NFLドラフトは続きます。
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その他
1日目の指名を時系列的に見ていくと書くチームの思惑がわかって面白いですね。
前回の記事に続いて今回は1巡16位から見ていきましょう。

CB 16位ARI:Zaven Collins CBの上2つが売り切れた被害者の1つ。デプスを厚くするポジションが多く、高評価の位置にいたから指名とは言うものの、Patrick Petersonの穴は大きいよね。 EDGEよりも先にCollinsが売れたのは少々意外。
その他 17位LVR:Alex Letherwood RTが欲しかったんだから相応のピック。OLの中では足が速いのを選ぶ。
EDGE 18位MIA:Jaelan Phillips RBよりも重要度が高かったらしい。
その他 19位WFT:Jamin Davis DLが強い裏でLBというなんという的確ピック。


そんなことより速いぞ!40yds最速!

NYG 20位NYG:Kadarius Toney は?! 彼を評価するのは3日目までの全指名を見てからにしたい。

EDGE 21位:IND LTのCastonzo引退により、LTかEDGEかという選択。彼が残っていたから指名は悪くはない。
CB 22位TEN;Caleb Farley ここなんだぁ。という印象。
その他 23位MIN:Christian Darrisaw 欲しかった選手をトレードダウン後無事回収。指名権(3巡66位、86位)が増えたと考えると結構お得。24位PIT:Najee Harris ちっ。25位JAX: Travis Etienne 今年のドラフトの流行りなのか、QBと同じ出身大学の選手を用意する組み合わせ。
CB 26位CLE:Greg Newsome II 彼が残っていたから取ってしまった感じのピック。Troy HillをFA、Greedy Williamsが復帰、と考えたら少し考えモノ。でも取ったのだから仕方ない。
その他 27位BAL:Rashod Bateman WR1として、Lamar Jacksonを助ける選手として指名。うーむ。え?Toneyかどっちかだったって?
EDGE 28位NO:Payton Turner CB取れなかった上に、ここなのか。
CB 29位GB: Eric Stokes 速いデカい、ニーズは合ってる。でも、Aaron Rodgersが「戻りたくない」って言ってますけど。
EDGE 30位BUF:Gregory Rousseau 昨年のEpenesaに続く上位指名。まずはローテーションから。KC相手に仕留めきれなかった点の補強。
EDGE 31位BAL:Jayson Oweh 身体能力フリーク大好きですよね。自分たちのDEFにパーフェクトフィットだということで育てましょう。ちなみに指名後ご本人からの要望によりOdafe Owehというお名前になりました。
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EDGE 32位:Joe Tryon 色々とやるDEFには適任な人かもしれない。JPPやBurrettのポジションはデプスを厚くする必要がある。多分他の選手を狙っていたんだろうけれどこうなった。字面を見る限りPhillipsが欲しかったんだろうけれど、アップしなかった。


いやぁ、もしかしたら未練杯で自分が指名したOwehがBuccaneersに行く可能性もありましたね。とりあえず興味深かったのは1巡ではCBの取り合いの様相。特に前日からトレードアップしてでも取ろうとしていたSaintsが失敗してしまったのは興味深いし、直後のPackersはCBの5番手を指名というのも面白い。QBのRodgersがどうなるかは別として。(WR取ってあげろよ、というお話はアナリスト筆頭に多くの人が思っていること)
売れ残りが多かった印象なのは、OT。Teven Jenkins筆頭にまぁまぁの売れ残り。DTの指名が1人もなかったのは不作と言うにふさわしい。
あとは、NYGですか。3日間でどういう指名ができるんだ。

ドラフト1日目が終わりました。

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現実のドラフトは魑魅魍魎の世界です。いやぁ予想外のことが多かったですね。
やっぱり面白い。

全体のことは3日目が終わってから書くと言うことにして1日目の大事な部分を時系列順に言うと
QB ドラフト開始前に、Aaron Rodgersのトレード話が出てくる。しかも3位のSF。
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実際には、3位で指名はTrey Lance。
その他 4位ATL:Kyle PItts, 5位CIN:Ja'Marr Chase, 6位MIA:Jaylen Waddle, 7位DET:Penei Sewell 大喜びしていたDET首脳陣が印象的でした。
CB NOがCBを欲しくてトレードアップするというお話が出てきていたものの成就せず。
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8位CAR:Jaycee Horn, 9位DEN:Patrick Surtain II
というわけで、NOの欲しかった選手は10位以内で消えます。CARは同地区の大型レシーバーと対峙するにはHornが最適と考え、DENはSurtainが残っていたことで指名を決断。
で、困ったのがCBに不安のあった10位のDAL。トレードダウンで同地区のPHI。
DALとしては、PHIにトレードしようが、PHIの次のNYGが、WRのDeVonta Smith を指名するだろう。という考えからヴァリューチャート的にはDALに有利にトレード。
談合ですね。


