1 EUROレビュー

スウェーデン対オランダ 0−0 PK 5−4
アドフォカートの奇行がなければ楽に勝てたのではないかと思う試合。勿論、スウェーデンの組織的な守備は素晴らしかったのは確かである。ニルション、オストルンドが何度も相手のウィング、ロッベン、ファンデルメイデを抑えていたことは確かである。しかし、アドフォカートの采配は全くのミスであり、これこそここまでの結果に至った証拠である。以下検証。
1. 前半ロッベンとファンデルメイデは何度かポジションチェンジを試みる。
ロッベンは右サイドから強烈なシュートを放ったが、逆にファンデルメイデは左サイドから効果的な攻撃が出来なかった。後半この激しい動きがたたったのかロッベンの動きは非常に悪かった。逆に後半右サイドからの攻撃が多くなるのだがあまりこれも効果的でなかった。左と右ができる選手を期待するのなら、最初からファンデルメイデよりもオフェルマウスのほうが向いている気がする。
2. ダーヴィッツからハイディンガ(ハイティンハ、ヘイディンガ)への交代。61分
これが非常に不可解であった、すでに1枚アクシデントでフランク・デ・ブールをボウマ(バウマ)に交代させたあとにこの交代である。この交代が攻撃にも守備にもなにも効果的にならず、1枚大事な交代カードを失うことになる。もしこれがスナイデルだったとしよう、そうするとフランクデブールがいなくなったことでフィードを出す選手がいなくなった部分を補完することができる。もしボスフェルトだとしよう、そうすると中盤でのチェックをフレッシュな選手を入れることで強めることができ、攻撃につながることができたかもしれない。もし、ファンデルファールトだったなら、攻撃のアクセントを付けることができたかもしれない。もし、ロイ・マカーイだったなら、これは後述。 そしてハイティンガの役割だが、何か特筆すべき事があったかといえばNoである。ハイディンガを入れることでコクーのポジションを上げたわけだが、フィードが良いわけでないこの選手からでは攻撃が組み立てられない、守備に関してもセンターバックの連携が乱れだした。これでボランチも引いてしまい、攻撃に仕掛けるタイミングを失った。それからコクーはダーヴィッツ以上の攻撃ができたかといえば、全然だった。やはり攻撃に入れるなら別選手だった。
3. マカーイの投入のタイミング 87分
攻撃をしなければならないオランダはこのかなり遅い時間帯に、元ゴールデンブーツ(デポル時代)のマカーイを投入する。代えた相手はファンデルメイデである。これでマカーイは2トップでなく右のウィングとして機能させようとした。これは攻撃に意味のあることだったのだろうか?もしウィングを交代させるならば1番に頭に浮かぶのはオフェルマウスのはずである。そして後半にはセードルフの運動量が激減していて、攻撃が上手く回転していなかった。ここに入れることで、オランダの素晴らしいサイド攻撃とマカーイファンニステルローイの素晴らしいFWを併存させることができたのではないか。そしてこれが延長後半、攻撃に位置を上げたライツィハー(レイツィハー)とファンブロンクホルストよりも下の位置にいることがあった、結果的に彼は守備の選手でないのでファウルで相手を止めることになり、イエローカードを受けてしまった。後半の42分から確かにマカーイはシュートを撃って惜しい場面を作った。しかし遅すぎた。もっとチャンスを作ることのできる選手だから。

以上の検討から、私は後半20分あたりに、マカーイを入れる。ファンデルメイデを下ろす。得点が決まったらロッベンスナイデルかボスフェルトに代える。決まらなかったら、ファンデルファールトにする策を取った方が良かったと思う。
もしダーヴィッツの交代がアクシデントによるものだったとしても(かなり動きが良かったので)、ハイディンガに交代することは理解不能。まさにアドフォカートの奇行。

一方のスウェーデンはどうだったのかといえば、前述の通り、サイドバックがウィングに深い位置からクロスさせることを許さず、ショートパスが中盤を回るところをカットしてからの速攻、見事に機能していた。攻撃もイビラヒモビッチ、リュングベリ、スヴェンション、ラーション、カールストロームのシュートがあわやというシーンを作った、オランダの攻撃を停滞させていたことを考えるとゲームの大半はスウェーデンであった。しかし選手交代だが、3枚目を切らなかった、そろそろアルバックか、動きが延長になって格段に落ちたオストルンドを下げるものだと思ったが代えなかった。確かに、1点取られてからFWというのは分からないでもないが。ちょっとイブラヒモビッチは不調だったな。

ということで準決勝はポルトガル対オランダ。 PKについて何も書かないのは、ゲームとしたら7:3でスウェーデンが内容に於いて勝っているから。書く気が起きない。他の人のところで見てきたら分かると思うよ。イブラヒモビッチが上に外して、リュングベリの面白ゴールがあって、コクーがサイドバーに当てて、最後メルベリファン・デル・サールに止められて、ロッベンが決めたよ。