まったくもって残念なnumberのサッカー特集

今回は、スポーツ雑誌の老舗であるnumberという雑誌の
あまりにも残念極まりなく、遺憾の意を示したくなる内容についてのお話。

今回号のタイトルは

「End of Barca or not」
というタイトルで、バルサFCバルセロナ)は終わってしまったのか否か?
ということのお話なのですが、

実は、この関連のお話は、昨年のチャンピオンズリーグ準決勝でバルセロナチェルシーに敗れた際に
UEFA Champions League Magazineを筆頭に書かれた内容よりも
1年遅れ
という点が非常に重要です。
日本においても、写真がchampionsと全く一緒の写真を使用した表紙が目立つ

にて書かれていました。


即ち、これは何を意味するか?
一般的に、サッカーファンは、アホだから、
1年前に他所で書かれたことでも忘れているはずだ
ということ以外に考えられません。


この号を主に担当されている人は、最近ではマンチェスター・ユナイテッドに関する本

ファーガソンの薫陶 勝利をもぎ取るための名将の心がまえ

ファーガソンの薫陶 勝利をもぎ取るための名将の心がまえ

という極めて残念な内容の本を書かれた、田邊雅之とかいう人ですが、その彼の書いた内容によれば、イタリアに栄華は訪れなかった(2007年に優勝したクラブはどこだ?)とか、イングランドは墜ちたというような、検証のない書きぶりがとても目立ちます。
また、日本人で唯一バロンドール投票権のある記者、
オシム 勝つ日本 (文春文庫)

オシム 勝つ日本 (文春文庫)

など、イビチャ・オシムさんともフランス語で会話できる田村修一さんを含め3人の記者に「End or Not」と質問をしていますが、3人揃って「Not」と返されてしまった、表紙の質問には、まったく意図が悪い上に、議論にならない問題設定というのは、あまりにも稚拙で残念です。その上、「バルサを超えるクラブはどこだろうか?」という質問で、田村さんが一人だけ「マンチェスター・ユナイテッド」という恥ずかしい格好をさせられているのも、なかなか苦笑以外ないものです。(他の外国人記者は揃ってバイエルン・ミュンヘンである)


また、この号で一番腹が立った内容は
2012-13シーズンの欧州サッカーのトピックに関する記事なのですが
「イタリアにおいて、3バックが流行」
という部分。これは間違っています。
今季ではありませんから。昨季です。
世界のサッカー戦術に関する著名な本

サッカー戦術の歴史 2-3-5から4-6-0へ

サッカー戦術の歴史 2-3-5から4-6-0へ

を書いたジョナサン・ウィルソンがガーディアンで説明したとおりに昨季にトピックになり
同じ週に9チームも3バックをやったということを記事にしたマイケル・コックスの記事も、昨年の1月(FAカップの日)であるわけで、何を事実誤認しているんだというお話。


そんな連中が、書いた欧州サッカーの本。
誰のために、何の信用があるのでしょうか?
それがとても気になりました。
それにしても、前述の通り、呆れよりも、怒りがこみ上げる内容です。