1 EUROレビュー

フランス対ギリシャ 0−1
フランス、やっぱりパトリック・ヴィエラがサブでオリヴェエ・ダクールが先発出場。それからまたしてもウィリアム・ギャラスは右サイドバックなのか!逆にギリシャカリステアスとニコライディスの2トップ(uefaカリステアスの1トップと予想しているが、やはり2トップであった。どちらかというとニコライディスが前目)攻撃的MFにカツォラニスとカラグニスと堅めで来た。

やはりチームとしての完成度と監督の采配の巧さである。後半16分の右サイドに入れたMFラキスである。ラキスをFWのニコライディスに代えて出場させた。この時間までずっと左からしか効果的な攻撃ができないフランス。後半20分、バシナスから長いボールが右サイドのザゴラキスへ、リザラズを交わしたザコラキスが右サイドからセンタリング、前で攻撃しようとしたロベール・ピレスはまるでボールの近くにいない。シャドーで走り込んできたカツォラニスに釣られて、1トップになっていたカリステアスがフリー。見事にヘディングが決まってしまう。この試合の全てのハイライトを示すシーン。シュート1本のカリステアスとシュートを幾度となくミスし続けたアンリ。

フランスは、前半の5分を見た瞬間に苦戦はすると思った。ダクールではゲームを組み立てられないからである。その為にボールが一旦ジネディーヌ・ジダンロベール・ピレスを経由しなければならない。結果的にこのような攻撃を90分続けることができるはずがない。ジダン、ピレス共に後半には良いところが全くない選手になってしまう。4バックはボランチとの間隔が広い。このために相手に与えるスペースが多い。その為にフランスはパスを回して攻撃にアクションをかける瞬間には既にギリシャの選手は1人多い状態で待ちかまえることになる。FWについては、トレゼゲにカプシスがしっかりとマークをつけている。デラスを中心にした4バックはアンリの突破についてもしっかりとサイドバック(特に右のセイタリディス)がポジションを下げ何もさせない。ジダンにはカラグニスがマーク、ピレスにもザゴラキスがマークをかけ、他の選手の攻撃参加にしてもバシナスを中心に芽を摘むように高い位置でカットしてしまう。攻撃はそこから一気呵成にスピードに乗って前に攻めてくる。それに対処するボランチはチェックが遅い場面が何度かあった。4バックは引きすぎたポジションを取ってしまうので、フィサスに虚を突くようにアウトにドライヴをかけたロングシュートも撃たれた。FKからカツォラニスにあわや失点というシーンもあったのにその後危機意識を感じるチームではなかった。チームとしての完成度はおそらくトーナメント出場8チーム中最悪だったのではないだろうか。まるでチームとして攻撃も守備も機能しなかった。それでは負けるのも頷ける。

フランスの選手交代は仕掛けが悪すぎる。もっと早くからボランチを1枚削って右にシルヴァン・ヴィルトールかステーヴ・マルレを入れるべきだったと思う。後半の最後、右のサイドバックリリアン・テュラムが行い、ギャラスがセンターに代わって攻撃は効果的になった。最初からしてろよ。それからルイ・サハの投入だが、ちょっと早い。トレゼゲが絶不調であっても順序は必要だ、タイミングとしてはヴィルトールを先に出す方が良かったと思う。そして右から崩した後でサハの高さ、スピードを活かすべきかと。ジュローム・ロタンの投入についてはピレスと代えるよりもリザラズと交代した方が効果があったように思う。3バックにしたほうが総攻撃は安定するものであるから。そして左の一番のアウトサイドから正確なクロスを入れた方が良かったと思う。

結論、アンリはヘディングがヘタだ。3本あった。このうち1本でも決まっていれば。