監督に関する本は色々面白いモノが多い。監督だった人間が書いた本で一番面白かったのは言うまでもなく

ミケルスの「勝つチーム」作り トータルフットボール&バルセロナの原点

ミケルスの「勝つチーム」作り トータルフットボール&バルセロナの原点

Teambuilding: The Road to Success

Teambuilding: The Road to Success

イングランドの監督業を考察するという点では
ジョゼ・モウリーニョ 勝者の解剖学

ジョゼ・モウリーニョ 勝者の解剖学

Mourinho: Anatomy Of A Winner

Mourinho: Anatomy Of A Winner

  • 作者: Patrick Barclay
  • 出版社/メーカー: Orion (an Imprint of The Orion Publishing Group Ltd )
  • 発売日: 2006/07/26
  • メディア: ペーパーバック
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は大変に使える部分が多く、しっかりとして日本語訳となり、続刊の
Mourinho: Further Anatomy of a Winner

Mourinho: Further Anatomy of a Winner

と合わせて、日本語訳の改訂版が出てくれることを切に願っている。

さて、有名なイングランド代表の監督の本と言えば

Capello: Portrait of a Winner

Capello: Portrait of a Winner

Capello: The Man Behind England's World Cup Dream

Capello: The Man Behind England's World Cup Dream

「英語を話せる」世界的イタリア人記者ガブリエル・マルコッティの書いた、ファビオ・カペッロについての本は日本語訳が早く出ないかと待っているわけだが、日本語で書かれた書物に限定すると
エリクソンの「脱・カリスマ」管理術 ― イングランド代表を再生させたマネジメント哲学

エリクソンの「脱・カリスマ」管理術 ― イングランド代表を再生させたマネジメント哲学

Leadership the Sven-Gran Eriksson Way: How to Turn Your Team Into Winners

Leadership the Sven-Gran Eriksson Way: How to Turn Your Team Into Winners

これはスウェーデン人監督について、スウェーデンの経営術という観点から見ているなかなか面白い本だった。
ホジソンが監督経験を開始したのが、スウェーデンのハルムスタッドであり、その後マルメでも大成功を収めている。スウェーデンとなると思い出してしまうのがこの本だった。
その後、ホジソンはスイスのヌーシャルテル・ザマックスを上位に押し上げた後、スイス代表監督になる。1994年、イングランド代表は、かの有名なノルウェーに破れ、クーマンフリーキックによってオランダに本戦出場を絶たれたわけだが、イングランド人監督は本戦で戦っていた。死の組(本当に死人が出た)と言われた、あのグループAを抜けた。
その後、インテル・ミラノでも監督経験がある。モラッティ会長が今でも好意的な意見を述べていたのを見たことがある。それくらいの実力者だ。
ブラックバーン・ローヴァーズは引き受けたタイミングが悪く降格した。ブラックバーンはプレミア初の優勝経験チームの降格となった。リバプールは優勝していないから、降格してもこの経験はできない。
デンマークFCコペンハーゲンで優勝した後に離れた決断を失敗だったと書かれていたのをどっかの記事で見た。忘れた。
まぁその後も色々あるので、端折って、フィンランド代表監督に2006年就任、欧州選手権予選では、首位通過のポーランドとは4差、ポルトガルとは3差のグループ4位。振り返るとアルメニアとの引き分けとアゼルバイジャンに負けてしまったことが痛手だったわけだから、その他はフィンランドの選手個々の実力から考えると、かなり頑張ったことと言える。

2007年のフラム監督就任。私も就任初戦で「これなら残留しそう」とこの日記に書いてあったりするわけだが、見事に最終節のポーツマス戦の勝利で残留。その前のアウェーでのマンチェスター・シティー戦、逆転勝利が非常に良かった。
その後の補強が的確だった。GKシュウォーツァーの補強は特に大きかった。守備面を中心とした補強でしっかりとした組織力のあるチームを完成させると、プレミアシップクラブ史上最高位の7位。
翌年はuefa杯で、ユベントスハンブルクを破るなどの快進撃で、決勝進出。特にあのクレイブン・コテージでのユヴェントス戦、大逆転の4点は今でも記憶に残っている。あのデンプシーのループ。あとカンナバーロのスピードの衰え。相手監督はアルベルト・ザッケローニだった。
で、次に来るのが「最大の挑戦」だった、リバプール。失敗の理由は簡単で7月1日から就任したけれどW杯後だったから選手が来るのが遅れ、自分の好む4-4-2が浸透できなかったからです。その前の人のスペイン流のフットボールになれていた選手が抵抗感を示していたのも目に見えてわかりました。あれはどんな英国人監督が就任していても失敗します。
彼の復帰は早かった。そのシーズンの2月に降格圏内にいたウェスト・ブロミッジ・アルビオンに就任。就任して12戦、5勝5分2敗、負けたのはチェルシーダービーマッチ、ウルヴス戦のみという結果を残してチーム史上最高位の11位でシーズンを終えている。
で、今季も中々上々のシーズンであるわけだが、ファビオ・カペッロ辞任後イングランド人監督候補として、ハリー・レドナップが取りざたされ、クラブチームとの間の違約金うんたらかんたら、騒がれていた中で、彼は当初から意欲を見せていたはずである。
かつて読んだ、

監督ザッケローニの本質

監督ザッケローニの本質

を思い出すまでもなく、自分の祖国の監督に就任することは栄誉だと思っている人もいるわけだから
他国で監督経験を積んでいて、あとは自国のみ、そして千載一遇のチャンスと考えたら、この就任悪いと思う方がおかしい。
ただ、メディアが非常にうるさい、ファンも非常にうるさい、イングランド。まず最初のコメントが「時間をくれ、チャンスをくれ」納得である。