ダメすぎる本の紹介

怖いモノ見たさではありますが

という、凄まじいタイトルの本を読みました。
この本の著者、西内啓さんという人は

東京大学大学院医学系研究科医療コミュニケーション学分野助教、ダナファーバー/ハー バードがん研究センター客員研究員を経て、現在は国内外の社会を健康にするためのさまざまなプロジェクトにおいて調査および戦略立案をコンサルティングしている。
2011年からは、サッカーのデータ分析に関する研究を行っている。

という人だそうですが、1年かけた結果が、このザマだというほかない内容。


タイトル部分については
21勝7分6敗というガンバの成績
遠藤選手の勝利貢献オッズが1.42倍であるという計算らしきものの結果により

21÷(7+6)=1.62
1.62÷1.42=1.14(114%)

ということらしい。
1つの問題は、34試合全てに遠藤はフル出場していたか確証が持てない点。
もう一つは、ということで遠藤がいないガンバには18.1勝しかできない戦力だった、ということが説明できない点。
遠藤のスタッツからの計算だけで、飛躍した結論を出せている、この人の頭の中のファンタジーフットボールは凄いモノである。


そもそものお話だが、遠藤保仁選手のスタッツの評価についても
おかしな評価をしている部分があるわけで、例えばこの

パス回数 2位
パス成功数 3位
パス成功率 5位

という部分の評価。
パス回数の多い選手、上位10名のみで比べた場合に
パス成功率が上から何番目になるかをみないと
実は本当に優秀な割合の成功率なのかはわからない。
野球に例えようか、打数、安打、打率と言葉で置き換えてみよう。
野球の場合、評価する指標としては「打率」がこの3つの中では1番だよな?
こういう単純なスタッツの抜き出しについても
明らかに、自分の思いこみで書いている節があって
これは非常に使えない。


そして、この本が一番使えないと思ったのは
この計算結果から、
チームはどういうことを教訓に思って、実践すればよいのか?
ということがまるでわからないことなのである。

サッカーデータのギークサイトは
こういうおバカな論調の文章は書きませんし
書いても、相手にされません。


とりあえず、使える部分が1つもなかった。
データスタジアム社は、この本に対して、よくOKが出せたなと思う。