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前半のあまりの悪さに比べたら後半はまだ良かったが、しかしこのようなレベルの内容ではアジアの小国のままだ。本当にこのようなチームがW杯で活躍できるのかと思う人間がいることが疑問だ。
さて、インド戦の内容の検討をしていこうか。
まずはスタメンのリストである。

GK:川口能活
DF:田中誠宮本恒靖中澤佑二
MF:加地亮三都主アレサンドロ小野伸二福西崇史
FW:鈴木隆行高原直泰本山雅志

これを中心に色々と考えよう。後半途中から4バック(田中誠藤田俊哉)になって失点の危機が2度あったが、これ以外の注目点が多すぎるのである。

  • 1.カウンターへの対処

前半、中澤が上がったところでボールを奪われたシーンでの守備と相手FW一人に対してディフェンスラインが下がるだけの守備があった。アジアカップのときに書いたことがまだ修正されていないということ。同じ事を書く気はない。

今回の試合における日本のボールポゼッションは非常に高かったと思う。しかし、ポゼッションが高い理由はロングボールのサイドチェンジとバックパスの多さによるものである。積極的な理由でのボールポゼッションというわけではない。攻撃を仕掛けるときのポゼッションはどうやって奪われるかを見ると、相手のタックル、チェックによって奪われていることよりも明らかに、トラップミスで奪われていることが多い。ショートパスで繋ごうとしてもトラップでボールが浮いてしまう。そこを奪われているのである。そしてロングパスのトラップも殆どの選手がボールを1歩から1.5歩ボールを動かしてしまっている。ここにチェックを入れられたらトップスピードのドリブルで置いて行かれてしまう危険性がある。唯一、この心配がないなと思ったのは小野伸二だけである。他の選手は全て心配である。特に3バックの選手のトラップのマズさが気になった。

  • 3.攻撃のバランスの問題

左からばかりである。アレックスから得点になったことは確かであるが、偏ってしまっている。前半、右サイドからの上がりがゼロである。もし、裏を突かれたならどうなっていたことか。2度危険なシーンがあったことは忘れてならない。

  • 4.FWの問題

私には本山雅志のポジションがトップ下には見えなかったのでFWに表記しておく。ということでFW3人について。
本山がサイドに流れて、相手をかき回そうとする意図なのだとおもうのだが、では中にいた残り2人はどのような動きだったかと考える。中はどちらかが固定しているということでなかった。ただ本山がサイドからセンタリングするという場面がなかったこともあって、大きく意識されないシーンであった。
高原と鈴木であるが、システマティックな動きが出来ていたかといえば、明らかにNoである。特にどちらともいうことなく、勝手にポジションを取っていたような感じである。ただ飛び出して惜しいシーンを演出していたのは鈴木の方が多かったことは明らかだし、高原は攻撃の重要な場面で画面にいなかったことも多かった。一番奇妙なシーンは高原を中心に3人で攻撃した後、鈴木を中心に別の3人で攻撃したシーンがあった。どうして2トップにようコンビネーション攻撃がないのか。非常に奇怪だった。

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2トップといっても色々とスタイルがある。基本的なスタイルを

  1. 03ミラン型 点を取るFWが横に並び、中を空けて、中での攻撃はトップ下が支配する。
  2. 02ドイツ型 点を取るFWが横に並び、サイドからのクロスを2人で狙う。
  3. 04ユーベ型 所謂、1トップ1シャドー型。トップはポストに徹しセカンドがこぼれ球を狙う。

ジーコの就任以来、一番2トップで良かったと思ったのはチュニジア戦だと私は思っている。このときの2トップは鈴木と柳沢。何に感心したかというとカウンターのときの動きである。鈴木は左サイドのラインを、柳沢は右サイドのラインを一気にに突っ切って走り、この時、中では中田か中村が構えていた。鈴木はついでにポストプレーをするときに定石な位置にいることが多く、ファウルを取られるにも良い場所にいることが多い。コレに比べると、高原のどこが良いのか分からないことが多い。
それで、思うのである。高原がHSVで活躍できない理由。これは技術の問題である。しかもボールの扱いではない。ポジショニングである。確実に映像で見る限りFWとして高原は間違ったポジションでいることが多すぎる。エミール・ムペンザ(ベルギー代表)、セルゲイ・バルバレスボスニア・ヘルツェゴビナ代表)、ベルナルド・ロメロ(アルゼンチン代表)、ベンヤミン・ラウト(ドイツ代表)に対して、まず一番の基礎で間違えている人間が欧州で通用するべくもない。左のMFで起用された理由もこれで説明が付く。左にいなければならないことで余計な動くスペースの選択肢が減るのである。高原の移籍ついて、移籍したいなら自由であるが、あのままではどこに行っても通用しない。1人で展開を作れる人間でないし。FWが少なそうなチームでも行ったら出番は確かにあるだろう。どうせパサー頼りの男なのだから。そこで良いクラブを紹介しておく。ボルトン・ワンダラーズ
ユーリ・ジョルカエフはいなくなってしまったが、サイドにはペデルセンジャンナコプロスがいるし、トップ下にはまだオコチャがいる。ボランチに今季スピードも来た。DFも揃いに揃えたイバン・カンポジュリオ・セザール、ンゴッティ、フェルナンド・イエロとワンダラーな面子だ。このクラブを毎回テレビで見たいし、移籍してくれ。