マンチェスター・ユナイテッドマンチェスター・シティ
チャンピオンズリーグレアル・マドリード戦は、奇策で見事相手を翻弄したシティーだけれども
相手関係を考えたら、どうして王道のフットボールをしなかったのか、ペップ・グアルディオラの采配って
やっぱりよくわからないですね。
フリーキックからの奇襲ゴールでの先制、試合終了間際のGKエデルソンのパスミスを押し込んでの2点目。
相手をきっちり崩して決めたゴールはなく、そもそも相手を脅かすのはファストブレイクが主だったユナイテッドは
相手の拙攻に助けてもらった形でした。でも勝った。良かった。「光が見えた」と言われて少しうれしい。
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グアルディオラさんの「我々は良いフットボールをしたが、ファイナルサードでミスをした」という発言ですが
言い方を変えればですね「ファイナルサードでミスがおきるような仕掛けを作るな」って思う。
王道で、常識的に、攻めたら、勝ってたと思いますよ。シチズンズが。

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MUNMCY
決定的チャンスが結局スターリングの1って少なさが問題ですよね。

レアル・マドリードマンチェスター・シティ

スペインで勝ったことがない、マンチェスターのチームが勝利するという結果になった試合。
試合開始から驚きを与えのが、ガブリエル・ジェズスを左サイドで起用するという
ジュゼッペ・グアルディオラのシティーの奇策でした。
試合を見ていた際は、「誰だっけ?この9番のサイドの選手」と思ったら、それがジェズスでした。
言い方を変えれば、ケビン・デ・ブライネをフォルス9で起用するための手段とも言います。
この辺は、言い方が難しいところですね。
スタッツで顕著なのは、前半はレアル・マドリーがボールを持っていた割にチャンスが少なく、シチズンズにチャンスが多かったこと。
それでも常識的なサッカーでマドリーが先制したわけですから、評価の難しい試合です。

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RMAMCY
(スペルが間違えてる箇所がありますが、ごめんなさい)
ただ、個人的には、この采配の決断をした、ペップ・グアルディオラの胆力が本当に素晴らしい、賞賛に値します。
あらゆることを考えて、持てる駒の中から、相手のサイドからの攻撃に対処する方法がこれだったのでしょう。(だから結局、セルヒオ・アグエロが出場しなかった)
そしてジェズスが見事に活躍した。前半の惜しいシュートのあたり、ハマった采配だと思いました。(1-0の結果なら、2ndレグ考えても悪くない、ただ2点を取った)
プレミアリーグで見せる所謂Fluidな守備のやり方、好きじゃないんですけど、
今回のこのFluidな守備を更に再構成しており勉強になります。
ただ、個人的には好きじゃない。


レアル・マドリードが何故勝てなかったのかという残念さのほうがあります。
交代策の問題なのか(ヴィニシウスが試合中攻撃ではよかったが、試合の展開としてはなんか苦しい感じのメレンゲスでした)
そもそもチャンスが少なかったわけだから、先制しただけ運が良かったのか、(勝利確率計算では、先制点を決める前でも若干ホームチーム有利の裁定を出しています)
兎角、問題は相手をドミネートできなかった理由です。
デ・ブライネの脅威をどのように削ぐのか、という点と
相手がどうであれ、自陣に釘付けにできなかった、という点
うまく守られたとはいっても、エデン・アザールが不在の点で一人で相手を切り裂ける戦力の充填することができなかったですし
もっと右サイドから(奇策できた相手左サイドを)狙ってよかった気もしますけどね。
ヴィニシウスのいる左サイドにベイルを入れる前に、右サイドを抑えておいた方が、と私は思いました。
(シティーの攻撃は左サイドが44%、ウィンガーのスターリングも途中出場しているのだから、抑えておいた方が、ねぇ)

チェルシーバイエルン・ミュンヘン

前半終了時の解説、名波浩のコメントは「チェルシー、よく耐えた」だったのだが、私は「バイエルン、仕留めそこないましたよね」という印象だった。
同じ現象ながら見方が違うだけのお話。ちなみに結論を言えば、バイエルンが後半仕留めただけのこと。

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CHEBAY
シュート数の多さといい、エリアでの支配といい、とにかく強かった印象。
特に印象が強いのがトーマス・ミュラー。結構昔のチャンピオンズリーグマガジンで特集が組まれたけど、特徴ある選手ながら特徴が書きにくい。

カルロ・アンチェロッティエバートンの監督にもなりましたし
某サッカー雑誌筆頭に、「くだらない」戦術論が蔓延るサッカー言論に面白さを感じない時に
やはり面白いのは、実際の監督の本だと思ってます。

カルロ・アンチェロッティの本。面白いです。
個人的にはこの人は、世界で最高の監督だと思ってます。
・様々なチームで結果を残していること
・様々なチームの、様々な環境で結果を残していること
・様々なチームで、様々な手法で結果を残していること
これが凄いと思う。
カルレット。ちょっとバイエルンを離れるのは早すぎた気もしますが。

ボルシア・ドルトムントパリ・サンジェルマン

Ils sont les meilleurs
Sie sind die Besten
These are the champions!
素晴らしいヤツら
最高のヤツら
チャンピオンたちだ!

