乖離

テレビの報道で気になるのは、国内の捉え方と海外の捉え方に大きな乖離がある場合です。
例えば、シアトル・マリナーズイチロー外野手。
マリナーズの勝ち数の割にチームの総年俸のかなり多い部分を彼一人が占めていて、その上安打にだけ注目される、即ち得点に貢献している部分が少ないんじゃないの?って批判が常に言われていることを見ることは少ないです。(むしろ、だからこそ彼がメジャーリーグのパワー一辺倒思考を変えたとかいう楽天的発想も見たことがある)
じゃあ、彼がアメリカに於いても賞賛されている部分は何か?まず10年連続ゴールドグラブ賞を取り、刺殺の数が常に高いレベルをキープしていること、それから10年連続200本安打を打っていることと続きます(10年連続常に、大きな離脱がないことが大きい)。
私も好きなセイバーメトリクスの俎上に上げると、彼の数値は年俸に比して高くない(昨季彼よりも叩かれるべきはデレック・ジーターなんだろうけれど)、けれどセイバーでは非常に数値化しにくい守備という面での彼の貢献度とか、大きく取り上げたスポーツニュースとか見たことがない。どういうこと?
そして、もう一人、頑張れどころじゃない選手がいます。それが最近の無免許運転では話題になったゴルファーの石川遼選手。
彼の場合、常に付きまとうようになってしまったギネス記録のゴルフ最少打数58。この記録が作られる原因はカップの位置を楽な方にレイアウトしたということが言われていますが結果的に作られてしまったモノを認めざるを得ないのです。しかも彼が日本を代表する選手として海外のメジャー大会に出る、そして好いところ無く終わるという、日本のゴルフ界の評判を落とし続けていることをメディアで大きく見たことがない。ロリー・マキロイの優勝で彼に対してタイガー・ウッズが「将来彼は活躍する」と言ったことは各海外メディア報じましたが、石川選手の場合タイガーから何か賞賛されたことも日本以外のメディアで見ることはあるのかしら?