QB 4人目の指名。11位、NYGからCHIにトレードの上、Justin Fieldsでした。
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ベアーズが色々とトレード話をしているなかで、まとまったのがNYG。
1巡11位に対して、1巡20位+5巡164位+22年1巡+22年4巡、とNYGに結構お得なトレードヴァリューではあります。向こうが欲しかったんだから仕方ない。
しかしNYGファンの私としては正直、Micah Parsons を指名するチャンスを逃したというのが正直な本音。
12位のDALがParsonsを指名。Sean Leeの引退を、同じPenn St出身のLBが埋める。ドラフト前のやりかねないと思うシナリオをやられる。(昨年の4巡C Tyler Biadaszと似てる)

その他 13位LAC:Rashawn Slater 順当 14位NYJ:Alijah Vera-Tucker ジェッツがトレードアップを仕掛けて成立。Zac Martinよりも高い順位になった。Mekhi Bectonと左サイドを組むと思うと結構脅威。MINは欲しい選手がまだ大丈夫だと判断したそうだけど、何故上がった。

QB NEがトレードすることなく、Mac Jonesを指名。
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前半のヤマは、ここで終わる。Patriotsは、色々と準備していたそうだが、何もすることなく欲しかった素材が入ってくる。何か悪の帝国の力を感じざるを得ない。
Jonesとしては、彼のスタイルに最も向いているチームに指名されたことは確かです。Bill Belichick、Josh McDaniels、のスキームと化学反応を起こせばってところですが、私はCam Newtonの昨季はあのレシーバー陣でよく頑張ったと思うし、まだまだできると思っているから、1年寝かせるのか?って思うし15位という08年以来のプレーオフを逃したシーズンだからこそできたことなのかもしれない。(ちなみに09年のドラフトは1巡をトレードダウンしている)


1日目の前半だけでどうしてこんなに書きたいことが多いんだ。

いよいよ、明日ですね。NFLドラフト。
今年は日本でもこのような本が出るほど、興味深い大会です。


今回のドラフトで注目の部分。
まず第1はQB(QuaterBack)です。
ドラフト本番前日になって、1巡指名でQBの可能性もあるCARから、これまた可能性も考えられたDENにTeddy Bridgewaterトレード。
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以前に、CARはNYJからSam Darnoldをトレードで獲得しています。
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1巡1位JAXにTrevor Lawrence、2位NYJにZach Wilsonは既定路線ですが、問題は3位指名。
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未だにSFが誰を指名するのかわからない。ドラフトの本番はここから。
続く4位ATLはQBを指名するのか?という問題を抱え、DENとCARはQBに不安材料があるチーム。
そして15位のNE。Cam Newtonは残留しましたが、やはりQBを代えていく方向に持っていくのか?それは1巡指名で行うのか?というお話。
32位のTBも、Tom Bradyは残りましたし、控えQBのRyan Griffinも再契約しましたが、QB育成システムを強調したりしていて若手の追加の可能性はめっぽう高い。ただ1巡か否かというお話。


第2は、LBのMicah Parsons(Penn.ST)です。
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個人的な意見ですが、守備の要はLBであると思っています。優秀なエッジラッシャー、DBがいたとしても、やはり強固な守備を築くにはLBに優秀な選手が必要。
そんな問題を解決できる可能性がある存在として彼はいます。昨季のNCAAはオプトアウトで休んでいたり、ちょっと素行面の事件をやっている過去はあるけれど。
Blake Martinezに加え、Reggie Raglandが1年契約で入りましたが、それでもNYGにも欲しい。そんな存在。
Sean Leeが引退した直前の1巡10位DAL。(奇しくもLeeはPenn.St出身)
1巡7位DET、9位DENとLBに不安のあるチームもあり、NYGが指名する前に指名される可能性もありますが、本当にどうなるのか。
1巡15位のNEも、Dont'a Hightower がオプトアウトから復帰しますが、ILBの層の薄さは否めない。
どこが、どの順位で指名するのか、注目したい存在です。

選手で言ったら、Kyle Pitts(TE,Florida)、Penei Sewell(OT,Oregon)はどこに行くのか、CBは誰がどの順位でとか、以前に書いた内容と重複しそうなので省略。


チーム別に考えてみると
今年未練杯でGMを担当したTB。いろいろと試合を見なおして考えた結果、TBがスーパーボウル制覇できた理由の1つはレギュラーシーズンで相手に恵まれたためにプレーオフ進出ができたこと。

