオのサイドばっかり狙うと面白いんだけどな。やるかね。
ガナーズはどうやってあのクラック達を止めるか。ミランベンフィカのようにヤープ・スタムやリカルド・ローシャをロナウジーニョマンマークするということはできないから、スペースや活躍の場を与えてしまう可能性もあると。実力が試されるエマニュエル・エブエと。それにマンマークをしていたらオーバーラップを仕掛け相手を崩すことができなくなると。左のアシュリー・コールも上がれなくなると攻撃の枚数が減ってよりアーセナルはポゼッションが無くなって準決勝ビジャレアル戦の二の舞でアンリがシュートを撃つ数が減ると。
ただそれよりもカギは中盤。攻撃も守備でもカギは中盤ですよ。セスクをエジミウソンが抑えるのか、デコ、イニエスタジウベルトが止めるのか、やはり試合の主導権は中盤ですね。互いに自分がボールを持てば相手に攻められないという考えなのだから。
あとカギとして考えられるのがピッチ。アーセナルのサッカーは狭いハイバリーで大きく有効になるけれど、広いピッチの場合、サイドチェンジをされると相手をコンパクトに詰めることが難しくなる、そして通常よりも多くの運動量を求められ、最後にバテがくると。特に厳しいのがフルバックと。いつも広いピッチを使っているバルサの方がそこが有利かなと思うところ。

ヘンケ、ベルグカンプ

ああ、これがラストゲームヘンリク・ラーションは控えなのかねぇ。これが私は残念だよ。彼のようにファウルを受けてもスッっと立ち上がりまたプレーに戻る。得点の嗅覚は今以て健在、少ないチャンスをゴールに持ち込むセンスはエトーよりもある。そんな彼がバルサでオサラバ、スウェーデンに帰ってしまうのでテレビじゃもう代表戦しかないんだな。
それにデニス・ベルカンプ大先生もこれでラストマッチですよ。彼の美しいトラップ、ワンタッチからの見方には優しくしかも相手には厳しいパス、相手GKを目の前にして交わして決めるシュート。アーセナルだけでなくオランダ代表のベルカンプも見たけれど、変態トラップからの素晴らしいシュートに、見事なダイレクトボレーに、感動と興奮を与えてくれたレジェンドもラストゲームと。
互いにおそらくスタメンからは無いかもしれないが、見事なプレーでパリの観客とテレビの前で見ている人間に最後の雄姿を見せてくださいと願う。お兄さん、これだけは寂しいよ。

過去の対戦

ちなみに過去の対戦は、1999-2000シーズンにあって、このシーズンはカンプ・ノウでは1-1と引き分けたけれども、ウェンブリーで虐殺にあってます。集客能力を考えてハイバリーじゃなかったのが痛いお話で。この頃のバルサ監督はルイス・ファン・ハールロナルド・クーマンがアシスタントコーチ。リバウド神がいて、ルイス・フィーゴもいて、フィリップ・コクー先生にルイス・エンリケ兄さんもいたよ。ガナーズにはフェイマス・フォーにマルコ・オーフェルマルス先生がいたよ。懐かしいね。そして負けた試合で決めたベルカンプのトラップからのシュート。あれはエロですよ。