未練杯 タンパベイ・バッカニアーズGMとして

今年も未練・或爺杯が行われ、タンパベイ・バッカニアーズGMとして参加させていただきました。32位。開始から約4時間待って指名でした。長かったですね。
結果はこちら。
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 さて、指名に関しての予定では、タンパのドラフト前の接触を考えて、Greg Newsome(CB,Northwestern)とTeven Jenkins(OT, Oklahoma State)の2名を中心に待つ展開をしていました。これが本線。(理由はこの両名には、バックス首脳陣が接触をちゃんとしているから、ドラフト本番での指名の可能性も高い)
続いて、上記2名がいなくなった場合は、空いている選手で良い選手を取ろうBPA: Best Player Available と言われます)、という待ちの姿勢に徹することでした。この時、バッカニアーズのドラフトのニーズはどこなのか?スーパーボウルを含むプレーオフの4試合からレギュラーシーズンまで見た結果としては、コーナーバック(CB)エッジラッシャー(EDGE)だろうと判断しました。オフェンスラインは契約の期限を考えてもLTではなくIOLだという判断をしていました。Jenkinsは指名してもOGじゃないかしら?という気持ちでいました。

 ドラフト前に、ARIのGMから、Steve McLendonを欲しいという依頼が来ました。「あれ?誰だっけ?」という疑問符が来るくらい驚きました。Vita Veaが離脱中に取ったNTです。契約延長で1年残留しましたが35歳の年齢もあって、あまり戦力と思っていなかったので、5巡と答えたら、ドラフトの最中にトレードがまとまりました。未練杯恒例のコミッショナーを困らせるトレードだとは思いますが、3日分のドラフトならともかく1日分しかやらないんで、意味あったのか?DTに関しては、Ndamkong Suhも1年契約ですし、誰か指名をするでしょうが、個人的な印象としては1日目でも2日目でもなく3日目になる気がします。

 そして未練杯が開始しましたが、最初の方は「ふざけたトレードばかりしやがって、面白くない」状態でした。(モックドラフトはやはりコレクトピックすることのほうが重要な要素だと思います。今回のトレードはちょっとふざけてる)
序盤のトレードの影響もあって、上位から予想外の順番で指名が進み、WRの指名なんかは本当にプロスペクトランキングから外れていてがっかりするものです。ただリストを見ていくと、とにかくNewsomeとJenkinsが余っているのはともかく、EDGEが余り過ぎていて驚いていました。中盤の16位が終わった段階では、もしかしたらKwity Paye(DE, Michigan)が取れるのでは?とも思いましたし、実況解説の真琴(@MakotoK)、K猫(@kcatchalrotto)両氏の評価の高かったAlijah Vera-Tucker(OG, USC)も余っているので、誰が32位まで残るの?状態の待ちでした。ついでにTrey Lanceのトレードを持ち掛けられましたがQBを持ち掛けるならGaroppoloが欲しかったですね。
20位でNewsomeがWFTに指名されて消えます。早いような遅いような微妙な瞬間。CBが立て続けに消えていく中で消えました。
つまり私のモックドラフトの本番はここから始まるわけです。

 Jenkinsを本線で待ちますが、有力選手を見守る作業が始まります。しかも全然トレードの話が来ない。面白くない。
消えたのはPaye。安心できる指名ですから彼が消えるのは納得。21位のIND。ただ、まだ1名しか消えていません。もしかしたら32位の指名の段階でいろんな選手の中から好きに選べる楽しい状況があるのか?というイメージが出てきましたし、リストには個人的に指名したい選手が1名いました。
Najee Harris(RB, Alabama)、Travis Etienne(RB, Clemson)の両RBが消えたことで、余計な心配が消えました。RBまで天秤にかけるようでは頭が疲れる。指名選手が残る意味では助かりました。
Vera-Tuckerが25位のDETで消えます。実際のドラフトでここまで残るのか注目。一応の基準点としてはDavid DeCastroは1巡24位、Zack Martinが1巡16位。
エッジラッシャー、次に消えたのはGregory Rousseau(DE, Miami)でした。28位のNO。最近の評判だと1日目で指名されないんじゃないかとまで言わるほど。32位まで残ったらJenkinsか悩む選手が消えます。続いてJaelan Phillips(DE, Miami)が30位のBUF。良い選手ですが脳震盪や怪我の履歴が好きになれなかったのは確か。なるほどこういう順番で売れるのか、と見ていました。


 31位、なんと未練杯当日に実際にオーランド・ブラウンをトレードしたボルチモア・レイヴンズでした。
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28位のNO、29位のGB、30位のBUF、31位のBALまで、Jenkinsと接触していましたし、残ったTの中では、私が本線のTeven Jenkins(Oklahoma State)、Samuel Cosmi(Texas)、Liam Eichenburg(Notre Dame)だろう。この中で選ぶならJenkinsだろと思ったら、Azeez Ojulari(OLB, Georgia)が来ました。エッジで活躍する姿が見込めそうな選手です。


 32位まで待ち続け約4時間。本当に狙っていた選手、Teven Jenkinsが残りました。ただ、ドラフトの真っ最中に余っている選手で個人的に一番気になっている選手がずっと余っていたわけです。
というわけで指名に移ります。実況解説やチャットゾーンやら、色々と「誰を指名するのか?オフェンスか?コーナーバックか?」とか言われていましたが、迷いはありません。
Jayson Oweh DE Penn.St
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 あの体躯とスピードを含めた身体能力、エッジラッシャーのJason Pierre-Paul(彼の契約は2022年まで)の後釜を考える意味ではこれ以上ない素材。フリークですよ。彼は。
何故他のGMが見逃していたのか?実況解説の評価も辛かったですが、手持ちの評価記事等も良かったし、伸びしろを考える上で彼を指名しない手がありませんでした。BPAです。
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もし、残った選手が今回のRousseauなら?多分Jenkinsに行ったでしょう。ただ残った素材が全然違いました。これは指名せざるを得ないのです。32位に残らないであろう選手は指名しました。ヴァリューピックです。
今回の未練杯の個人的な評価は、Newsomeを指名できなかったマイナスはありますが、それを差し引きしても90点はあるのではないでしょうか。
問題はNCAAでも経験が少ないOwehが、私をがっかりさせないよう、NFLで精進していってくれることを願います。


とにかく、4時間ずっと板ガムを噛みっぱなしで、顎と歯が痛い。
そして、今年は、こんな本が日本で出版されました。快挙です。

そして本番のNFLドラフトも1日目だけではありますが、放送されます。
実際のドラフトが楽しみになってきました。今回のモックドラフトも参考程度に見て楽しんでもらえるとこれ幸い。