W1 L 23–34 atNO .750
W2 W 31–17 vsCAR .313
W3 W 28–10 atDEN .313
W4 W 38–31 vsLAC .438
W5 L 19–20 atCHI .500
W6 W 38–10 vsGB .813
W7 W 45–20 atLVR .375
W8 W 25–23 atNYG .375
W9 L 3–38 vsNO .750
W10 W 46–23 atCAR .313
W11 L 24–27 vsLAR .625
W12 L 24–27 vsKC .875
W14 W 26–14 vsMIN .438
W15 W 31–27 atATL .250
W16 W 47–7 atDET .313
W17 W 44–27 vsATL .250

世界王者になったチームのスターター22人を残留させることには成功しましたが、強いのか?といわれると首肯しかねます。
だからこその補強ポイントの多さであり、各社各記者がドラフト予想がバラバラになるわけです。1巡から7巡までの指名権を8つ(7巡が2つある)持っていますが、EDGE、CB、OL、RB、DL、QB、LB、S、WR、TE、いろんな意見を混ぜてしまうと全ポジションが問題になります。


毎度お馴染みNYG
Saquon Barkleyと5年目のオプションを行使することになりました。
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これは良かったですが、控えRBのWayne Gallmanは移籍。Barkleyのケガさえなければって思うシーズンにならないことを祈りたい今季。
昨季の問題としてはOLの弱さ。コーチのColomboをシーズン途中に解雇しましたが、どうして彼の人選だったのかは本当に問題でした。
選手の面子で考えるなら、昨季の1巡Andrew Thomasは今季こその活躍を願いたい、Kevin Zeitlerの移籍のRGの穴を誰が埋めるのか(Zach FultonがHOUから来ましたが)、Cameron Flemmingと契約ができていないので、RTのポジションは空いている。大型契約のNate Solder(昨季はオプトアウト)が活躍をしてくれるのか?といったり、OLが弱くてはBarkley、QBのDaniel Jones、と優秀なスキルポジションがいても活躍が限られてしまいます。
また、オフシーズンの話としては、Dalvin TomlinsonがMINへ移籍。Leonard Williamsを残すことはできましたが、彼は止められず。DTの補強は必須。開幕戦の頃の残念なパス守備は相手QBを仕留めきれないラッシュの弱さ。これは改善しておきたい。
兎にも角にも、2011年以来、NFC東地区の地区優勝がないのはそろそろ断ち切りたい。昨季はW17最後の最後、SNFでPHIが残念なことをしてくれたおかげで地区優勝を逃しましたが、今季は他力本願でなく実力でしっかりと優勝したい。


やっぱり気になるNE
Cam Newtonと1年契約で再契約したペイトリオッツ。昨季は、あのWRとTEの面子で、よくもまぁ7勝もできたな。という印象があります。Newtonのパスを投げる際のレシーバーを探す感じなど、信用できる選手の少なさ、選択肢の少なさ、これはQBだけの問題ではない。だからこそよくも7つも勝ったもんだと思います。
そんな反動か、WRではNelson Agholor、Kendrick Bourne。TEでは、Hunter Henry、Jonnu Smithときっちり補強。問題だと思っていたんだな。(そんなことより2019年のドラフトでN'Keal Harryなんぞ指名せずにIrv Smithを指名していれば・・・)
加えて、Stephon Gillmoreがトレードされるのでは?と言わるようなネタが上がってきているのが現実。5年契約の最終年であり年齢は30。ビジネスの世界である。対岸のJ.C.Jacksonは2巡テンダーで再契約。こっちを残すのも必死。ということで補強のポジションとしてはCBは大事。Jalen Millsは取ったものの、彼は昨季PHIでSにされていたりする。シャットダウンコーナーを用意する必要があります。
1巡でQBを取るよりもCBを取る方が現実的だし、NEの過去の指名を踏襲するとまずフロント7を指名しそうな印象。1巡15位、2巡46位、3巡96位までの2日目だったらトレードで指名権を増やすことをしそうだし、私なら検討する。トレードダウンからのZaven Collins(LB,Tulsa)なんか理想的シナリオ。
あと、ドラフト前調査で足が速い系のWRとの接触が多いのは気になりますね。


研究しやすいIND
Andrew Luck引退後、Phillip RiversをQBに据えるもプレーオフでBUFに敗戦。Riversに加えてLTのCastonzoも引退。QBは元PHIのCarson Wentzが加入。
ドラフトは順当に考えるならLTの後釜が必要だと判断。誰が残るのか、さすがにSewellは取れる位置ではない。1巡21位。Notre Dameが大好きなこのチームの首脳陣と揶揄されていたりするけれどはてさて。最近ではTexasのSam Cosmiという話も出ているが、彼が1巡かどうかが疑わしい。むしろ、Mel Kiper Jr.のように2巡でCosmiと思いたい。
DEのDenico Autryが抜けた分、DLの補強はしておきたい。1巡21位と2巡54位しか上位指名権がない状態では堅実に行くのが妥当なような。Kwity Payeが21位に残っていたら、最上のシナリオ。そんな気がする。

