2021年の未練杯に向けたタンパベイ・バッカニアーズのドラフトを考察していきましょう。(今回が2回目です)
バッカニアーズは、スーパーボウルで先発した22名(攻撃・守備の両11名)が全員残留させることができました。
とても珍しい。ということで決定的な穴というものがないなかで、ドラフトニーズも各社、各記者、考え方がバラバラです。
これは、モックドラフトをやる人間にはとても困ります。
というわけで、ニーズと言われているポジションの1つオフェンスラインをみていきましょう。

バックスの攻撃の中心は言わずもがな、QBのトム・ブレイディであり、彼を相手の守備選手から守るオフェンシブラインが強固であることが、ブレイディを活躍させるために最重要な役割であります。スーパーボウルを制覇したチームのOL5名の内、良かったのはRTのWirfs、LGのMarpetであり、ここ以外のポジションを更に高める可能性があるとみられています。特にLT。Donovan Smithとは3月末に2年の契約延長をしましたが、それでもやはり気になってしまうのがこのポジション。オフェンスラインで最も重要なブラインドサイドです。
今ドラフトで最も注目されているのが、Penei Sewell(Oregon)。
もう逸材です。QB以外の選手では、Kyle Pitts(FloridaのTE)か、彼かというくらいに逸材です。
Sewellは、1巡5位のベンガルズが、Joe Burrowを守るLTとして指名するか否かを楽しみに待つところです。
続いての選手が、Rashawn Slater(Northwestern)か、Christian Darrisaw(Virginia Tech)というお話。各社、各記者で評価が分かれています。
Slaterは、昨年の全体2位でありDPOYを受賞したChase Youngを抑え込んだことで評価を上げた選手。ただ腕が短いのは気になる。
Darrisawは、鼠径部の負傷により、プロデイなどの記録がないのが好きになれませんが、体躯が好きです。
この2名、問題はどこまで残るかが予想できません。1巡32位指名の難しいところです。

OTでは
タンパがドラフト前に接触しているのが、Teven Jenkins(Oklahoma State)です。
10試合をRTで、3試合をLTと、両サイドのTをこなす選手であり、体躯およびパワーに優れているため注目されている選手です。ランブロックが良いですね。
少々腕が短い故か、KCに移籍したJoe Thuneyに例えられ、TもしくはGで活躍できる存在として書かれていたりします。確かにRGはタンパのOLの中では若干弱い。
Jalen Mayfield(Michigan)はRTです。さすがにWirfsいる手前、1巡2巡では行かないかな。
Samuel Cosmi(Texas)は背が高いながら少し細くプロデイでのスピードの値が良いですが、俗に言う腰高が気になります。好きなら取るんでしょうけれど。Nate Solderは絶対的な選手になれませんでしたし、体躯って大事だよなぁって思うのが個人的な印象。

正真正銘OGなら、Alijah Vera-Tucker(USC)がオススメな選手。体躯および運動能力、申し分ない選手です。ちなみに彼は大学ではLG。大学時代にRGだった選手なら、Wyatt Davis(Ohio State)を選ぶというところでしょうか。
OGというポジションは難しい。指名権を割ける余裕があるなら、指名したい選手はいるものの、このポジションは他のポジションだった選手をコンバートすることもNFLの世界ではよくあるお話。Quenton Nelsonのような1巡6位に申し分ない選手って結構レア。


しかしながら、バックスは、どこかの順位でOLの指名はするでしょう。それが誰になるのか、ドラフトの何日目になるのか、楽しみに待ちたいところです。

2021年の未練杯に向けたタンパベイ・バッカニアーズのドラフトを考察していきましょう。
バッカニアーズは、スーパーボウルで先発した22名(攻撃・守備の両11名)が全員残留させることができました。
とても珍しい。ということで決定的な穴というものがないなかで、ドラフトニーズも各社、各記者、考え方がバラバラです。
これは、モックドラフトをやる人間にはとても困ります。
というわけで、ニーズと言われているポジションの1つランニングバックを見ていきましょう。まずは現有戦力。

name ATT YDS Avg
Ronald Jones II 192 978 5.1
Leonard Fournette 97 367 3.8

という2名のRBが主力。チームのランスタッツも、回数369、ヤード1519(NFL全体で下から4番目)、平均4.1(下から6番目)という実力。
新戦力で入った

Giovani Bernard 121 409 3.4

というところですが、フォーネットもバーナードも年齢を考えるとこれ以上の伸びは難しいという印象です。

というわけで、ドラフトする可能性があるわけです。
まず今ドラフトで一番注目されているのは、Travis Etienne(Clemson)
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ランもパスもできる選手であることもあって人気ある選手です。
なにせ、バックスのQB、トム・ブレイディはRBを上手く使うことで有名。
攻撃の主力として加える発想をしてもなんらおかしくはない。

