今日は昼からお暇を頂いたので、森美術館(六本木 森ビル53階)に行ってきました。MoMA展です。ニューヨークのMuseum of Modern Artなのですが、森美術館は「現代って何だろう?」というテーマだったのですが、簡単に結論を言うと、現代なのに現代芸術の中で一番大事な、マルセル・デュシャンの作品が1つも無かったことは非常に問題だと思います。マルセル・デュシャンの作品は確かにアメリカではフィラデルフィア美術館に沢山あるのですが、MoMAも所有していたはずなので無いワケがない。これは頂けません。それから現代芸術は見る人の理解を超える作品が多いので、もうすこし見る側に優しい説明をしたほうが良いのかも知れません。しかしスタッフが大勢の人を引き連れて説明している集団を見たけど、スタッフもわかっているのか、それを聞いた人がわかったかどうかも疑問。
それでは以下、私が感動した作品を書いていきます。1日じゃ書ききれないので何日か連続です。感動が長続きする作品は何であれ良い芸術です。

今回、森美術館に行った理由は、クラインの作品を見に行くためだったのですが、森美術館のHPからではクラインの何があるのかサッパリわかりません。行ったらこれがありました。私がクラインの作品の中で一番見たかった作品です。 簡単に言うとこの作品はキャンバス全てが青色です。ただそれだけです。しかし、その青色に魅力感じる人間にはとてつもなく引かれる世界なのです。私はこの絵の前に10分以上はいたと思いますが、それでもまだいたいなぁと思う世界でした。作品の場合は、額の向こう側に青色に染まってしまっている自分の姿がいて、これは作品に対峙しないと実現できないことだなと改めてこの作品の素晴らしさを知りました。

  • フェリックス・ゴンザレス=トレス(1957-1996) 「無題(USAトゥデイ)」1990

まず、この作品はどういうものかと言いますと、部屋の隅に大量の赤色、白色、青色の包み紙の飴が大量に積んであり、「一つずつお取りください」と書いてあります。そして「絶えず補充」と書いてあります。
この作品は、人に教えて貰ったことがあります。そしてその人の結論は「何でそれが芸術なの?」ということでした。簡単に言うとこれは今のアメリカはこんなようなものだということなんです。
ところが、私は、この作品をちょっと使って遊んでみました。それは私はこの中から飴を一つ取り出し、飴の包み紙を目の前のスタッフに出しました。そして大きな声で「はい、あげる」と言いました。その空間にいた人間であの作品を知っている人間はいなかったみたいです。そうすると、スタッフは唖然としています。私はニコッっと笑って立ち去りました。自分だけの優越、その作品に共感できる人間だけが受け取れる芸術の享受がそこにあるように感じました。その後、一通り見回った後、最初の位置に戻った私はまた帰る時にその飴のオブジェから飴を頂きました。今度はかなり腕を奥に伸ばしてみました。奥まで全部本当に飴でした。それを胸ポケットに入れると、スタッフはまた私が包み紙を出すモノだと思っていたみたいです。その後、出口の別のスタッフの目の前でニッコリ笑いながら、「ああ、そうだ、これあげる」と言いました。まずスタッフは理解をしていませんでした。ただどこの飴かは分かってました。「よろしいのですか?」と聞き返してきたので私は舌を出し、「2回通ったら2回貰っちゃうでしょ?」と舌の上の飴を見せ言いました。やはり何だか自分がそのスタッフを違う「時代」に置き去った感じがします。
これが「現代」なのかも知れません。

まずこの2作品を紹介してみました。明日は別の作品について自分の思うところを書いてみます。