という、チャンピオンズリーグアンセムに相応しい、ドルトムント対パリの試合だった。

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BVBPSG
時間が過ぎたので特に言うことはない。

チェルシーマンチェスター・ユナイテッド

強いチームは相手を圧倒してこそ、ということができないのだからもどかしい。

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CFCMUN

それにしても、トットナムのオーリエに続いて、ユナイテッドのワン・ビサカも
フルバックとしては守備が問題あるのなら、こう使います。という見本を見ている気がする。
かつてはフルバックセンターハーフで守れないヤツが行うポジションと言われていたところが
ウィングとしては相手を無力化できないスピードある選手が行うポジションになってはいることがわかりつつも
本当に上手なフルバックの選手を、歴史上色々見ているわけで、何か答えが見つかると思うんだけどねぇ。

あ、試合後のギャリー・ネヴィルさんの意見はごもっともです。
ええ、ユナイテッドを代表するフルバックでした。
Chelsea 0 - 2 Man Utd - Match Report & Highlights

アストン・ヴィラトットナム・ホットスパー

両チーム合わせて、40本以上のシュートが飛んだ試合は、試合終了間際のソン・フンミンのゴールによって、トットナムが勝利を収める、というかペペ・レイナが頑張って勝ち点を取れそうだったヴィラが残念な結果に終わったという印象が強い試合でした。

まぁ本当に面白い試合だったですね。
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試合としては、スパーズのディフェンダートビー・アルデルヴァイレルトオウンゴールで順位が下で降格圏にあえぐヴィランズが先制します。そしてジャック・グリーリッシュからの魔法のようなパスからフリーで絶好のチャンス、ドグラス・ルイスがシュートを決めていたら、結果が違っていたことでしょう。このシュートミスが試合の分岐点でありました。


その後のことは、もうマッチレポートに書いてあるので、分析にいきましょう。
この試合で気になったのは、トットナムの守り方です。オウンゴールと言い、絶体絶命のピンチといい、いったいどうなっているんだと思う事態でした。もし事前に情報を見ないで監督名を当てられるでしょうか?ジョゼ・モウリーニョが監督なのか?と思うほど。
試合を通じて行われた特徴としては、右サイドのセルジュ・オーリエを正当なライトバックとして扱わない起用法。スコッドを見渡して構想に充分に足る選手がいないのでしょうが、バックフォーとしての使い方がアンバランスでした。アンバランス故の混乱からオウンゴールをし、守備のマークが怪しい状態がちらほら、被シュート数の多さが勝った試合とは思えない状態でした。エル・ガジのシュートも素晴らしいシュートでしたが、ウーゴ・ロリスのナイスセーブを見ることになりました。
3バックなのか、4バックなのか、どちらとも形容しにくい状態を、良く言えば「ハイブリッド」、一方で悪く言えば「中途半端」、スキームが整備されているとは思えない、オーリエのポジション故にタスクが多いアルデルヴァイレルト、守るべき守備ゾーンの受け渡しは健全に機能しているとは言い難いと、ジョゼさんが途中就任であることは理解しますが、今後のチーム醸成が大変だなと思います。
(元々モウリーニョフルバックに背が高い選手を望むと言われているからね、オーリエなんて希望してないよね)


ヴィラの守備は、GKのレイナがマンオブザマッチと思うほど(マッチウィナーさえなければ彼がマンオブザマッチが当然)に頑張っていましたが、スパーズのアタッカーのスピードに苦労していたことはメンバーの苦しさを感じます。まぁそんなことも全てルイスのシュートが決まっていたら変わっていたんでしょうけどね。サッカーは「一発逆転がない」球技なのだから。

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AVFCvTHFC

変なマップだ。やはり。
追記。
サッカーの守備スキームは、色々考えたら面白いことが思い浮かびます。もちろん選手の実力との兼ね合いによりますが。さすがにアメリカンフットボールのようにブリッツをかけたり、ディスガイズをいれたり、タンパ2のようなことをしたり、なんてことはできませんが、守備のスキームで評価をするのはゾーンと被シュート、そしてディストリビューションでしょうね。