続きましてはNajee Harris(Alabama)

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優秀なRBを出すアラバマ大学の選手。全米最優秀RB賞の選手です。なんというか、感じとしてはEddie Lacyをちょっと細くした感じ。スピードを考えるとちょっと足らないような気もするのが、彼が絶対的に1巡に見られないところでしょうか。
そう、今季のドラフトでRBに絶対的な1巡級の選手はいません。

Michael Carter(North Carolina)

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モックドラフトで、1巡をRBを指名しないで中位でタンパが指名するなら、このCarterという予想が出てきます。
小さく素早っしこく、パスキャッチが上手いタイプに該当するからです。

Demetric Felton(UCLA
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バッカニアーズのドラフト前の選手調査で名前が出ていたRBが、このFelton。
RBでもWRでもいけるタイプのバーサタイルタイプ。
彼の映像を見た時、ああ、これはブレイディに向いているタイプだなとは思いました。

Rhamondre Stevenson(Oklahoma)
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個人的には、RBはデカくて強くて速い、のタイプが好きです。得点即ちTDを取るために必要な要素は、まずは前に出る力だと思うわけです。
ロナルド・ジョーンズをメインのRBと考える場合、3rdダウンバックとしての価値を出せそうな選手を用意するのは悪い気はしない。
そもそもNCAAフットボールのルールの都合上、こういうタイプのRBが少なくなって気がします。
多分、バッカニアーズは指名しないでしょうが、ドラフト3日目の個人的な注目選手です。

というわけで、先ずはRBでした。1巡32位指名権、ここでRB指名をできる胆力があるのか、GMとして試されます。
1巡を使っても許されるのは、おそらくエティエンヌのみでしょう。ただ彼が残っていた時、誰と比較して、選ぶのか。
この予想が全くつかない、今回の32位指名権。ドキドキものです。

今年も、日本最大のNFLモックドラフト、未練・或爺杯(通称「未練杯」)が行われます。
http://liondo.blog20.fc2.com/blog-entry-1074.html

今回は、2020年シーズンのNFL王者、タンパベイ・バッカニアーズGM担当をします。
なんと、今年はこんな本まで!

NFLドラフトの面白さを、共有できる楽しみが増えている気がします。

で、何故、今回はバッカニアーズなのか?
それは私の未練にあります。
2017年のモックドラフト。
http://avestc.blog79.fc2.com/blog-entry-31.html
1巡32位。なぜ、順当にRyam Ramczykを指名しなかったのか?

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という思いに尽きます。モックドラフトの時は目の前でMarshon Lattimoreを取られ、CBがいなかったので、トレードしてもおかしくないんですが、やはりRamczykは指名しておきたかった。オールプロに3回も選ばれた選手をみすみす逃したのはやっぱり未練。


続く、2018年のモックドラフトでは
http://avestc.blog79.fc2.com/blog-entry-34.html
トレードダウンから、1巡32位を貰ってJaire Alexanderを指名できました。2020年のオールプロCBになりました。

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良い選手ですよね。
でも、やっぱり32位で待って32位を狙うというドキドキワクワクハラハラと、達成感が欲しくなってしまうのが、このモックドラフトのGM担当に待つ楽しみなのです。
しかしながら、2019年はINDの1巡26位から動かすことはできず、Dexter Lawrenceを。2020年は1巡15位でJedrick Willsという見事な指名はあったものの、1巡31位はトレード対価が高かったこともあって手放しました。未練杯時点ではTrent Williamsのトレードが発表されていませんでしたからOTの指名も見事だし、ドラフト指名権を稼いだことを考えたら、実際のSFのドラフトよりも上手くいったと自負したいくらい。
ただ、やっぱり31位もやりたかった未練。

未練杯に何度か参加して、一番成功した選手はJJ WattとChandler Jones

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Jonesを指名した2012年も2つ目のドラフト指名権(1巡30位)を、譲ってしまいました。誰を指名するべきか悩んだ覚えがあります。
Harrison Smith、Lavonte David、Dont'a Hightowerから、誰を選べばってところでした。(当時Ryan TannehillをMIAが指名したいって話だったのでトレード了承しました。まさかTENでプロボウラーになるとは思いませんでした)
よく考えたら、みんなプロボウルともかくオールプロまで行ってくれました。上記2名には劣るモノの、素晴らしい結果を出している選手です。
この辺の選手を見出して1巡下位で指名して応援する。
この実践を、今回は達成できるでしょうか?とにかく、Ryan Ramczyk(彼の場合は指名順位も指名チームも全て揃う状態だった)の未練を晴らさねば。
そんな思いです。

