欧州予選も面白かったが、やっぱり真剣勝負は面白い。
とはいえ、アルヘンは若干真剣じゃなかったとも思えるが。
Fifaランキング
今回の試合に限ってはイングランドは勝つとfifaランキング8位に入れそう(2005年10月13日発表ではポルトガルと並んで9位)ということで、イングランドは是非とも勝ちたい試合だった。
というわけでその仕組みを今になって振り返る。
詳しいことはこれにあるんだが、(残念ながらfifaのサイトに日本語はない)
http://www.fifa.com/en/mens/statistics/rank/procedures/0,2540,3,00.html
簡単に言うと、強い相手に得点多く取って、失点しないならとても良い。試合数が多いとボーナス上げますよというところ。
イングランドは勝ったので無条件で19.6*0.99が与えられます。これに得失点で2.7が与えられということで大体20強加算されますね。
で、10月13日付けのランキングに戻ると大混戦という状態
アルゼンチン フランス メキシコ アメリカ スペイン イングランド ポルトガル トルコ イタリア スウェーデン 778 776 769 768 764 754 754 743 736 733
この上にまだ3ヶ国あるし、出場国のドイツはデンマークより下だけどシードと。なるほど勉強になった。
選手起用
- イングランド 4-4-2
GK:ポール・ロビンソン
DF:ルーク・ヤング、リオ・ファーディナンド、ジョン・テリー、ウェイン・ブリッジ(46ポール・コンチェスキー)
MF:デビッド・ベッカム、レドリー・キング、フランク・ランパード、スティーブン・ジェラード
FW:マイケル・オーウェン、ウェイン・ルーニー
58 レドリー・キング→ジョー・コール、 80 ルーク・ヤング→ピーター・クラウチ
- アルゼンチン 4-4-2
GK:ロベルト・アボンダンシエリ
DF:ハビエル・サネッティ、ロベルト・アジャラ、ワルテル・サムエル(74 ファブリチオ・コロッチーニ)、ファン・パブロ・ソリン
MF:マキシ・ロドリゲス、マルティン・デミチェリス、エステバン・カンビアッソ、ファン・ロマン・リケルメ
FW:エルナン・クレスポ(70 ハビエル・サビオラ)、カルロス・テベス(80 フリオ・リカルド・クルス)
イングランドはポーランド戦に引き続いて中盤の底にキングを起用。左サイドバックには久々にブリッジ。未だベッカムのいる右サイドと違って左サイドから崩す選手がいないため、左にルーニーが流れたり、ジェラードが向かったりという状況。後半に点が欲しくなってジョー・コールを入れてからジョー・コールが最後にオーウェンの決勝点を演出できたと。加えてアシュリー・コールがいるとアシュリーはポジションを上げてウイングバックの位置まで上がるが、今回起用の両名はそこまでできなかった。
キングに関しては相手中心選手である、リケルメを抑えることに関してはそれなりに機能したし、左に関しては対面のマキシがなかなか良かったので仕方ないといえば仕方ない。
アルゼンチンは両サイドが上がればデミチェリスが下がって3バックを形成する非常に流動的なシステム。特にソリンは終始上がっていた。そして攻撃の起点は高い位置にいるリケルメ。そして低い位置でカンビアッソ。選手起用に関しては中心となるクレスポ、リケルメを下げてしまったら何もできなくなってしまったし、カンビアッソが70分頃にボディプレスを受けて以降運動量も落ちてしまったのに代える選手がいなかったというかなり人選にクエスチョンマークの付けたい内容だった。
得点
- アルヘン1点目
テベスがポジションを下げボールをもらいに行くと右のマキシへパスを出す。中央にテベスもいたが走り込んだクレスポがゴール。
中盤の底の役目であるキングはリケルメに精一杯で、センターバックの二人はテベスを放したことは責められないね。外も中も見なければならないわけだし、突っ込んできたクレスポが勢いで決めたという感じ。ただ、もう少しバイタルエリアだったんだから中盤の誰かがプレスしても良かったのではないか。実際いなかった。
- アングレ1点目
得点欲しいと言うことで中盤はポジションを上げ、ベッカムがペナルティーエリアでサムエルと競り合い、こぼれたところをルーニーがゴール。アジャラが競り合う以前にルーニーをフリーにしようとオーウェンはアジャラを引きつけるし、ランパードがロブを選択したのも好判断。ただ、ベッカムをマークするべきソリンといえば、どこにいたのだろう?
- アルヘン2点目
リケルメが30m強のフリーキックで浮かせたパスにサムエルがヘディングでゴール。サムエルは一番右にいた。どうもオフサイドトラップのミスにも見えたわけだが、イングランドは色々と考えすぎていた。
- アングレ2点目、3点目
何とかして勝ちたい為、スヴェン・ゴラン・エリクソンはピーター・クローチを入れることを決断。前線は3人となった。
そういう状態で右のジェラードからのクロスに一番ファーにいたオーウェンはフリーで頭で合わせることができた。クラウチに2名もマーカーが行ってしまう。続いて後半ロスタイムにジョー・コールからのセンタリングをクラウチがサムエルを背で抱えているなか、オーウェンがヘディングでゴール。
新しく入ったクラウチをどう抑えようか四苦八苦しているところで2点も決められてしまったというところ。
- 感想
id:souno418:20051114#Fさんの書評はどちらかというとアルゼンチンよりなのだが、私はイングランドに期待しているのでそっちから。
相手がボールを持ってゆっくり攻める相手に対して、高い位置で奪うことがあまりできなかったのはちょっと不安。特にカンビアッソ、リケルメ、マキシ、ソリンにボールを与えすぎていた気がする。加えて中盤から上がってくる選手へのマークが甘い。リケルメやマキシに危ないシュートを撃たれるわ、カンビアッソにワンツーで抜かれそうになるわ、ソリンは毎度のように神出鬼没で現れるわ、これを対処するにはやっぱり中盤でボールを自由に動かして自分のペースにするほうが良いだろう。
もう一つは左からの有効な攻撃が少なかったこと。前半のルーニーのポストにあたるシュートを演出したジェラードのステキセンタリングだけじゃなかっただろうか、アシュリーがいたら変わったかもしれないが。
アルゼンチンは全体的に良かったと思うが、これ以上を望むなら、まず消えることの多かったテベスと、カンビアッソに交代がなかったこと、そして一番大きいのはリケルメがダメだったらどうするんですか?この戦術。前回のコンフェデの決勝で露呈した大問題なんですが。カンビアッソに代えてルチョを出した方が面白くなったのだが、残念ながら。