2021年の未練・或爺杯(通称「未練杯」)も無事に終わりました。
兎にも角にもビックリしたのは、開始前に発生したこのトレードでした。

スーパーボウルに敗れたKCは、LTのEric Fisher、RTのMitchell Schwartzの両名を放出しましたからね。
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OTの補強は必須でしたが、この未練杯当日のタイミング。面白かったですね。


今回で3度目、自分の過去の未練杯でのトレードを調査。
2018年 JAX

1巡32位 Jaire Alexander CB Louisville

https://encyclopector.hatenadiary.org/entry/20180424/p1
 近年の自分の指名の中で最も成功した指名であり、現実のJAXの低迷ぶりに頭を抱えたくなるモックドラフト。
元々は1巡29位だったところを、相手のトレード要求に応じて1巡32位へトレードダウン。しかもドラフトニーズのMLBを埋めた上でのAlexander。実際のドラフトでは、1巡18位でGBに指名された彼は1年目から大活躍。3年目の20シーズンにはプロボウラーおよびオールプロにも選ばれ名実ともにNFLを代表する選手になりました。32位まで耐えた上に、よく頑張った。前年のRamczykコレクトピック未遂の未練を少しは晴らせたというところ。
加えて言うと、このドラフトで用意していた選手の、D. J. Chark(WR,LSU)が2巡61位でJAXに指名され2年目の19シーズンにプロボウラーになりました。これは驚きとともに嬉しかったです。
但し、現実のJAXのドラフトは1巡でTaven Bryan(DT,Florida)とハズレを引いた印象。そのほかLBの弱さが目立ち、勝てなくなりました。ダメですね。未練杯トレードでもらったMychael Kendricsはその後チームにトレード要求して移籍するも、今度はインサイダーで引っかかりCLEがリリース。19シーズンのSEAでは活躍していたもののACLを負傷して放出となりました。評価が難しい。


2019年 IND

1巡26位 Dexter Lawrence DT Clemson

https://encyclopector.hatenadiary.org/entry/2019/04/21/225903
 1巡26位を持ったうえで、NYJからトレードされていた2巡34位を使ってトレードアップを狙いながら失敗したのがこの年。
ディフェンスの補強と言うことで、BPAでLawrenceを指名しました。現実には1巡17位でNYGで3-4のDEで活躍しています。この年のINDはトレードダウンするだろうという予想が多く、実際に26位の指名権は2巡46位+2020年2巡指名権でトレードしました。他の候補が、1巡28位でLACに指名されたJerry Tillery(DT,Notre Dame)、1巡27位でLVRに指名されたJohnathan Abram(S,Mississippi State)と、1巡を外さない目利きとしては良かったかなと。
 まぁチーム編成で言えば、このあとAndrew Luckが引退してしまい、色々と計算が狂ったんだろうなぁと。首脳陣の苦悩は心中察するに余りある。


2020年 SF

1巡15位 Jedrick Wills OL Alabama

https://encyclopector.hatenadiary.org/entry/2020/04/19/111203
 1巡指名権が13位(INDとDeForest Bucknerをトレード)と31位という2枚待ちながら、7巡までの指名権の数がとても少ない。そんな厳しい状況に立ち向かったドラフト。
勿論、行うこととしたら、トレードダウン。1巡13位 → 1巡15位+3巡77位。実際のドラフトでも1巡13位+7巡245位 → 1巡14位+4巡117位でトレードと。トレードダウンを当てる。予想が当たったのを見た時は笑ってしまいました。但し指名されたのはJavon Kinlaw(DT,South Carolina)で、OLではありませんでした。WRのJerry Jeudy(Alabama 1巡15位DEN)、CeeDee Lamb (Oklahoma 1巡17位DAL)の素晴らしい素材を見逃したことも解せない状況でした。
ちなみに、この指名したWIllisは実際のドラフトでは1巡10位でCLEへ。LTとして活躍し2002年以来のプレーオフ進出および1994年以来のプレーオフ勝利に貢献した一人です。PFWAのオールルーキーにも選出されました。
 その後、1巡31位+4巡117位(TBから貰ったばかり)+5巡176位 を対価に1巡25位でBrandon Aiyuk(WR,Arizona State)という指名をしています。ただでさえ指名権が少ない中でこのトレードアップで、このAiyuk指名は驚きました。ウィングスパンやスピード、そして色々なプレーで使えるという意味では欲しかった素材なのかもしれませんが、31位で待てなかったのか。(22位のJustin Jefferson以後、2巡33位のTee Higginsまでの間、WRはAiyukのみ)
 更に、ドラフト3日目に、4巡156位+21年3巡 を対価にWFTのLT Trent Williams。NFLを代表する素晴らしいLTが来ることがわかっていたなら、モックドラフトでOTを指名することに神経を立てなかっただろと、ガッカリしました。無念。Williamsは、翌21年に6年$138.06 millionで契約をし、NFL最高給のOLになりました。
 ただ、怪我人続出のSFは、20シーズンは6勝10敗の地区最下位。そして21年のNFLドラフトでも、指名権ドラフトで大きな動きをしていて、ドラフトのお祭り的な要素としては面白いですが、こんなギャンブルばっかりしているジョン・リンチGM以下首脳陣の考えは、ちょっと考えが合いませんねぇ。
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3位で誰を指名するか、という点もありますが、Jimmy Garoppoloをどうするのか、という問題まで残してしまっていて、チームを正しい方向に導いているのでしょうか?正直、理解に苦しみます。