ドイツ代表、危機的状況。(ブンデスリーガの現状から考える)

英語版が出た時から評判になっていた本なので買いました。

・ドイツ代表
サッカードイツ代表
ワールドカップ欧州予選、イングランド、フランス、ドイツは気になっているチームなので試合をちゃんと見ました。
(ベルギー対ウェールズ、トルコ対オランダは見たよ)
その中で気になる(悪い意味で)試合をしたのは、2014年のW杯王者ドイツでした。
バイエルン・ミュンヘンのセルジュ・グナブリー、リロイ・サネー、チェルシーのカイ・ハフェルツ、という3トップで臨み
真ん中をグナブリーが務めるという、所属チームのバイエルンと役割が違う珍しさに目を奪われる内容でしたが
相手に対してボール、場所、時間を支配する、意味では面子が揃っている印象はあります。
Two very early goals & Musiala debut | Germany vs. Iceland 3-0 | Highlights | World Cup Qualifiers - YouTube
アイスランドルーマニアと、スコア以上の強さを見せてはいます。
ただ、特定のポジションでの不安が残っていました。


それが スリーバックの真ん中、さらに重要なのがレフトバックセンターフォワード、と言えると思います。
そして負けます。相手は北マケドニア。有名なチームでもない。
https://www.youtube.com/watch?v=yOVSgzp4O9swww.youtube.com
2001年のイングランド戦以来の予選の敗戦。
(あれはミュンヘンオリンピアシュタディオンマイケル・オーウェンハットトリックされた)
失点に共通していたのが、スリーバックの中央にいた、アントニオ・リュディガーが外に出て行った際の他の選手の連携不足。
そもそもチェルシーでは真ん中をやっていないリュディガーが中でやって、統率がとれていない。
北マケドニア戦はGKがマルク・アンドレ・テア・シュテーゲンだったということを引いてもやっぱりバックラインが悪い)
更に1点目の失点は、左のウィングバックに入ったロビン・ゴーセンスのポジションがレオン・ゴレツカと被っているのが気になるマズさ。
代表チームという練習時間の少なさはあれど、そもそもドイツで多くサッカーをやっていない選手を呼んでいるのが気になってしまいます。
左利きで試合を構成するレフトバックが、ドイツ代表に呼ばれていない、という問題です。
よく考えたら、バイエルン・ミュンヘンはディヴィス、エルナンデス、アラバ。ライプツィヒはアンヘリーニョ、ヴォルフスブルクはオッタービオ、ドルトムントはゲレイロ、といったあたりドイツ人がパっと出てこない状態で、せめてチャンピオンズリーグで試合に出ていたレフトバックがたしかにゴーセンスだけだったのは確かで、kickerのアンケートでもドイツ人の希求する選手だったようですが、あれはアタランタのサッカーでなければ通用しないし、元々4バックのレフトバックで通用する選手から始まらないと上手くいかない。そしてドイツ代表の左からの攻撃がうまくいきませんでした。(アンヘリーニョ欠場によりクロスターマンは出たけれど左足からクロスが出せないのが問題)
レフトバックの人材難はベルギーでも見られる状況ですが、このポジションだけだったなら、まだ考える余地はありますが
もう1つ問題が出ているのが、センターフォワード
ブンデスリーガの得点ランキング。この試合までの20/21シーズンの順位(26節終了)を見ても

ロベルト・レヴァンドフスキ 35 ポーランド
アーリン・ハーランド 21 ノルウェー
アンドレ・シルバ 21 ポルトガル
ヴァウト・ヴェホースト 17 オランダ
アンドレイ・クラマリッチ 14 クロアチア

ドイツ人が出てくるのは11点で、ラース・シュティンドルになってしまいます。彼はトップ下のような選手であって生粋のセンターフォワードではない。

ミロスラフ・クローゼ、ケヴィン・クラニィ、シュテファン・キースリング、マリオ・ゴメス、以降でドイツから世界に比肩するセンターフォワードって言える選手がいない状態になってしまっています。北マケドニア戦の英語実況で一番印象に残っていた言葉は「ボールを前に出せない」(ゴール前に選手がいないから前に出す理由がない)で、これは一言で表すと「センターフォワードがいない」という結論に至ります。
グナブリー優秀な選手です。ヴェンゲルの本にも「すべてを備えた、将来を有望視」されたフォワードなんですけど、真ん中で勝負するタイプではない。敗れた試合、一番大事な場面でミスしたティモ・ヴェルナー、得点数は多かった選手ですが、9番をやったのはパトリック・シックもしくはユスフ・ポウルセンであり彼ではない。(この試合はヴェルナーが決めていたら、その時点で2-1で勝利できた状況)
代表監督の一番大事な役割は、「選手を選出すること」です。ヨアヒム・レーヴ監督は2018年の大失敗と言い、この作業での大きな問題を抱えている。そんな3試合の印象でした。特にレフトバック不足は心配ですね。

