1.だいたい、そもそも、戦術って何ですか?
- 作者: 湯浅健二
- 出版社/メーカー: 池田書店
- 発売日: 2010/04/14
- メディア: 単行本
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これは、具体例を挙げますと、例えばストーク・シティー。
このクラブチームの「ボールを奪った段階」での攻撃の戦術(私はスキームという言い方が好きなのですが)は、簡単に言ってしまえば3つしかありません。
A. 9番の選手(所謂第1FW、ケンヴァイン・ジョーンズか新加入のピーター・クラウチに当てる)に当てて、その後の展開。
B. 左右のウィング、マシュー・エザリントン、ジャーメイン・ペナントの縦への突破
C. その他、ジョナサン・ウォルターズのドリブルか本当に誰もいない地点への放り込み
といった感じですが、この3つの戦術を束ねているものが
「タフな戦いを相手に強いる」、という戦術の大枠、総論と言ったもの(私はこれがタクティクスという言い方に当てはまると思うのです)が、実際、このような大枠から細かい約束事への敷衍まで言及している人が少なく思いますし、そもそも攻撃の戦術を成り立たせるものは、守備の「組織構築」という「戦術」だとも思っています、
前述のストークを例に挙げれば
a. 相手ボールになったときには、常に相手との距離を詰めて対処。
b. 一人目の選手が抜かれても、次の選手が対応する
c. プレッシャーをかけ続けるためにバックラインは相手に対して全体で下がりすぎない
このようなことで、相手に「タフな戦い強いる」ということを成し遂げるために行っていることが戦術もしくは戦略だと思うわけです。
総論、大枠をまず書いてしまいましたが、個人の為の「戦術」というものも考えられます。例えばチームによってはフルバック、ラテラルの選手の活かし方に個性的なチームがあります。ダニエウ・アウヴェスやアシュリー・コールのオーバーラップしたときに走る方向は、明らかに「戦術」を感じます。彼らの走る方向によって、相手が対応した場合に空くスペースを味方の誰かが活かしたい、という意図を見て取れるし、フォローについての約束事があると見えるのです。
このような、戦略>戦術>作戦>約束事、という捉えかたは如何ですか?