というわけで、自分の過去の未練杯での指名を振り返ってみました。10回の参加で6回もトレードしてますね。(度を越えた指名は1度)
GMになったからには、トレードして見たい。って思うのかと問われると、個人的にはNo.
僕は狙った選手を見事に的中指名したい。そんな気持ちの方が強いです。
ただ、トレードするのは足が震えるほどのスリルがあります。快感はあります。これも強調して言っておきたい。
皆様、一度はやってみる価値はある、未練・或爺杯モックドラフトのGM、楽しんでもらいたい。

2021年の未練・或爺杯(通称「未練杯」)も無事に終わりました。
面白くなかったトレードといえば、コレ。


今年のドラフト全体1位指名は、Trevor Lawrence(QB, Clemson)で間違いないです。
昨季のNFLのレギュラーシーズンの頃から、シーズン最下位なら(即ち全体1位指名権なので)彼を指名できる、と言われるくらいでした。
Andrew Luck(2012年全体1位 Stanford → IND)以来の、NCAAの中でプロのQBがいる、そんな存在でした。
スタッツの内容ともかく、おかしいのは3年間スターター36試合の成績が34勝2敗。そんな凄い人。
ですから、さすがにこれをトレードはよろしくないです。


前日に引き続き、自分の過去の未練杯でのトレードを調査。
2014年 San Diego Chargers

1巡30位 Xavier Su'a-Filo OG UCLA

1巡25位の指名権を、1巡30位 + 3巡100位にトレードダウンしての指名。
当時の指名の感想戦を別のブログに書いていたのに、スポナビブログがなくなったので記事が消えた。思い出せない。
チャージャーズの当時の状況を考えると、CBがニーズだったのに、CBのBradley Roby をわざわざ譲っているのがとても興味深い。DTのLouis NiXはそもそも取れなかったんだろうなぁ。(実際の指名が3巡まで落ちるんだから、これはこれで凄い)
うっすら覚えているのは、QBのPhilip Riversを守ることの方が優先だ、という考えが働いてのこの指名だったはず。
なお、Su'a-Filoは2巡33位(2日目の一番最初の指名)でHOUへ。その後ジャーニーマンになりました。微妙。1巡35位にCLEのJoel Bitonioがいるので、とても失敗した印象のある指名。
実際のドラフトは1巡25位でJason Verrett(CB,TCU)を指名。それ以外がハズレな気がするが、Verrettは当たり。


2016年 MIN

1巡31位 Cody Whitehair OG Kansas State

https://encyclopector.hatenadiary.org/entry/20160410/p1
1巡23位 + 4巡121位 + 6巡180位 を 1巡29位 + 3巡81位 + LB S.Weatherspoon(元2010年1巡)にトレードをしてからの指名。
この年はWRが不作なのにドラフトニーズがWRだったという苦労した年。結局目を着けていたWRが残らずトレードダウン。実際のドラフトでは1巡21位(HOU)のWill Fullerもスルー。Fullerは怪我が多くてスターになれない選手。4年契約のオプション1年は全うしたものの、2021年にはついにHOUからリリース。
実際のドラフトでは、Michael Thomas(2巡47位,NO)、Tyleek Hill(5巡165位,KC)のプロボウラーが出ている。ただ、1巡はCorey Coleman(15位,CLE)、Josh Doctson(22位,WSH)、Laquon Treadwell(23位、MIN)、みんなダメでしたね。
未練杯で指名したWhitehairは、OGとして活躍できるだろうという印象を持って、自信をもって指名したが、2巡56位でCHIが指名。開幕からCとして先発。以後5年間全試合出場。2018年にはプロボウラーにもなった。悪くはない。ただ、もっと何かあったのかどうかを考えるとあったのかもしれない。モヤモヤ。
振り返って未練杯のドラフト指名選手を見ると、1巡31位がDak Prescott(4巡135位,DAL)だったのは慧眼だと思う。この年のOROYは彼。


