• オマーン0−1日本 勝ったけど完勝じゃない。

どうにもこうにも、前線、中盤、守備とスペースが広すぎるのが気になる。もっとコンパクトなサッカーができないものか?今日の試合ではFWがそれを是正するために下がってみたり、中村俊輔が3トップの位置にまで上がったりするのだった。得点シーンを振り返ってもらいたい。あれはハーフラインあたりからのフリーキックのリスタートからアレックスに渡り、アレックスからパスを貰った中村俊輔はサイドラインだったことから中に高原直泰がいてマーカーを引きつけてファーサイドにいた鈴木隆行のヘディングだった。これ以外に得点シーンらしいものが無かったのである。逆に言えば、得点にしなければならないシーンが何度かあり、今回はそれについて言及していこうかと思う。

まず、それは前半21分のシーン。
アレックスが左をドリブルで駆け上がったところ、中央にいた中村俊輔にパスを出した。ペナルティーエリア前で中村がボールをキープした、さて、というところで肝心要のFW2人(がいなかったのである。仕方ないので中村は後ろにいた小野伸二にパス出して戻したのである。攻撃に際してのスピードの入れ方が明らかに悪い。そしてポジショニングの問題である。最終的には高原にスルーパスというシーンになったが、これは1回目のシーンで既に得点になる形態にしなければならない。
次ぎに後半9分のシーン。
カウンターのなりそうな場面。鈴木隆行がセンターサークルでボールを受けた。さてカウンターという場面で高原直泰はクロスに走ろうとして時間がかかる選択をした。普通なら縦に走らなければならないはずである。私はこのシーン、非常に許せない。選手個人の自由な選択に任せたのだと思うのだが、こういうときに機能的な動きをチーム及び選手に求めないジーコの監督としての脆さが出たのはこのシーンに尽きると思う。

今日の試合は、小野伸二中村俊輔による中央での展開がなかった気がした。単調な攻撃が目立ち、またロングボールによる展開も期待できないチームでありながら、選手のポジショニングに荒さが目立ち、3-5-2というシステムでありながらサイドラインを駆け上がるのがセンターバックの選手という非常に信じ難い場面を何度も見た。こういう場合、普通ならショートパスで繋いで展開を持ち込むことが正論だと思うのだが、冒頭通り、スペースが長すぎて逆にリスキーという状態。その為にサイド攻撃しか選択肢がない、しかもしっかり抉ることができないという自滅の展開に持ち込んでいる。その裏を突かれたらどうなるのか重々承知していながら、今回もサイドから危ないクロスを何本か撃たれた。前半に相手のFKから失点になりそうなシーンだった、マーカーをハズしているというアジアカップでの反省が何もない。そして川口能活宮本恒靖がポジションの確認を行わず、あわや失点という場面まで作った。失望だけが凝縮される。
オマーンが中東でどれくらいの実力なのか知らないが、既にサウジアラビアの最終予選進出が決まっている。他にもグループ1からヨルダンかイランが来るだろう。アジアカップで中東勢にはイラン、ヨルダン、バーレーンと危険に晒された。本当に次も対処できるのか不安が残る。
そしてグループ2からはイラクを破ってウズベキスタンが進出した。旧ソ連の国とはアジアカップで対戦することは無かった。ウズベキスタンアジアカップグループリーグ3戦3勝、全試合無失点というのは大きい。こういう相手にどのような戦いができるのかも、あまり予想が付かない。ハンガリー戦のようなことにもなりかねない。
我々は考えなければならない、最終的な命題である、本大会で活躍ができるのだろうか?という大きな疑問が残る。本大会出場がもくひょうであるならば今回の結果に60点以上を与えても良いだろう。しかし、違うのである。今回でも高い得点をつけることはできない。今回のオマーンがかなりショートパスでトラップミスをしていたから、日本が救われたと言うことである。一流クラブになるとまず違うのがトラップとボディバランスである。これを考えると日本代表のチェックの甘さから考えてもどんどん繋がれて何もできない展開という可能性は大いにある。それについて何も考えてないのだろうか?
私は、現段階で本戦での状況を想定して述べる。本戦で活躍ができそうにないチームは予選で落ちてもおかしくない。
32/100 世界基準
75/100 アジア基準w

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で、これからであるが、まずチームの方向性を明確にすることは当然の事ながら、

  1. FWのファーストチョイスは柳沢敦鈴木隆行でいこう
  2. 中盤に中田英寿はやはり欲しい
  3. ジーコにディテールに関しての(特に守備面での)アドバイザーが欲しい

攻撃のバリエーション以前に(まず3-5-2というのは攻撃のバリエーションにあまり期待できないフォーメーションだし)、もっと重要なインフラの整備が欲しい。そして中盤で色々とテンポを買えることが出来て、チームを鼓舞する選手として、中田はやはり存在が大きい。柳沢と鈴木については、今でもチュニジア戦の2トップの動きが一番良かったと思うから。確かにあのときは4-4-2だったので比較としては難しいところだが。
実は、負けた時を想定して、次の監督はこの人にして欲しいリストも作ったのだが残念だ。