目が痛い、目が痛いといいながらも本は読んだので、その感想を。

先の2010年、南アフリカのW杯について書かれた本なのであるが
簡単な要約をすると

1.目標が「ベスト4」なら、何故、あのパラグアイ戦にリスクをかけて戦えなかったのか。
2.大会を通じての守備偏重(モウリーニョ主義)に対して、優勝したのはスペインだったのは高評価
3.日本のサッカーは・・・スタジアムなんか特に・・・・

というような感じで、そこにイビチャ・オシムの毎度ながらの含蓄や皮肉もあるような独特な言葉遣いと、彼の日本代表監督だった故の経験から選手分析の言葉があって、読んでいて面白い。買って損はない内容と。
さて、その日本が勝てなかった原因を、彼は「本田が孤立したから」と分析した上で、この本になかった故に残念だったのは「じゃあ、どうするのさ?」という解決策。
私も前に書いた試合の感想文では(http://d.hatena.ne.jp/encyclopector/20100630#p1)

どちらも攻撃の構成力がないので、「どうしたら点が取れるのだろう?」と思っていたら、案の定。PKで御座いました。

という時に采配を揮う人間としてどうするかを見たかったのだが、残念ながら本人の采配を垣間見ることはなく、他の批評者の的外れな論調に、苦言を呈するに留まっていた。
私だったら?と考えるのはフットボールフリークにとっては楽しい一時(杉山茂樹は相変わらず非現実な3-3-3-1を振り回して、子供のように書いているけれど)なので、残念。(私なんか、前々の4-2-3-1のシステムの時から、4-4-2での作り直しを考えろやとか思っていましたな)
裏から読み返せば、あんなチームを作ってまま乗り込んだ岡田武史への憤り。チームビルドに優れていて、采配でどうこうするタイプじゃない本人としては、何故にあんなリスクをかけない小さなチームを作ってしまったかについての残念さが出ている感もある。その当たりの、代表に関しての文章は読んでいて面白かったところ。
それにしても、あの大会後に評価が高くなってしまっている岡田武史に対しての高すぎない評価が、ブレてなくて批評者として信用が持てるよね。謝り方を間違えている杉山と比べると。