2017年 NO

1巡11位 Reuben Foster LB Alabama

そして1巡32位 + 6巡196位を、FS D.Harmon + CB M.Butler にトレードした
https://encyclopector.hatenadiary.org/entry/20170423/p1
元々ドラフト時に、NOは1巡11位と1巡32位(WRのBrandin Cooksの対価)と1巡2枚持ちだった回。
NOのニーズはとにかく守備だ、とMarshon Lattimore(CB,Ohio State)を狙っていたら目の前で取られて、この指名。ちなみにFosterは1巡31位でトレードアップしたSFが指名。素行が悪かったのでNFLの世界では2年間で16試合のみの出場。こういう人を引いたのは正直辛い。3巡90位Shaquill Griffin(CB,UCF)がSEAからプロボウラーになったが、ドラフト前の評価から鑑みるに1巡にはできない。
実際のドラフトではNOはLattimoreを指名でき、2巡42位でMarcus Williams (FS,Utah)を指名したので狙いは間違っていなかった。コレクトピック未遂である。ただモックドラフトで寸前に取られて歯車が狂ったという感じ。なお、Lattimoreはこの年のDROYであり、3度のプロボウラー
32位の指名を待つ間に、Lattimore以外で狙っていたCBは全ていなくなり、Ryan Ramczyk(OT,Wisconsin)を指名するか否かで悩んだ挙句のこのトレード。未練杯のお祭り的な意味では正解なのかもしれない。ただ、実際のドラフトが本当に1巡32位でRamczykだったので、正真正銘コレクトピックの大チャンスを逃した。正直未練と後悔がある。
この年のNOのドラフトは、Lattimore、Ramczyk、Williams、に続いて3巡67位でAlvin Kamara(RB,Tennessee)を指名。2017年のOROYであり、4年連続のプロボウラー、2度のオールプロ、の彼まで含め、ドラフト大当たりの年。当てたかったナ。

2021年の未練・或爺杯(通称「未練杯」)も無事に終わりました。
とりあえず、トレードが多かったですね。


GMの皆様、こんな気分なのかもしれません。
斯く言う私も、未練杯では幾度もトレードをしているので文句は言わないですが、やっぱり度を超えたトレードは好きになれませんね。
そんな自分のトレードをちょっと振り返ってみようと思うので調査。


 2011年 NE(初参加)

1巡17位 JJ Watt DE Wisconsin
1巡28位 Muhammad Wilkerson DT Temple

この時はトレードせずに、耐えに耐えて欲しい選手を取った指名でした。https://encyclopector.hatenadiary.org/entry/20110417/p1
実際のドラフトではWattは11位でHOUに。Wilkersonは30位でNYJに指名されました。両名ともプロボウラーになりましたし、Wattに至ってはDPOYを3度も取るスターになりました。まぁ1巡31位PITのCameron Heyward(未練杯では指名漏れ)がここ数年でプロボウルを何度も取る優秀なDLになりましたので、WilkersonにするべきだったかHeywardにするべきだったか、永遠の謎。
とにかく、NEの首脳陣は一体全体どういう思考で、ドラフトをするのだろうか?を疑似体験するつもりで臨み、神経と胆力と頭脳が試される、こんな面白い大会はない!という思いになりました。参加することこそ意義がある。


 2012年 NE

1巡24位 Chandler Jones DE Syracuse

初のトレードをしたのがこの指名。 https://encyclopector.hatenadiary.org/entry/20120422/p1
自分が欲しいと思った選手が取られるのではないかと本気で焦り、相手から来たトレード交渉に渡りに船で乗りました。1巡27位+4巡126位を、1巡24位+6巡188位にトレード。
なお、実際のトレードでは1巡27位+3巡93位を対価に、21位で本当にNEがJonesを指名しました。驚きました。モックドラフトが当たる
そして1巡31位をMIAにトレードダウンしてしまいました。実際には1巡31位+4巡126位を対価に、1巡25位でDont'a Hightowerと、準備通りの結果の指名。(Harrison Smithか、Dont'a Hightowerか、Lavonte Davidか、というウッハウハの待ちをしていた)
トレードアップも当たる。普通にやってたら2名とも当たってた。
(未練杯のお祭り的要素で、31位にRyan TannehillをMIAに指名させてあげたわけだが、まさか2019年にTENでプロボウラーQB、しかも年間最高パサーレーティングになるとは誰も予想できますまい)
予想が当たると嬉しい、というのがわかったのがこの年。なにより準備をしたことによる結果だとは思いますが、当たることが嬉しいことは、強調して伝えたい。


