プレミアシップのロンドンの青いところと赤いところの対決は、予想以上にヒドかった。
試合の得点経過を簡単に行ってしまえば、昔からチェルシーを見ている人間としたら
前半終了間際のジョン・テリーコーナーキックからのゴールが決まった段階で、試合が終了するものだと思いました。それが2-1から、一時は逆転され、追いついたものの、さらに点を喰らって負けるなんて考えられない。どういうチーム作りをしているんだと、優勝できるチームとは思えない。
今季からの新監督、アンドレ・ヴィラス・ボアスの才能は、守備の構築という点だけでなく、全ての管理において、ジョゼ・モウリーニョフース・ヒディンクカルロ・アンチェロッティより下なのはより確実になったといえる。
さて、以下は細かい試合の分析をば

マッチレポートの類というものは、試合後1時間以内、本国イングランドのメディアが書き終えてしまうので、そういうことを書かず、とにかく気になるシーンをピック。

    • とにかく素晴らしいロビン・ヴァン・ペルシー1点目

アーセン・ヴェンゲルアーセナルは、敗れたけれどトットナム・ホットスパー(スパーズ)戦から行っている攻撃の戦術が見事に結実した、同点のロビン・ファン・ペルシーの同点弾、あれは素晴らしい。
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まぁ毎度、常々、ファン・ペルシーはワントップ向きのアタッカーじゃない、元々ウィングだった選手だ、という点をどう補うかというのは、監督の手腕の見せ所ということに対しての、ヴェンゲルの回答というのが、このようにツートップに一人が対応しないようにすること。
スリートップのウィングが相手フルバックと対置しないか、中盤から一人があがってツートップになるということをシステムにプロットしてあるのである。そして見事にオートマティズムで惜しいシーンを演出するというのは流石である。(別に新しいわけじゃない、これをやった最高の結果といえるのがバルサ相手にスナイデルが決めたゴールの方が新しいんだ)
そんな基本線がある上で、今回のこの同点ゴールは応用編と言って過言ではない
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全てが素晴らしい。このRvPがわざとマッチアップを変えること、ジェルヴィーニョが中に入ってくる絶妙なタイミング、ジョン・テリーオフサイドをかけそこない、フリーでジェルビーニョにパスが渡った時点でもう感動モノ。こういう見事なチームの動きで崩すゴールはそうそうお目にかかれない。

    • その後の失点を、一言コメント

2失点目は、ボシングワのポジションが明らかにおかしい(ジェルヴィーニョに食いつけという指示だったのかと思うと尚更可哀想)。そしてフルバックのマークをどうするかという検討をした痕跡が見られない。
3失点目は、今季のAvB下で顕著な、バックスの不注意がもたらした失点。(今季のブルーズはセットプレーでの失点が明らかに多すぎるなど、統制の無さ目立つ)
4失点目、選手交代、システム変更(英語の解説だと、ブラジル流の4-2-2-2だとか言ってた)故の機能不全、ボールを出すところがわからないままやらかした病理。テリーのスリップは悪夢だけど、スリップしていなくてもプレッシャー喰らうよね。あれじゃ。
5失点目、カウンターからのRvP、シュートが良かったけれど、全盛期のペトル・チェフなら止めていたとも思えるので、残念。まぁこのチームは現在アトレチコにチボー・クルトワという選手を修行に出しているので、そろそろかなとも思わせる失点。こんなにあっさりカウンター喰らう場面は珍しい、記憶に新しいのは一人退場で後半最後に失点喰らったウィガン戦だから、これもAvBの問題だと私は思っている。