1 EUROレビュー

あまり言うことないが、シュナイダーを下げたのは失敗だと思う。なんだかなぁ、チグハグなんだよね。ドイツの色がないというような気もする。ドイツの色、確かに80年代後半から90年代前半のドイツじゃない。ただ放り込んでFWが高さだけで決めるサッカー。おそらく出場チーム全ての中でツマラナいサッカーかもしれないが、それしか出来ないのがドイツだと思う。ボビッチなんだあの悪さ。クローゼどうして外す。シュバインシュタイガーでも何もできない。CKの精度も悪い。それからだ、ドイツの右のサイドバック、フリードリッヒはどうにかならないか、攻撃参加が悪い。ヒンケルのほうが良いと思う。しかし、シュバインシュタイガーにどうしてしてしまったのだろう。ルディ・フェラー。自身が素晴らしいFWだったが、攻撃の采配についてはかなりヘタだな。それから招集メンバーだが、愛すべき猫背FW、オリヴァー・ノイビルを外したことは罪だ。ノイビルがいたら1トップでノイビルが左のウィング気味のポジションから攻めるレバークーゼンのようにいったのかもしれない。 いずれにしろ、チェコ戦。96年はこのカードが決勝だった。ネドヴェドやポポルスキーなどはこの試合にいた。ガチで試合をやったら勝てるはずもない。

結局アドフォカートの奇行とブルックナーの戦略に尽きる試合だったと言える。まず、スタメンについて書こう。ラファエル・ファン・デル・ファールトウェズレイスナイデルが控えだった。これはやはりおかしい。特にスナイデルであるが、前半コクーは失点シーン以外では目立たなかった。右サイドからのFKであったのだがスナイデルがいないのでロッベンが蹴っていた、なかなか微妙な状態であるが先制点が決まったので結果良しということか。ファンデルファールトを入れないで3ボランチという状態であったが、ダーヴィッツセードルフが上がることで攻撃はバランスが取れていた。それが2点目を見事に呼び込んだ。2点以外にもダーヴィッツには惜しい場面があった。その後オランダはコクーのミスから失点を喫してしまう。これは非常に勿体ないことであった。それまでオランダは攻撃、守備が噛み合っていたのだ。そして点が決まったのにブルックナーは選手交代を敢行した。右サイドバックグリゲラから左のMFであるスミチェルに。ポポルスキーのポジションは縦に流動的になる。ただ前半の前半のロッベンの動きに比べれば確かに落ちては来ていたが、かなりリスキーである。しかしながらこれがスグに結果にいたることなく後半に。
後半もチェコが攻撃を仕掛けるのに対し、ファン・ニステルローイの惜しいシュートがあった。チェホが素晴らしく止めた。ところが流れを刺すかのようにアドフォカートは59分左のロッベンを中盤の守備的なボスフェルトに代えてしまう。これに反応してかブルックナーは62分ガラセクをハインツに交代させる。交代によってオランダは素晴らしいサイドからワイドに崩す攻撃が出来なくなり、ついでにファンニステルローイのポジションが中央から流れてしまう。右のファン・デル・メイデとの2トップはまるで機能しない。そしてロッベンと対峙する右サイドのポポルスキーが上がり出す。攻撃がうまく回らなくなり、引き気味になったオランダは2点目を許す。ネドヴェドの突破からコラーのポストで落としたところをバロシュが素晴らしいボレーシュート。これは戦況からして当然だった。そしてその後、ファンデルメイデの本当に惜しい場面があった。するとブルックナーは攻撃の中心でセンターでポストプレイに徹していたコラーを下げる。代わりにDFのロゼナールを入れた。これによってまた中盤の守備を若干軽減させ、攻撃はバロシュの抜け出しに期待した。勿論これはチェコのほうが勝ち点にアドヴァンテージがあったことも起因しているのだと思う。その4分後、今度はハイディンガがネドヴェドを倒し、2枚目のイエローカードで退場してしまう。このあと、攻撃でスペースが開いたネドヴェドとロゼナールのシュートにファンデルサールがスーパーセーブを見せる。たまらずここで右サイドバックの穴を埋めるべくライツィハーを入れる。これによってコクーの位置を若干下げライツィハーファン・ブロンクホルストサイドバックの上がりに頼る戦術を何分かしたのだが、突然そこから方針転換のセードルフからファンデルファールトの交代をする。これでまたチームに不具合が走るのを見逃さなかったように、ハインツのシュートのこぼれ球をポポルスキーがマイナスに折り返し、スミチェルがゴール。 明らかにアドフォカートの奇行。ボスフェルトを入れるとしたら、コクーを代えるべきだったと思うし、2トップになってからハイディンガ退場までの間に、ファンデルメイデを代えてマカーイか、左のウィングのオフェルマウスをボランチの1人に代えて入れるべきだったと思う。守備の選手を入れることで守備的になるとは限らない。攻撃の選手を入れることで守備を高めることは出来るのだ。逆にブルックナーの采配は試合展開、相手の状況を見極めた素晴らしい采配だった。素晴らしい。素晴らしすぎる。

オランダは選手の組合せのトップフォームから考えたらグループ1位だと思ったのだが。センターバックもボウマ、スタムではロングフィードの展開力がなく、一旦ファンデルサールに戻してファンデルサールのキックから立て直すシーンが多かった。フランクデブールがいたらなぁ。コクーは何も意味をなさなかった。3ボランチながらコクーから良いボール供給がゼロだった。スナイデルを入れるか、ボランチを2枚にしてファンデルファールトだったか。ファンデルメイデ、ファンデルファールトはそれぞれ右ウィング、トップ下であれば最高の選手であるがFWの位置は無理である。ロイ・マカーイを2試合も控えにするなんて!ゴールデンブーツの天才を!