 2013年 MIN
この年はNEのGMができなかったので、1巡が2つのMINでした。 http://avestc.blog79.fc2.com/blog-entry-19.html

1巡8位 Chance Warmack OG Alabama

トレードしてでも欲しい選手を、トレードした。そんな大胆なトレードアップを敢行したのがこのドラフト。1巡23位+2巡52位+3巡83位を出して、1巡8位+4巡105位にトレードして指名したわけです。大学時代は凄かったですし全米王者。その時の試合からして、前年の1巡24位、David DeCastroよりも圧倒的に上でした。
が、1巡10位でTENに指名された彼は、NFLでは大きな活躍には至らず、WarmackはPHI在籍時スーパーボウル制覇はしましたが、スタメンではありませんでした。ちなみに彼と双璧をなしていたJonathan Cooperは1巡7位で指名されたARIから3年で出されてもっと残念なことに。1989年以来、OGがTop10に2名も入る稀有なドラフトは本当に残念ドラフトでした。

1巡25位 Manti Te'o LB Notre Dame

テオねぇ。いたねぇ。全米王者決定戦の前に例の事件が発覚して、それから転落するようにダメですね。未練杯のボードを今見直すと、WRのDeAndre Hopkinsが指名できたんだなぁ(実際の指名でも1巡27位)とため息。
なお、実際のMINのドラフトは

1巡23位 Sharrif Floyd DT Florida
1巡25位 Xavier Rhodes CB Florida State
1巡29位 Cordarrelle Patterson WR Tennessee

1巡29位の対価は、2巡52位、3巡83位、4巡102位、7巡229位、うん、現実の方がもっとひどい。Floydは運動能力は優秀でも、試合中に気を抜く悪い部分が気になっていたので評価していませんでした。
加えて

6巡196位 Jeff Baca OG UCLA
7巡214位 Travis Bond OG North Carolina

とOGの指名も、前者は4試合4オフェンススナップ。(1スナップと3スナップ、2試合は0スナップ)、後者は53名ロスターに残れず放出と、OGをちゃんと上で指名しておけばとは思ったりします。Rhodesは当たりでしたが、WRとしてのPattersonは大きい貢献ではなく、彼はリターナー又の名をオフェンスウェポンとして、活躍することになります。うーん、1巡でしかもそんなにトレードアップするタマか?
色々とまとめると、とにかくGMの疑似体験は難しい。改めて未練杯およびNFLドラフトの難しさを思い知った年でした。特に自分から仕掛けるトレードは難しい。
もし、この未練杯をやり直せるのなら、

1巡23位 Desmond Trufant CB Washington
1巡25位 DeAndre Hopkins WR Clemson

って思います。

未練杯 タンパベイ・バッカニアーズGMとして

今年も未練・或爺杯が行われ、タンパベイ・バッカニアーズGMとして参加させていただきました。32位。開始から約4時間待って指名でした。長かったですね。
結果はこちら。
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 さて、指名に関しての予定では、タンパのドラフト前の接触を考えて、Greg Newsome(CB,Northwestern)とTeven Jenkins(OT, Oklahoma State)の2名を中心に待つ展開をしていました。これが本線。(理由はこの両名には、バックス首脳陣が接触をちゃんとしているから、ドラフト本番での指名の可能性も高い)
続いて、上記2名がいなくなった場合は、空いている選手で良い選手を取ろうBPA: Best Player Available と言われます)、という待ちの姿勢に徹することでした。この時、バッカニアーズのドラフトのニーズはどこなのか?スーパーボウルを含むプレーオフの4試合からレギュラーシーズンまで見た結果としては、コーナーバック(CB)エッジラッシャー(EDGE)だろうと判断しました。オフェンスラインは契約の期限を考えてもLTではなくIOLだという判断をしていました。Jenkinsは指名してもOGじゃないかしら?という気持ちでいました。

 ドラフト前に、ARIのGMから、Steve McLendonを欲しいという依頼が来ました。「あれ?誰だっけ?」という疑問符が来るくらい驚きました。Vita Veaが離脱中に取ったNTです。契約延長で1年残留しましたが35歳の年齢もあって、あまり戦力と思っていなかったので、5巡と答えたら、ドラフトの最中にトレードがまとまりました。未練杯恒例のコミッショナーを困らせるトレードだとは思いますが、3日分のドラフトならともかく1日分しかやらないんで、意味あったのか?DTに関しては、Ndamkong Suhも1年契約ですし、誰か指名をするでしょうが、個人的な印象としては1日目でも2日目でもなく3日目になる気がします。

