UEFAチャンピオンズリーグ決勝 本当なら、ユヴェントスが進出していたはずなのだが。

両チームとも特徴をまず挙げるならば、その堅守というところになる。高さをセンターバックがそびえ立ち、ミランにはその上に経験という積み重ねがある。それにサイドバックを含めた4バックのコントロールの素晴らしさは両チームとも言える。
両チームの歳は中盤の構成にある。ミランレジスタアンドレア・ピルロを起点とした上でピルロの守備面でカバーするジェンナーロ・ガットゥーゾクラレンス・セードルフがいる。彼ら二人は単なる守備要員でなく、特に後者には攻撃の構成力が高いし、ミドルシュートも魅力である。逆にリヴァプールは左サイドのヨン・アルネ・リーセは駆け上がりクロスを供給、もしくは自ら切り込んで左足の強烈なシュートを見せ、ルイス・ガルシアは右サイドにいるが、中に位置をずらして攻撃に参加する。その右、左への配球役がシャビ・アロンソ、もしくはスティーブン・ジェラードであり、相手の中盤での突破を阻止するのがシャビ・アロンソディトマール・ハマン(もしくはイゴール・ビスカン)、スティーブン・ジェラードはもう少し上がり目に位置し、攻撃の役割をより演じる。
そして攻撃の面子はミランは、アンドリー・シェフチェンコエルナン・クレスポの2トップにシャドーストライカーとしてカカがいる。彼らトライアングルは速攻だけでなく、遅攻もできるところが、レッズの最大の課題で、低く下げたラインは彼ら3人に攻撃参加する選手(カフーであったり、セードルフであったり)を抑えられるかが鍵になる。逆にリヴァプールは1トップになることが多く、スタメンのミラン・バロシュはそれほど上背がなく、ファウルを取られることが多い、スピードのある抜けだしで勝負するタイプだが、それをヤープ・スタムアレッサンドロ・ネスタがどのように抑えるのか、そして抑えられてしまった場合、攻撃はどうなるのか、ルイス・ガルシアだったり、ジェラードだったりがどのようなサポートするのか見所。
そしてホットゾーンはミランの右サイド、カフーリヴァプールの左サイド、リーセのどちらの上がる回数が多いか。パオロ・マルディーニは昔の左サイドに復帰したがやはり往年ほどの上がる回数ではない。

さて、奇しくも同年齢、カルロ・アンチェロッティラファエル・ベニテスの戦いだが、前回のアンチェロッティは決勝でもかなり消極的な采配(やはり最後にリバウドを出すような判断力が欲しいな)だったのだが、今回、彼の守備的な采配を象徴するマッシモ・アンブロジーニが出場できない、リードしていたなら、厳しい時間帯を乗り切るために投入する選手がいないのはどうなるやら。ベニテすのベンチでの持ち駒と言えば、やはりジブリル・シセ、骨折から復帰した素晴らしいFWだが、彼のスピード、得点の嗅覚は非常に恐ろしい。