さて、悪かった国を挙げると
問題が起きてしまっているナイジェリアを除くと(ただ、このチームもキャプテンのオデモウィンギーの試合後のコメント通り「攻撃で何がしたいのか、理解できなかった」チームだったんだが)
フランス、アルゼンチン、イングランド、ブラジルが挙がる。
共通項は欧州のトップレベルのリーグで活躍選手が多いのにもかかわらず結果というのも、私個人には掛かってくるお話かもしれない。何故、この面子でこの結果と。イタリアは不安がそのまま悪い結果になったのである。述べる気にもならない。残念ながら。
さて、フランスの問題は、言わずもがなレイモン・ドメネックにあるわけだが、まず選手選考に問題があった。それは彼が就任した2004年以来の世代交代が全く失敗に終わったこと。ジダンマケレレバルテズを呼び戻しての結果はあったものの、彼の手腕による結果でなかったこと(ジダンの為にというモチベーションだったことが、改めて分かる結果)を引いても、大変に残念な采配。
攻撃に関しては、ワントップで臨んだレ・ブルー。アタッカーは下がってボールを受けるプレーを好むニコラ・アネルカであるにもかかわらず、彼のフォローアップする役割を担うミッドフィールダーがいない不思議状態。面子の配置にしても、クラブと違うポジションで四苦八苦のリベリー、クラブ以上に役回りが厳しいグルキュフ、スタメン落ちする理由が分からないマルーダ等々、何故に点が取れない以上に、点を取ることを考えているかも疑わしい。バックラインは、彼の個人的な思いこみで常にセンターで使われるアビダル。バックラインの不安定が積極的なオーバーラップを自重させるわけだし、チームとしての完成度が感じられない。
完成度の低さといえば、これまた監督の能力に限界を感じさせた、ディエゴ・マラドーナのアルゼンチンである。彼の選手としての実力実績は申し分ないが、監督およびコーチ経験がない人間が采配は結果的に悲しいものだった。采配で相手を出し抜くことが出来ないのは世界の大舞台で上に上がれない。当初からウインガーホナス・グティエレスがラテラルをやることはどうかと思っているが、ナイジェリア戦でも相変わらずの残念なデキ。ニコラス・オタメンディを投入してのセンターバックタイプ4名のバックラインもチームとしては如何なモノかという疑問が拭えない。それは彼の起用した布陣が1986年のアルゼンチン(メキシコ大会、ディエゴ・アルマンドマラドーナが中心となるチームは優勝した)を彷彿させるレオ・メッシを中心とした4-4-2のダイヤモンド、この場合サイドでの攻撃の厚みはラテラルの攻撃参加の質に係るのであり、ラテラルが怖くなくて且つスピードがなければカウンターの格好の材料。前半早々に失点を喫したチームがさらなる失点を重ねるのも大凡順当な結果である。さて、中心としての活躍が期待されたメッシであるが、所属クラブでの本職はストライカーなのである。その彼がエンガンチェを担ったのはフアン・ロマン・リケルメと決別したマラドーナの賭けだったのだが、このフォーメーションが残念ながら欧州チャンピオンのインテルほどに練られた戦術になっていなかったことが結果として残念なのである。インテルカンビアッソサネッティがいなかったことよりも。