日本サッカーMF論

日本サッカーMF論

タイトルには惹かれなかったのだが
書いている人間が、藤田俊哉杉山茂樹とある点で
どういう書き方でどういう内容かが気になって読み進めたわけだが
この本の驚愕な点は、論点があるはずなのに「二人の話がまるでかみ合っていない」のである。
つまり、元有名サッカー選手現コーチ修行の身である人間の見立て、見方、考え方、意見、というものが
フリーライター、戦術分析に長けている自負がある人間の見立て、見方、考え方、意見と
全く、論点、話の軸があっていない。同じフットボールという競技ですよ。


一番、興味深かった内容は、藤田が「システム論なんていらないでしょ?」と書いた内容に続く、杉山の文章「本当は、そんなのを書きたいワケじゃない、書きたいのは絵なんだ」という一文。唖然とします。
杉山信者の人の意見が一番聞きたい部分です。


以下は私の意見なんですが
杉山氏の著作、一番売れた本である

4‐2‐3‐1―サッカーを戦術から理解する (光文社新書)

4‐2‐3‐1―サッカーを戦術から理解する (光文社新書)

という本はデスね、全編「守備は相手選手より1名多いと有利」という観点で、あらゆる試合の「断片」的な場面を抜き出して書いている点、まとまっていて理解しやすくて、面白い本でした。
ただ、彼の「抜き出した」点は、戦術の全てじゃないんですよ。
ところが、爾来、戦術=システム、だけが走りすぎてしまっているんですね。
彼の「叫び」はわかりましたが、日本だけじゃないですかね、
4-2-3-1対3-4-1-2の対決の構図とか、書いて、横向きのフォーメーション図を戦い合わせているのは。
http://www.plus-blog.sportsnavi.com/account/encyclopector/images/encyclopector-362823.png
日本くらいです。
英語で読むサッカー雑誌や新聞社のサイトの(システムを強調した)戦術分析だと、ジョナサン・ウィルソンやマイケル・コックスなどの書き方は
http://www.plus-blog.sportsnavi.com/account/encyclopector/images/encyclopector-360980.jpg
こういう形で、選手を特徴も踏まえて、書かれていますし、何より選手配置で、噛み合うようになっています。