• スペイン対フランス @ヴェルトマイスターシャフトシュタディオン・ハノーファー

(主審 ロベルト・ロセッティ イタリア)
バランスを崩す戦術が裏目になりましたね。さすがにフランス相手にホアキン・サンチェス投入してペルニアのポジションあげるリスキーなことをしちゃいかんだろ。前半終了したときにはスペインはディフェンスのポカしなきゃ勝つなぁと思ったが、まさかポカしたのが監督だなんて。
交代をしたのは54分だったのだが、ホアキンに加え、ラウル・ゴンサレスに代えてルイス・ガルシーアも投入している。この試合のラウルは悪くなかったが、チェニジアの途中交代から1点を決めたときに比べては悪かった。で、チュニジア戦の戦術をとるのだが、この戦術のストロングポイントはホアキンの右からの崩しなのだが、そのバランスを取るのが中盤の3名のボランチではなくて、ラテラルのペルニアということで後ろに大きなスペースができてしまうのだ。そして70分にはフランク・リベリーに右から侵入されてグランダーのクロス、ちょうどジネディーヌ・ジダンが詰めていたが惜しくも合わず。その後のシーンでは左からのサイドチェンジにセルヒオ・ラモスがオーバーラップしてホアキンを追い抜いてドリブルし、右から見事なクロスを入れて、ウィリー・サニョールが間一髪クリアしてルイス・ガルシーアのシュートを許さないという良いシーンになるのだが、二名投入のメリットを感じない。特にルイスがビジャを削ってまで入れるという必要性を感じない。
そして今度はシャビを削って、マルコス・セナを入れる。つまりもう交代する選手枠を使い切ってしまう。そしてセナは交代後にミドルシュートを狙い、ウィリアム・ガラスが体でブロック、こぼれたところをホアキンが左足でシュートを狙うというシーンを作ったが、それ以外は何も目立たず、何もシャビを代えてまでという印象が。
逆に、相手が3枚切るまで何もしなかったレイモン・ドメネクは、その後相手の右の空いたスペースを狙うべく、シドネ・ゴヴを投入。そして勝ち越しの得点はスペインの空いた右サイドを走っていったティエリ・アンリを手で止めたカルレス・ブジョールが与えたモノと。あのジダンフリーキックシャビ・アロンソセルヒオ・ラモスのクリアミスで決まっているんだから運がない。そして点を取りに行かなくてはならなくなったスペインだが、ルイス・アラゴネスは交代枠を使い切ったので、これ以上フレッシュな選手を投入することもできず、加えて選手の配置も何も変更していない。最後に後半終了間際になってパブロ・イバニェスがパワープレイというこで前に出たところ、逆にセンターバックがいなくて、ジダンが3点目と。見事な自滅負け。バランス揃えるなら左にレジェスだろ。何でセナなんだと。
フランスがどう勝ったというよりもスペインが負けたという試合でしたな。フランスねぇ、試合開始当初からアンリが孤立して、高いバックライン、オフサイドトラップの餌食にあって、ワントップとしては厳しかったんだけどねぇ、勝ち越すまで早くルイ・サハ出せ、ダヴィド・トレゼゲ出せと思っていたのだが、削る選手がいなかったのも確か。だってジダン中心のチームだから。1点を奪われて攻撃参加したパトリック・ヴィエラ、パスから見事に抜け出してシュートを決めただけでなく、この日は攻撃に置いてしっかりと機能したリベリー、縦への突破はリベリーに負けず劣らず良かったフロラン・マルーダ、そして出場停止明けで素晴らしいボールキープ、パス、最後には得点と輝きを見せたジダンに救われたと。交代が遅れた理由が、誰を削るか迷ってのことだったら、何とも言えんな。ゴヴを入れたとき、あれ、本来はジブリル・シセだったんだろうなぁ。