今回は芥川賞を振り返ってみる。1月に綿矢りさ蹴りたい背中」、金原ひとみ蛇にピアス」が授賞ということで、大変話題になった。まず年齢、従来まで23歳だった、丸山健二石原慎太郎大江健三郎平野啓一郎だったのが、綿矢の19歳11ヶ月はセンセーショナルだった(文藝春秋が非常に売れたそうである。余談ながら「蹴りたい背中」が文芸所収でその号の特集が川上弘美だったね)、実際のところ、評価も作品の内容よりも、年齢に対しての評価だった印象がある。結局、「新進作家」対象の賞であって、今後が肝心だ。そして7月はモブノリオ「介護入門」が授賞。どうしてこうも色物になってしまうのか疑問である。あの文体といい。
小説で、売れたのは片山恭一世界の中心で、愛をさけぶ」と市川拓司の「いま、会いにゆきます」だけだったりしてね。物悲しい。あとは電車男か。結局。2chのスレッドを小説というかどうかが疑問だが。