英語版が出た時から評判になっていた本なので買いました。

CLELがWOWOWになった今日この頃

いつも使っていたFootballTacticsがFlash終了により
使用できなくなったので、新サービスのTacticalistaを使うようにしたんですが
書きたい項目を書くのが大変です。
慣れるまで少々時間がかかる。

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LEILIV

CLが始まる前にレスター・シティー対リバプールだけは作りました。
この試合のポイントは、レッズの守備の崩壊を取り上げられることが多いですが
個人的には攻撃も歯車が狂っているような印象を受けます。
ボールは持っていたけれど、相手の守備者を背走させるような攻撃ができておらず
スピードのあるモハメド・サラーやマネが抜け出してシュートを撃つという形を多くできていませんでした。
(前半にサラーに1回だけ)
相手のゴールを脅かす意味では、失点する前からジェイミー・ヴァーディのヘディングシュート然り
フォクシーズ側に明確な意図のある攻撃ができており
結果としてはそれ相当というような試合です。
強いチームなら内容が悪くても勝って勝ち点を拾う、ということができるハズですがそこまでできない。
そんな試合でした。xGの値は端的に試合を物語っているようにも思います。


それにしてもマイアミゴールしてもxGの値ってそんなに高くないのね。0.59ですよ。PKよりも低い。
フィルミーノのオフサイドだけど、レフリーが流しちゃったから結果的にシュートおよびGKセーブがついたシーンは、0.67。
このスタッツとどう上手にお付き合いするのか、数字を見る側面の難しさを感じます。

How to score, Winning Formula サッカーブログにおける視点

さ、スーパーボウル終わってしまったので
サッカーをちょっと真面目に見るブログを再開しようと思います。
それにあたって、個人的に思うことおよび今回の中心軸とすることを記述します。


まず、日本のサッカー言論で見られるサッカーの分析は
プレーがどうだ、プレーヤーがどうだ 系統と
戦術で、こっちがあっちでこう動く 系統
が多い印象を受けていますが、
試合を分析する上で

何で試合に勝てたかを決めるのは
得点を相手よりも多く上げ、相手よりも失点を少なくする
ということに極論たどり着くわけで、そこを書かないのははっきりいって意味がない。
コレスポンデント的な文体になりうる可能性もありますが、とにかくゴールから試合を分析していきたく。
何が得点を生み出すのか、得点を生み出す構造はあるのか、得点を生み出すために何をしなければならないのか、etc
燃料ない車が、シャーシを変えようが、エンジンを変えようが、走らないのと同様に、分析は現実的にいかねばなりません。

加えて重要視する要素が、兵站です。

素人は「戦略」を語り、プロは「兵站」を語る

ちょっと前に出た本ですが、この言葉を見て思ったことは、如何なる戦術や戦略をあれこれ言っても
結局兵站、即ち戦力の要素を理解してこその実践になります。そういった土台の要素を考えないでああだこうだ書いたって正直響きません。
どんなに頑張ったって、赤ワインで白ワインのする味を作成することはできません。道を究めてできるのは極上の赤ワインです。
そういうスタートとゴールをわかっていないことはしたくないんです。


あと、試合分析以外に行いたいことは
フットボールの語彙を考察することです。
世の中には面白い本として、チョコレート用語辞典、ワイン用語辞典、など見やすく面白い本はありますが
このサッカーおよびフットボールにおいては、日本の中でも各人で意味が違う言葉、英語実況と日本語で意味が違う言葉、誰がこんなの使っているんだ用語、ちょっとこれおかしくない?って言葉、日本語としてよろしくない言葉、などなど見聞きするわけで、そういった部分の個人的な意見を書いていく中身にしていきたいです。


そんな感じで、2020-21シーズンの残り期間、プレミアリーグブンデスリーガチャンピオンズリーグを中心に、書いていければと。どうぞよろしく。
ちなみに表題の「How to Score」と「Winning Formula」は、それぞれサッカーの書籍としては優秀な本のタイトルです。