一言で言えば、ジョゼ・モウリーニョレアル・マドリードのように、ペペがバルセロナの10番リオネル・メッシを潰す役割という戦略を採らなかったことが敗因。
このことと表裏一体にあるのが、メッシが中盤に下がればフリーになってボールを回すことが出来る、シュートを決めることもできたということ。
何故、勉強していない。解せぬ。
では、マンチェスター・ユナイテッドがやった作戦とは何かというと、シャビのマークを中心に中で潰す役割がキャリック。パークは中盤の左サイドから上がる役割を担いながら守備では運動量で勝負するという、インサイドハーフ2名の起用。ギグスも左だか中だかワカラン妙な配置で起用。相手の弱点が左サイドとみてバレンシアの縦の突破に賭けたんだと思われる。(ちなみに彼がスタッツ的には大ブレーキ)
前半の10分は、前回の対戦同様に、まずはユナイテッドが相手の出足を上手く止めて攻撃を仕掛けようかと言うところまでは行った。
それ以降は、バルサ側がボールを持って展開できるところまではいき、4-3-3のアタッカンチは誰がどういうマークをするのかの確認をするに充分の時間となる。ライトバックのファビオのマークの悪さからあわや失点となる場面となったのは16分のこと。
アレックス・ファーガソンがベンチサイドから降りてきて、与えた指示が「Spread」広がれか広げろ、か判断の難しいところだが、言わんとするところ、中盤の中でチャビ、イニエスタブスケッツの細かいボールの繋ぎを分断できなくて人が寄ったら長いパスで展開されるというイヤな展開だったのだが、その指示の数分後に失点。その前後当たりから、バルサフォワード3枚がポジションを入れ替えていて、パスを出された先のペドロにビディッチが行くかエヴラが行くかの判断ミスが見事に失点。想定していなかったの?
失点後7分で得点したけれど、上手に崩したと言うより、個人的にはバルサが気を抜いたと見る方が妥当だと思う。でも、ルーニーのシュート、流石だった。これは褒めたい。
後半以降、バルサの10番がデランテーロの位置から少し下がった位置でボールタッチ数が増えると、中盤で誰が潰すのか?という役割が明確でなかったことで自由がふんだんに与えられてこの有り様。何故?ファギーは早々に面子を入れ替えて対応しなかったのか?これが解せない。どうやったら10番が中盤に下がってきた時に対応できるのかの分析を怠ったとしか思えない。
確かに選手がいなかったといえばそれまでだ。ベンチにはいたものの、ダレン・フレッチャーは「出場絶望」と書かれていた選手だ。オーウェン・ハーグリーブスはそもそも絶望の選手だ。ただ、前半で既に相当の体力の消耗し、明らかに落ちていたパークを早々に交代しなかったのは采配のミスだ。
攻撃の枚数の不足も問題だと思うが、まず失点を未然に防ぐことをできなかったのは、どう考えても戦略のミスだと言わざるを得ない。
チェルシーレアル・マドリーインテルと優秀なチームは、本当に対応したのに比べ、この有様よ。情けない。