マルセル・デュシャン「ローズ・セラヴィよ、なぜくしゃみをしない」1920/1964

まだ横浜美術館でやってますから皆様もデュシャンが見たいなら関東圏の人は見に行きましょう。ただデュシャンの有名な作品はフィラデルフィアに行かないとほとんど見られませんから。残念。本当にそれを体現してしまったのがこの作品のレプリカ。京都国立近代美術館からの出展だったのだが、「レディメイド」とだけ書いてあり、原料が書いてない。見て目から明らかにプラスチックである。
では原作はどうなのかというとイカの骨で作られた格子状の箱に角砂糖が入っているというまさに天と地が入れ替わってしまうような衝撃的作品なのであるが、プラスチックではイカの骨で作られる不確定さがなく箱に詰められた砂糖って感じだけである。
ついでにローズ・セラヴィ(マン・レイ)の写真とは違う場所にこの作品ですよ。どうかしてる。

マルセル・デュシャン「遺作」1966

この作品はデュシャンがレプリカを作ることを禁じた作品なのであるが、横浜では立体映像で再現されていた。私がこの作品をしった芸術のテキストにおいてはまだ著作権の関係上テキストにもなく、解説者のコメントだけが載っていた。今では本でも掲載されていることが多い。しかしこの作品だけはフィラデルフィアに於いて見なければ何もないと思う。ただただ。