 そして未練杯が開始しましたが、最初の方は「ふざけたトレードばかりしやがって、面白くない」状態でした。(モックドラフトはやはりコレクトピックすることのほうが重要な要素だと思います。今回のトレードはちょっとふざけてる)
序盤のトレードの影響もあって、上位から予想外の順番で指名が進み、WRの指名なんかは本当にプロスペクトランキングから外れていてがっかりするものです。ただリストを見ていくと、とにかくNewsomeとJenkinsが余っているのはともかく、EDGEが余り過ぎていて驚いていました。中盤の16位が終わった段階では、もしかしたらKwity Paye(DE, Michigan)が取れるのでは?とも思いましたし、実況解説の真琴(@MakotoK)、K猫(@kcatchalrotto)両氏の評価の高かったAlijah Vera-Tucker(OG, USC)も余っているので、誰が32位まで残るの?状態の待ちでした。ついでにTrey Lanceのトレードを持ち掛けられましたがQBを持ち掛けるならGaroppoloが欲しかったですね。
20位でNewsomeがWFTに指名されて消えます。早いような遅いような微妙な瞬間。CBが立て続けに消えていく中で消えました。
つまり私のモックドラフトの本番はここから始まるわけです。

 Jenkinsを本線で待ちますが、有力選手を見守る作業が始まります。しかも全然トレードの話が来ない。面白くない。
消えたのはPaye。安心できる指名ですから彼が消えるのは納得。21位のIND。ただ、まだ1名しか消えていません。もしかしたら32位の指名の段階でいろんな選手の中から好きに選べる楽しい状況があるのか?というイメージが出てきましたし、リストには個人的に指名したい選手が1名いました。
Najee Harris(RB, Alabama)、Travis Etienne(RB, Clemson)の両RBが消えたことで、余計な心配が消えました。RBまで天秤にかけるようでは頭が疲れる。指名選手が残る意味では助かりました。
Vera-Tuckerが25位のDETで消えます。実際のドラフトでここまで残るのか注目。一応の基準点としてはDavid DeCastroは1巡24位、Zack Martinが1巡16位。
エッジラッシャー、次に消えたのはGregory Rousseau(DE, Miami)でした。28位のNO。最近の評判だと1日目で指名されないんじゃないかとまで言わるほど。32位まで残ったらJenkinsか悩む選手が消えます。続いてJaelan Phillips(DE, Miami)が30位のBUF。良い選手ですが脳震盪や怪我の履歴が好きになれなかったのは確か。なるほどこういう順番で売れるのか、と見ていました。


 31位、なんと未練杯当日に実際にオーランド・ブラウンをトレードしたボルチモア・レイヴンズでした。
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28位のNO、29位のGB、30位のBUF、31位のBALまで、Jenkinsと接触していましたし、残ったTの中では、私が本線のTeven Jenkins(Oklahoma State)、Samuel Cosmi(Texas)、Liam Eichenburg(Notre Dame)だろう。この中で選ぶならJenkinsだろと思ったら、Azeez Ojulari(OLB, Georgia)が来ました。エッジで活躍する姿が見込めそうな選手です。


 32位まで待ち続け約4時間。本当に狙っていた選手、Teven Jenkinsが残りました。ただ、ドラフトの真っ最中に余っている選手で個人的に一番気になっている選手がずっと余っていたわけです。
というわけで指名に移ります。実況解説やチャットゾーンやら、色々と「誰を指名するのか?オフェンスか?コーナーバックか?」とか言われていましたが、迷いはありません。
Jayson Oweh DE Penn.St
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 あの体躯とスピードを含めた身体能力、エッジラッシャーのJason Pierre-Paul(彼の契約は2022年まで)の後釜を考える意味ではこれ以上ない素材。フリークですよ。彼は。
何故他のGMが見逃していたのか?実況解説の評価も辛かったですが、手持ちの評価記事等も良かったし、伸びしろを考える上で彼を指名しない手がありませんでした。BPAです。
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もし、残った選手が今回のRousseauなら?多分Jenkinsに行ったでしょう。ただ残った素材が全然違いました。これは指名せざるを得ないのです。32位に残らないであろう選手は指名しました。ヴァリューピックです。
今回の未練杯の個人的な評価は、Newsomeを指名できなかったマイナスはありますが、それを差し引きしても90点はあるのではないでしょうか。
問題はNCAAでも経験が少ないOwehが、私をがっかりさせないよう、NFLで精進していってくれることを願います。


とにかく、4時間ずっと板ガムを噛みっぱなしで、顎と歯が痛い。
そして、今年は、こんな本が日本で出版されました。快挙です。

そして本番のNFLドラフトも1日目だけではありますが、放送されます。
実際のドラフトが楽しみになってきました。今回のモックドラフトも参考程度に見て楽しんでもらえるとこれ幸い。