「7番のいない夏」

審判と選手達が給水タイムをしているときに、ちゃっかりフェリペ王太子夫妻も何かやってて面白かったですな。
しかし、山本昌邦の解説は非常に不愉快になる解説だな。NHKも人選を誤っている。この試合の解説はブンデスリーガを象徴する人間、鈴木良平もしくは奥寺康彦に頼まなきゃ。三浦泰年ってのもなぁ、いかんよなぁ。

(主審 マッシモ・ブザッカ スイス)
拮抗する試合と思っていたが、シャビのコーナーキックからアロンソダビド・ビジャのFKおよびPKのセットプレー3発(コーナーキックを得たマルコス・センナのミドルシュートは最高だった、弾かれたけど。)で相手に差を付けてしまったが、やっている試合の内容では中盤での支配力、ラテラルの積極的な上がりが非常に素晴らしいのは目に付いた。ただ前線まで良いボールが繋がったのは相手が10人になってからというのはスペインの課題かな。巧妙なワンタッチプレーは良いが、最後にシュートまで繋がったのはルイス・ガルシーアが抜け出してシュートを撃った場面くらいだった記憶。しかし、全体的にまとまっている印象。オフサイドトラップはちょっと不安なんだけど、前半のアンドレイ・ヴォロニンのシュートなんか特に。相手の攻撃の拙さと、アンドリー・シェフチェンコのデキの悪さに助けられた印象も捨てきれない。
しかし、何で、ルイス・アラゴネスは突然ガルシーアのトップ下、2トップをやるんだろうねぇ。奇行監督だ。それに交代もラウールを前線じゃなくてトップ下に入れてガルシーアがトップというワケワカラン。結局、個人の勝手でポジション交代してじゃねぇか。そしてラウルの3つの良い場面と。まぁ全盛期のラウルならトーレスからのスルーパス、決めてたんだろうなぁ。まだ本調子ではない。

(主審 マーク・シールド オーストラリア)
適当に見ておけば良いと思った試合だが、逆転ゴールは素晴らしかったね。サミ・アル・ジャバーですよ。ゴールしたのは。この試合を真剣に解説してくれている関塚隆が感嘆の声を挙げたくらいの良いゴール。
ロスタイムにジャイディキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!、ボルトンですな。
というわけで引き分け。前の試合に完敗したウクライナには嬉しい結果と。

(主審 ルイス・メディナ・カンタレーホ スペイン)
オリヴァー・ノイヴィル大帝のゴールで救われたモノの、何とも残念な試合だった。ティム・ボロウスキーに代わって先発出場したバイエルン・ミュンヘンミヒャエル・バラックがトップ下のポジションとしては下がりすぎて攻撃に厚みをもたらすことができない。それを是正するためにツートップ、ミロスラフ・クローゼルーカス・ポドルスキーが前線に張るという形、それから中へ切れ込んでシュートを撃つことが特徴的なバスティアン・シュヴァインシュタイガーが機能しないという、バラック悪循環。
後半に相手のラドスラフ・ソボレフスキーの退場と、イレヌウス・イェレンが動けなくなったところを突いて怒濤の攻撃だったが、フィリップ・ラームは個人技に走りすぎ、フォローのなかったボロウスキーも球を出せないと何じゃそりゃ。左からクロスを入れるのなら左足のクロスという点でボロウスキーよりもマルセル・ヤンゼンの方が良かったと思う。ボロウスキーも左に張っていては特徴を出せません。一度、ボロウスキーが右まで流れたシーン(ノイヴィル大帝のシュートはボルツに止められた)があったが、あれくらい自由度が欲しい。
得点シーンは左ではなく右。交代出場したダヴィド・オドンコールの電撃的なスピードを生かす、ベルント・シュナイダーの巧いロブパス、そして見事な位置に走り込んだノイヴィル大帝、結果は助かったが、何とも空回りな試合。
ああいうときに、メーメット・ショルがいたならば中盤、チームとも助かっただろうに。7番のいない夏。4年前、ノイヴィルは背番号7を着けてパラグアイ戦、後半の終了間際だった、マルコ・ボーデのクロスを見事に決めてチームを助けるゴールを決めた、あれ以来の感動ですな。