昨日の森美術館の続き。
イヴ・クライン 「人体測定学 王女ヘレナ」1960
一連のIKBを使用した作品の中で、物議を醸し出したシリーズ。裸の女性にIKBを塗り、それを布に当てて、流動的な流れ、強さを表出させた作品。その為に形としての見える部分以上に、見えない力を感じてしまう作品。青という独特の力のある色、力を感じさせるオブジェ、表れた被造物、受け取る側がそれを感じないと何もない作品ですけどね。クラインはこの2作品しか無かったですが、クラインの作品自体、日本にそんなに無いので行って良かったなと思いました。
イヴ・タンギー(1900-1955) 「時の家具」1939
シュールレアリズムの画家、イヴ・タンギーの作品ですが、シュールレアリズムは何よりもリアリズム、現実的な画法によって現実を超えた世界を生み出すことが出来る、それは何よりも訴えるものは既成イメージを超えた新しい世界だと思います。この作品は、あるような無いような未来を感じさせる家具のようなモノが遠近法に従って散在していますが、何より決定的なのはその置かれている場所。まるで海岸のような場所。それは即ちもはや家具としてはあり得ない環境に置かれています。これでタイトルとイメージを乖離させ、強い印象を置かせている。素晴らしい作品だと思います。